楽観的に踏み出すために、実は「最悪」を考え尽くしている?
最初の相談は「意思決定のとき、楽観的に進むべきか、慎重にリスクを考えるべきか迷う」というものでした。AIのご神託は「楽観的に踏み出しなさい」。
けんすうさんは、箕輪さんを楽観論派だと思っていたようで、リスクを気にするのか尋ねます。すると箕輪さんの答えは意外なものでした。
全部が楽観的なんですけど、全部が最悪の方に転がっても別に大丈夫だよねって思ってやることをやってる気がする。
むしろ箕輪さんは、自分よりリスクを気にすべき立場の人が、大胆に動いていることに驚くことが多いと言います。
なんでそれ本当に丸腰で起業したの?とか、え?そんなことも調べず転職したんだとか。多い。
つまり箕輪さんの楽観は、最悪でもこの程度だよねと思えるところまで考え尽くした上での楽観だということです。
そこから2人は「多くの人は起きないリスクを心配しすぎている」という話へ進みます。
バズる前に炎上を心配する人が見落としていること
けんすうさんは、YouTubeやウェブサービスを始めるとき、慎重派の人ほど炎上リスクを気にすると指摘します。でも実際は、そもそも見られないことがほとんどだと言います。
99パーまず見られないので。
顧問先とかでも、Twitterでまさに炎上リスクとかいろいろ言うんだけど、大丈夫。バズんないから。
ウェブサービスでも同じで、リリースして流行ったときのリスクを考える人は多いけれど、99パーセントのリスクは「流行らない」「誰も来ない」ことだと言います。
箕輪さんは、新しいアプリの拡散を手伝おうとしたときに「人が集まったら不具合が出るかも」と言われて体制を整えられたエピソードを挙げます。そんなに集まらないし、集まってから直せばいい、というのが箕輪さんの感覚です。
むしろ不具合起きてすぐ直してる方がいいアプリだなってなるみたいなのありますよね。
そこで箕輪さんが提案したのが、パターンを書き出す方法です。
けんすうさんの会社では、この考え方を「リスク管理表」として運用しているそうです。
最悪これが起きて、対処法これっていうのが全部決まってると安心してリスク取れる。
そして2人は、リスクとして考えていたことが実際に起きているなら、それはむしろうまくいっているサインだと話します。流行らなければ、そもそもそのリスクは起こらないからです。
AIでいいわ。無難な話が誰の記憶にも残らない理由
この日、箕輪さんは子どもの入学式に出たばかりでした。校長や理事の話がつまらなすぎて、寝そうになったと打ち明けます。
もう本当に寝そうになった。AIでええわって思った。
1個でも個性的なことを言ってくれればいいのに、大量生産したような話だった、と箕輪さん。しかも途中で退席したら、まったく同じタイミングで出てきた知り合いがいたそうです。
けんすうさんは、これを意思決定の話とつなげます。
校長先生が何かを言わなかったからといって怒る人はいません。それなのに、言うべきことを全部網羅しようとするから、話が長く無難になってしまう、というのが2人の見立てです。
自分の意見を貫くために、周りの意見を全部聞く
2つ目の相談は「他者の意見を参考にすべきか、自分の考えを貫くべきか」。ご信託は「自分の意見を貫きなさい」でした。理由は、最終的に行動するのは自分だから、というものです。
けんすうさんは、箕輪さんにアドバイスするとき「お前、自分じゃなくてこっちの意見を聞けよ」と思うことはないか尋ねます。箕輪さんの答えは、一見矛盾するようで筋が通っていました。
自分の意見を貫くために周りの意見全部聞くって感じですけどね。
できるだけいろんな人の意見を聞いた後で、最終的に自分で決める。だから自分の意見を出すためにも、周りの意見が大事だという考え方です。
100人中99人がAがいいって言ってて、自分がBがいいと思ってBに行くことはあっても、100人中99人はAがいいって言ってるっていう情報は必要だからね。
自分がずれていると分かった上で選ぶのはいいけれど、主流派だと思い込んでずれた選択をするのは危ないということです。意見を聞かない人は、いきなり自分の意見を出してそのままやってしまう、と2人は指摘します。
一貫性は信頼される。でも「変わる」ほうが面白い?
