動けないなら「リリースしちゃう」
最初の相談は、年収2000万円で法人化し自社事業に挑戦しているものの、理想のリリースに至らず足が止まってしまうというもの。事業アイデアに自信が持てず、脳内の批判に負けてしまうといいます。
AIの答えは「今すぐ月20万円のオフィスを借り、3ヶ月以内に最初のサービスをリリースしなさい」というもの。けんすうさんは、これを正しそうだと受け止めます。
けんすうさん自身も、リクルート在籍中に副業で起業したものの1年半ほどうまくいかず、結局会社を辞めたことで時間とリソースが取れて前に進んだと振り返ります。
進んでみて帳尻合わすっていうしかないっすよね。
けんすうさんは最近、500人ほどのユーザーを想定してとにかくリリースしてしまう方法をよく使うといいます。リリースするとフィードバックが来て、焦って開発が進むので早いのだそうです。
ただし箕輪さんは、固定費をかけることには慎重です。オフィスを借りるような固定費は嫌なプレッシャーになるので、自分はあまりやらないと話します。
嫌なプレッシャーになっちゃうから、それよりも立ち上げちゃって反応を見るとか、僕もそっち側かな。
一方で箕輪さんは、自分の中で盛り上がっていないことはうまくいきにくいとも語ります。だからこそ「機を見る」ことも大切にしているといいます。
自分の中でなんか大して盛り上がってないことってあんまりうまくいかないっていうか。だから機を見るっていうのも大切にしてますね。
熱量はツイートの連投などから透けて見えると箕輪さんは言います。ピンと来ていない状態でそれっぽくリリースしてもバズらない、と。
けんすうさんが手がけたびっくりマン風の名刺サービスも、その熱量が伝わってきたと箕輪さんは評価します。顔写真から生成AIでシールを作り、名刺として印刷して届くため、経費にもなり中小企業の社長に使いやすいという話に広がりました。
この流れで箕輪さんは、その人ごとの「人間エネルギーカード」を作り、許可制でフランチャイズ化するというアイデアを即興で膨らませていきます。
結論として、月10万円の投資はそれほど効果がなく、放置してもダメージが少ないため、まずはリリースしてしまう方がよいと二人は話します。
アイデアに確信なんて持てないですからね、大体。
やる気のブレは当たり前、上司を待つのは贅沢
2つ目の相談は、社会人6年目で課長補佐に昇進したものの、やる気のブレが激しく悩んでいるというもの。上司はフィードバックをしてくれず、昔のようにがむしゃらに頑張れないと感じています。
AIの答えは「情熱は外から与えられる刺激ではなく、自分で設計した負荷から生まれる。上司のフィードバックを待つのをやめ、自分に課題を課せ」というものでした。
けんすうさんは、マネジメントしてもらおうと思っている時点で難しく、むしろ上司をマネジメントする側に回る必要があると指摘します。
箕輪さんは、そもそもやる気のブレは当たり前だと言い切ります。上司に叱咤されてやる気が出た経験はないと語ります。
俺、上司になんか叱咤されてやる気が出たことなんてないけどね。
むしろ本当にやる気が出ている時は、上司の方を止めているといいます。与沢翼さんやガーシーさんの本を作った際も、自分がやりたい時は「やるな」「やめてくれ」と言われたと振り返ります。
箕輪さんは、本当にやりたいことが見つからないと動けないタイプだと言います。やる気がない時期はやる気がないと認め、無理に出力しないことを大事にしていると話します。
やる気がないことをごまかさない。やる気ないですと。もうオフですと言ってると、本当にやりたいと思った時にちゃんと着火すんだよね。
実際、年内に出るはずだった自著が書けておらず、編集者や社長からのメールを未読スルーして、12月前半で早くも仕事納めした状態だと明かします。
一方でけんすうさんは、共著を進める中で、箕輪さんがやる気1%でも的確なアドバイスをくれると評価します。やる気がなくても仕事が進むタイプもいる、と。
ちょこちょこあるアドバイスがやっぱりめちゃくちゃ的確なんすよね。だからやる気一パーでも仕事進むタイプっていうのはいるなと思います。
上司が部下のやる気を出そうとしてくれるのはラッキーなケースにすぎない、と二人は結論づけます。期待され「お前しかできない」と言われることでモチベーションが上がることはある、とも付け加えました。
AI時代に取り残される人、使いこなす側はまだ余裕
3つ目の相談は、生成AIについていけないと取り残され、使いこなせない人は年収でも格差が生まれるのではないか、という不安です。
AIの答えは、基盤モデルの開発者になるのは無職・資産なしからでは現実的に無理だが、使いこなす側になるのはまだ可能だというものでした。
箕輪さんは、「もう遅い」と言われてからでもずっと大丈夫だと語ります。今なおスマホやnoteを使いこなすだけでも差がつく、と。
大体がもう遅いってなってから全然ずっと大丈夫だからね。
けんすうさんも、2006年頃に「今からブログは遅い」と言われても実際は早かったこと、YouTubeも2014年には遅いと言われながらコムドットなどはその後に登場したことを例に挙げます。
