支援者ゼロという衝撃
話題の中心は、FiNANCiEクラウドファンディング型のコミュニティ運営プラットフォーム。トークン(コミュニティ独自の通貨のようなもの)の発行・売買を通じて、オーナーと支援者がつながる仕組み。で始まったあるお酒のコミュニティの二次ファンディングです。6月中旬ごろから募集が始まっていたものの、支援者は「なんとゼロ」だとおきらくさんは驚きを隠しません。
最初は「バグかと思っちゃった」ものの、実際にはバグではないことがわかったといいます。しかもこのコミュニティは、フィナンシェ側が最も注目し、大プッシュしている案件でした。4月のカレンダーの一番上に募集案内が載り、オーナーは運営代表の国光さんとも対談しているほどです。それでも支援者は集まりませんでした。
誰も、誰も、マジで誰も見てない。というか支援しない、追加ファンディングしない。
プランの中身と「放置」されたコミュニティ
対象となっているのは「天の里」というお酒です。720ミリリットル1本に加え、プランに応じて箱やお猪口、NFCタグ、コミュニティトークンがセットになる構成でした。ポイントは1ポイント=1円で換算されます。
| プラン | 価格 | 内容・条件 |
|---|---|---|
| A | 33,000ポイント | 誰でも購入可・限定150 |
| B | 33,000ポイント | トークン保有が条件・限定50 |
| C | より豪華な箱・お猪口 | トークン多め・限定10 |
先月まではBとCのプランは、コミュニティのトークンをそれなりに保有していないと購入できませんでした。今回、一般開放されたというお知らせが届き、誰でも買える状態になったものの、それでも支援は動きませんでした。
おきらくさんが問題視するのは、コミュニティが「放置」されている点です。アクティブコミュニティランキングフィナンシェ内で、フィードの投稿やトークンの売買など、コミュニティの活動量を反映した順位。活動が活発なほど上位に入る。を見ると、5月は78位、6月はランク外だったといいます。
フィナンシェが大プッシュ・国光さんとの対談・カレンダー最上位で告知
コミュニティ放置・ランク外/新規支援者ゼロ・支援額ゼロ
なぜ「その人だから買う」時代なのか
おきらくさんは、お酒そのものの味を否定しているわけではありません。「カンヌで披露した特別な一本」なのだから美味しいのだろうと思いたい、と語ります。しかし本音は「割とどうでもいい」。世の中に出ているものはそれなりに美味しく、美味しくなければ淘汰される、というのがその理由です。
だからこそ「じゃあなんで買うの?」という問いが立ち上がります。答えは「その人だから買う」。もうそういう時代に突入している、とおきらくさんは指摘します。ここでコミュニティの価値が出てくるわけです。
信用・信頼の貯金を少しずつ貯めていき、溜まりきったところで支援という形で還元される。おきらくさんはコミュニティ運営をそんなイメージで捉えています。もしオーナーが毎週のように「今日はこういう場所で布教してきました」「カンヌに選ばれました」と過程を投稿していたら──。プロセスエコノミー完成品そのものではなく、それが生まれるまでの過程(プロセス)を共有し、そこに価値やお金が生まれるという考え方。ファンが制作の裏側に共感して支援する構造を指す。のように制作や活動の過程を見ていれば、多少高くても支援するはずだ、と語ります。
コミュニティ放置。オーナーの人柄も過程も見えない。「めっちゃ美味しいお酒を売る」だけでは、ネットでたまたま見た商品と同じ扱い。
日々の投稿でオーナーの活動が見える。過程を共有し関係を築く。「この人のために」と支援したくなる。
逆に今回のように投稿がなければ、どんなオーナーかもわからず「応援の『お』の字もない」状態になります。すると三万三千円という金額は、ネットでたまたま見かけた高級酒と何ら変わりません。「二次のファンディングサポーター募集してるんだな。はい、終わり」。そこから先の感情が湧かない、というわけです。
告知は「し続ける」ものである
おきらくさんは、放置していてもしていなくても結果は同じかもしれないと認めつつ、それでも「やり続けること」が重要だと強調します。ここは他の人も語っていた考え方だといいます。ポイントは、告知は一度やるものではなく、し続けるものだという点です。
おきらくさんは、金額による支援のハードルの違いにも触れています。1万円ほどなら、そこまで頑張っていないオーナーでも迷わず支援するかもしれない。しかし3万円ともなると、しっかり活動しているオーナーでなければ出せない額だといいます。「先月放置してるオーナーに出すポイント数じゃない」というのが結論です。
フィナンシェの方針への疑問
おきらくさんは、最近のフィナンシェが「コミュニティ機能は置いといて」というニュアンスを打ち出しているように見える点に疑問を投げかけます。記事などでそうしたニュアンスを見ると「これ大丈夫か?」と思ってしまう、というのです。そしてその方針の帰結が、今回の支援者ゼロという結果に表れていると見ています。
自身のコミュニティについても、運営が75%も保有しているにもかかわらずトークン価格は0.25を下回っている現状を明かし、「正直、厳しい」と率直に語ります。しっかり運営していても人は減り、トークン価格も下がっていく。それはシステム上しょうがない面もあるといいます。それでも、放置しているコミュニティは本当に見向きもされない、と改めて実感したと締めくくります。
今のフィナンシェこれです。こっからどうすんの?と。これでコミュニティ置いといてって、その方針で今年やるの大丈夫?みたいな。
なお、おきらくさんは繰り返し「批判しているわけではない」と断りを入れています。今回募集しているオーナー自身は活動をきちんとしていることは理解している、としつつ、それでもコミュニティを放置している以上うまくいかないのは自明ではないか、というのが一貫した論旨です。全オーナーがこの状況を見ておいた方がいい、というのがこの回のメッセージでした。
まとめ
フィナンシェが大プッシュしていた案件でさえ、コミュニティを放置していれば支援者ゼロという結果になる──。今回のエピソードは、コミュニティ運営の重みをリアルな数字とともに突きつける内容でした。「その人だから買う」時代において、日々の関係づくりと告知の継続こそが支援を生む土台になる、というのがおきらくさんの見立てです。
- フィナンシェが大プッシュするお酒コミュニティの二次ファンディングが、一般開放後も支援者・支援額ともにゼロだった
- 「天の里」の各プランは主に33,000ポイント(≒33,000円)で、A・B・Cの3種があった
- コミュニティはランキングで5月78位・6月ランク外と「放置」状態だった
- 「その人だから買う」時代には、過程の共有や日々のコミュニケーションが支援の土台になる
- 告知は一度きりではなく「し続ける」ことが重要
- コミュニティ機能を軽視するようなフィナンシェの方針に、おきらくさんは疑問を呈している
