受託の丸投げ案件、どう向き合う?
最初のご相談は、20代後半の起業家ハシモトさんから。自社事業のかたわらで始めた受託にストレスを感じている、という悩みです。
御神託ラジオです。けんすうです。
箕輪です。
じゃあラジオネーム、ハシモトさんの相談。20代後半の起業家です。5年前に通販系の自社プロダクトで創業して成長したんですが、ここ1年は知人の企業からも受託していて、ストレスが大きいと。受託事業は先方が儲かりそうだからという動機で始めてるので、メンバーに情熱がなくて指示待ちの人が多いと。プロジェクトは我々に丸投げだと。受託は即お金がもらえるけど、自社事業のような没入感や長期的な幸福感がないって迷ってます。
わかる。めちゃめちゃわかります。
AIによるご信託は「受託プロジェクトは最小限の労力で継続しながら、自社事業に8割のリソースを集中させなさい」。ちょっと笑っちゃうな。それはそうだろうっていう。
それができりゃやってますよって話ね。
僕はこれ全く同じのが最近まであって、僕における顧問っていうのがこれに近いんですよ。1時間で30万ぐらいもらえるけど、本当にリターンを出せてるか、自分自身没入してるかっていうと、そうかなっていう。だけどやっぱり稼げるし、こっちで稼がないと書籍編集なんて全く金になりませんから。
でも解決があって。数的目標を作るっていうのが一個あって。やりたいことのためにこのぐらい稼ぎが必要だっていうのがあったら、それを数字の目標にして、もっと受託取りまくるぞって方向に行くもよし。あと僕がやったんですけど、顧問って意味あんのかなって思った時に、林さんの顧問の人とかに話を聞いたら、コミュニティとして本当に価値がありますって言ってたから、俺それ得意だから本気でコミュニティにしようって思ったんですよ。
月30万を払ってくれる、ビジネス持とうとしてる人たちを箕輪が束ねるコミュニティにして、オンラインサロンやってた時みたいに価値を出そう、仕事もそこで生まれるようにしようって思ったら、それが楽しくなったんです。だから受託も、自分たちなりにこうしたら意味があるんじゃないかを見つけるとか、数字か意味か、できれば両方見つける作業はやった方がいいかなって気はします。
僕がやる時は、新しい知見が手に入って、新しいことを試せてお金ももらえる、みたいなのをやってますね。
確かにそれもあるね。やる基準を明確にする。
お金だけにすると意外とコスパ悪い時もあって、お金だけいいからやる仕事って結構向こうと揉めたりして、逆にすごい工数かかったりするじゃないですか。
すごいお金払いいい人ってちゃんと結果を見たりするのよ。この人ガバガバだと思ったのに、すごい分析結果出してくださいとか言うじゃんみたいな。
こっちはガバガバだと思ってやってるのに。だからお金だけでやってるってのもありますし、これ受託の問題じゃなくて、単純に相性悪いところとやっちゃってるだけって可能性もあります。
丸投げ案件こそ、自分の世界観で作り変える
話は「丸投げする側」の本音へ。箕輪さんは、丸投げされた案件をどう自分たちの武器に変えるかを語ります。
受託がつまんないわけでもないもんね。あと僕も丸投げする側なんですよ。あんまり熱量がないもので、ゼロからもう一回あれつけるのがめんどくさい時に、何でもやってくれるチームにこれ頼むって投げたりするの。多分そういうのが来ちゃってるんですよね。
ガバッと来たけど、プロジェクトメンバーもそもそも何をやるんですかみたいな顔してるみたいな、あるじゃないですか。だからそういう仕事がいっぱい来るってことは、そこにニーズがあるってことだから、逆にそれを自分たちの独自のノウハウ化して、我々は何をするんですかっていうところから始めてみたいな。
もしこれが、よくわかんない案件を投げられる場所として機能したら、超需要あると思う。
20代の時は、自社事業は熱量込められるけど受託難しいよねと思ってたんですけど、今は逆で、やる気ない相手の方が自分である程度作れちゃうじゃないですか、世界観とか。こういう世界作りましょうって自分のビジネスのようにやっちゃえる。それができない場合は、箕輪さんおっしゃったようにノウハウ化しちゃう。やる気ないチームがこうやるとやる気が出るってノウハウ化ができると、今後超強い。