けんすうさんは、時間軸の話も持ち出します。人は意見の良し悪しを判別できないので、5年前と今で同じことを言っている人を「一貫性がある」「信頼できる」と評価しがちだと言います。
ただ箕輪さんは、自分は一貫性から一番遠いと笑います。
死ぬこと以外かすり傷って言って、臆面もなく、かすり傷も痛かった。
箕輪さんは、昔の発言に縛られる感覚がなく、むしろ変わっていたほうが嬉しいと言います。「死ぬほど働け」と言ったり「脱成長だ」と言ったり、発言はかなり変わってきたそうです。
変わんないってことが信じらんないんだよな。
一方、けんすうさんも自分は「めちゃくちゃ変わっている」と言います。昔は起業したほうがいいと思っていたけれど、今は起業しないほうがいいと考えているそうです。
つらいじゃないですか、起業って。
この変化について箕輪さんは、個人の心境だけでなく、世の中の大きな変化もあると言います。かつてイケイケの発信をしていた頃は、「起業しないほうがいい」という主張は逆張りに見えたそうです。
その時代に「メンタルが一番大事」「みんなが勝てるわけじゃない」と言っていた家入さんについて、箕輪さんは当時は違和感があったと振り返ります。でも今は、家入さんの一貫性を素直に評価しています。
家入さんは一貫してる。だからサービスに思想が一貫してるもんね。
コロコロ変わる人の中にある「変わらない軸」
箕輪さんは、けんすうさんにも一貫した軸があるはずだと問いかけます。けんすうさんが挙げたのは、情報や考えに対する姿勢でした。
みんなが思ってる情報とか考えは、なるべくインターネットにオープンに出した方がいい。
これはずっと変わらない、とけんすうさん。箕輪さんは、それを「オープンでフラット」という言葉でまとめます。
けんすうさんは、自分がインターネットの初期世代であることに理由を求めます。オープンでフラットでシェアするのがいい、という空気が当時はあったからです。
みんなのものにしようっていう、やっぱ民主化は一貫してますよね。
ここでけんすうさんは、話を箕輪さん自身に戻します。人から意見を言われても、そこにあまりアジャストしないタイプではないか、という問いです。
言うけど、本当にそう思ったら、そうっすねって言える。
そこから2人は「負けられるかどうか」という話に移ります。けんすうさんは、負けられる人は強いし、負けられない人ほど自分の意見に固執すると言います。
箕輪さんは、どうでもいいことは負けられるけれど、「ここで負けたら嫌だ」というポイントは意外と負けられないかもしれない、と自己分析します。
ところが箕輪さん自身、その分析を「ちょっと全然違うわ」とすぐに撤回。けんすうさんは、それこそが箕輪さんらしい「負けられる」姿だと笑います。
今めっちゃ負けましたね。いいですね。
直感で決めていい。ただしAIも直感を選んだ理由
3つ目の相談は「直感で動くべきか、データを分析すべきか」。ご信託は「直感を信じて決めなさい」でした。AIが直感を選んだことに、2人は少し驚きます。
AIの理由は、経験や知識が無意識に凝縮されているから、直感にも意外と根拠がある、というものでした。
直感、調べる、また直感に戻るって感じですね。
こうじゃないかと思って、一応いろいろ調べてみて、最終的にまた感覚に従う。それが箕輪さんの決め方だそうです。けんすうさんは、データ分析には「1週間」のように期限を決めていて、それ以上はほぼ無駄だと言います。
そして箕輪さんが語ったのが、この回の核になる考え方でした。
一生後戻りできないことは慎重に決断すべきだけれど、後から修正できることは、決断はスタートにすぎない。だから一旦決めてしまえばいい、というわけです。
決断したことを成功にしようみたいなマインドの人、決められますよね。
人生最大の後悔は、LINEのID公開だった
話は「一生後戻りできない決断」の実例へ。箕輪さんいわく、人生最大の後悔はLINEのIDをTwitterで公開したことだそうです。
友達が5000人ぐらい申請が来て、もう上限なんすよ。
申請が来るだけで上限のキャップが生まれるらしく、今では誰ともちゃんと友達登録ができない状態だと言います。けんすうさんは「許可しなければ減るのでは」と提案しますが、話はそう単純ではありませんでした。
削除するには、一人ひとりを一度ブロックし、そのブロックリストからまた削除する、という手順が必要になるそうです。5000人分やるのは現実的ではありません。
一回にはブロックしか出てこないの。これは無理ですよ。永遠にいるんだから。
さらに箕輪さんは、自分のLINEのQRコードを載せたTシャツを売ったこともあると明かします。それも売れてしまい、もはや制御できないと言います。
ここから箕輪さんは、電話やIDに関わるものは公開してはいけない、という教訓を語ります。
電話番号って一人一個とかしか持てないじゃない。そういうのは絶対公開しちゃダメ。
住所なら引っ越せるけれど、LINEのIDは簡単に変えられない。だからこそ、これだけは後戻りできない決断だというのが箕輪さんの結論です。
公開した当時は、これこそインターネットのコミュニティだと意気揚々だったそうですが、上限があると知って後悔したと振り返ります。
LINEのIDは公開しない。それ以外は直感で決めていい。
まとめ
この回は、意思決定の相談を入り口に、2人が「最悪の想定」と「決断はスタート」という2つの軸を語り合った回でした。楽観のために最悪を考え、直感のために調べ、後戻りできることは一旦決めてしまう。そんな判断のリズムが具体的なエピソードとともに見えてきます。
- 箕輪さんの楽観は、最悪でもこの程度だと考え尽くした上に成り立っている
- 新しい挑戦で心配されがちなリスクの多くは、そもそも流行らないことで起こらない
- 自分の意見を貫くためにこそ、周りの意見を全部聞いておく
- 決断できない人は決断をゴールと考え、決められる人はスタートと考える
- 後から変えられないもの(LINEのIDなど)だけは慎重に、それ以外は直感で決めていい