そう、みんな早いんですよね。YouTubeも2014年ぐらいにはもう遅いって言われてましたからね。
結論として、AIを使う側になるのは余裕で間に合うと二人は話します。箕輪さん自身もAIをよく使っており、特に人生相談や複雑な人間関係の整理に使っているといいます。
この人にはどういうふうな態度で接すればいいですかみたいな。
箕輪さんは、AIが膨大な人生相談のデータや心理学から的確な答えを返すのだろうと推測します。人に聞けないことを聞けるのがいい、と。
AI社会で存在するために発信する
話題は、自分の情報を発信することの重要性に移ります。実際にAIに箕輪さんの好きな食べ物を尋ねると、肉系・ラーメン・寿司・ジャンクで「健康意識より快楽優先」と返り、当たっていると笑います。
箕輪さんは、SNSと同じことがAIでも起きると指摘します。
この人について教えてくださいと聞いても出てこないと、取引をやめておこうとなりかねない、とけんすうさんは応じます。
一方で、AISEO(AIに情報を組み込む施策)を掲げる会社もあるものの、アルゴリズムがまだ不確定で効果はわからないと二人は慎重です。箕輪さんは、株を無償で持たせるので情報を組み入れると持ちかけられた際、他社もできるならと見送ったと話します。
クリエイトすること自体が消費になる時代
格差は広がるだろうと認めつつ、箕輪さんは「死にはしない」と話します。健康と趣味、そして日々自分を満たす対象物があればいい、と。
ただし箕輪さん自身には、その満たす対象物がなく「毎日虚無」だといいます。満たされるのは、問題が起きたり炎上したりして、壊れたものを直している時だと明かします。
問題が起きたり、炎上したりして、壊れたものを直してる時ですよね。
マイナスを0に戻す作業は辛くても生きている心地がする一方、0から組み立てることには興味がないと語ります。壊されにも慣れるため、それを超える壊されでないと反応しなくなる、とも。
これに対して箕輪さんは、AI時代に強いのは、作ること自体を楽しめる人だと考えます。上司の白田さんがベースを、東出さんが梅干し作りを、届くかどうかを気にせず楽しんでいる例を挙げます。
クリエイティブディレクターの高木晋平さんからも、自分は消費のされ方より作る過程が好きなのだと指摘され、その通りだと感じたといいます。
クリエイトするっていうことが消費というか、消費じゃないんだけど、まあそういう体験で、それを人に届くかどうかって、もうあんま考えないというか。
けんすうさんは、自分たちは享楽的で、スマホ時代のスピードに慣れているため、そうした地道な楽しみに飽きてしまうのではと問いかけます。
スマホで壊れた脳と、親指1ミリの危険
けんすうさんは、地道な上達を楽しめないのは、スマホ時代で脳が壊れている可能性があるからだと分析します。わずかな指の動きで面白い動画にたどり着けるため、数日かけて何かをすることがだるくなる、と。
箕輪さんは、探検家のカカハタさんの著書を引きながら、到達を頑張るより自然と一体化することに幸せを感じる生き方に触れます。釣りも「取れた」ではなく生態系を理解した上で「釣れた」ことが嬉しいのだ、と。
共通するのは、東出さんもカカハタさんもスマホをほぼ使っていないという点でした。二人は、原因はスマホとSNSにあるのではと考えます。
箕輪さんは2026年にSNSをやめようかと口にしますが、仕事にならないと悩みます。拡散も世の中とのコミュニケーションもスマホが軸になっているためです。
でも俺やめたらお金稼げないよ。スマホが一個のキーファクターだもん。
そこでけんすうさんが提案するのが、スマホは使ってもいいが「触っちゃダメ」という方法です。無線キーボードを持ち歩いてiPadやスマホとつなぎ、キーボードで打つことで、余計なスワイプを避けられるといいます。
キーボードを触ってると、このなんかスワイプするのとか面倒くさいから原稿書き続けられるんですよ。
けんすうさんは、最近原稿が早いのはChatGPTのおかげではなく、スマホに触っていないからだと明かします。触ると遊んでしまうため、あえて触りにくくしているのです。
二人は、SNSでは毎日大人同士の喧嘩や和解が見られてしまい、つい見てしまうと語ります。昔なら一年に一度あるかないかの出来事が、今は毎日流れてくるからです。
なお、この収録に続き、2月19日木曜に新宿LOFT PLUS ONEでの公開収録(オフ会)を開催すると告知して締めくくられました。
まとめ
やる気も情熱も外から与えられるものではなく、自分で発電するものだという視点が、行動・働き方・AI時代の生き方まで一貫して語られた回でした。
- 動けない時は固定費より、まずリリースしてフィードバックで前に進む
- やる気のブレは当たり前で、上司を待つのではなく自分に課題を課す
- AIを使いこなす側になるのは「もう遅い」と言われても間に合う
- 発信してAIに情報を食わせない人は、AI社会で存在しないのと同じになりうる
- スマホは「触らない」工夫で、脳を奪われず作業に集中できる