多分ね、みんな指示待ちで情熱ないのは、そもそもよくわかってないんですよ。「お前この会社とやっておいて」しか言われてないんですよ。これ俺よく言うもん、「あと頼む」みたいな。今までのやりとりのスクショだけ送って。
1ヶ月後とかに「あれどうなった?」みたいな。
逆においしいですけどね。自分たちの思いでやって、丸投げした側にすごい熱量で返ってくると、こっちもOKせざるを得ないじゃないですか。丸投げしてるから。
丸投げしてる側って、大体こういう人に多いと思うんだけど、何投げたかも覚えてないんですよ。全く違う感じに育ってても、ふむふむ、よくやってんなって言うから。
だからそれはそれで、自分たちが腹落ちした状況に、数字でも目的でも、腹落ちする状況を作るっていうのは大事だと。
実は自社事業とか受託とか関係ない話をしている可能性もあって、このタイプの人にありがちなのが、自社事業がある程度回ったら社長やることなくなって情熱失う、みたいな悩みを次持つんですよ。
目的は自分で作んないとね。なんでやってんだっけ?って気づいたら負けですからね。
無理やりでも作るっていう。いや、よかった。いい話だった。
切り抜き本は実現できる?本の価値が変わる時代
続いてのご相談は「本が嫌い」さんから。YouTubeの切り抜き動画のように、切り抜き本は作れないのか、という質問です。
ラジオネーム「本が嫌い」さん。YouTubeで切り抜き動画が流行ってますが、これを本に置き換えた切り抜き本は実現できないのでしょうか。著者が許可を出した本であれば切り抜き本を作れる、実現すれば本業界に活気があふれる気がするが、どうかなって話ですね。AIの結論は「素晴らしいアイデアですが、実現には大きな壁があります。著作権、ビジネスモデル、品質管理」。
全然やってくださいって感じなんですけど、売れないですよね。今、要約動画とか要約サイト、フライヤーとか無限にあるんで、そもそもこの切り抜き需要には本はもう対応するコンテンツを勝手に作られてる状況で。これを紙の本でやっても、有料で買うような人はいないですね。
いないですね。本当に難しい。マルクスみたいなやつはもうたくさん出てますしね、要約本。そもそも読書してこなかった人が切り抜き本読むかというと、読まないと思いますね。
今だから本当その逆で、僕が幻冬舎の冬を夏に変えた会社「幻夏舎」の社長になるっていうのでやってんのが、本当に骨太の。難しくて読んでると寝ちゃうんですよね。でも面白い、1日で読み終わらない本を今やってて。明らかにコスパが合わないビジネスにもなんない。ライトなコンテンツはYouTubeの方が強いんで、コスパが合わない本しか本質的にはもうないなと思って、そっちを作ろうって思ってて。
コスパ需要がもうあんまりないと思ってて、大体満たされているので、本当に著者と対話するような本を1ヶ月かけて読むみたいな方が欲しい感じはします。YouTubeでいいですもんね、ほとんど。
僕は本をやっぱり一番得意ではあるが、ツールだと思ってて。僕がやりたいのは自分の思想なり、著者の面白い考え方を広めて社会をそういう方向に持っていきたいだけなんで、圧倒的にYouTubeの方がいいから。今日もこれ含め4本YouTube撮るんですけど、当たり前なんですよね。
ずっと1日中編集して半年かけて5万部売れる本を1冊出すって、ある意味そっちの方が職人っぽいけど、僕の目的においては、そっちの方が怠けてるような気もするぐらい。
1ヶ月しか売れない本こそ、10年後に面白い
話は「本にデータを残す価値」へ。時代を切り取った本こそ、後から貴重になるという時代論が展開されます。
起業家としてのひろゆきみたいなのを聞こうと思ってた。意外と困ったのが、もはやあの時のデータって当時出た本しかないんですよ。デジタルデータがほとんど残ってなくて。当時2ちゃんねる本みたいなのが結構出てて、まとめただけのつまんないなと思ってたんですけど、あれが今貴重なデータなんですよ。本ってデータを残しておく上ですごい重要だなって。
それでいうと、時代に耐えうる普遍的な本を作りたいってよく言いますけど、逆にその時代を切り取ってるだけのものも研究材料としては面白いですよね。
すごい大事だと思います。実はガーシーさんの本とか動画って今ほとんど残ってないんです。発言も消えちゃってる、BANされたりするので。あの本しか実は参照できないとか。
僕思ったきっかけがあって、佐賀の武雄に大きい蔦屋があって、かなり昔の本があるんですよ。昔の自己啓発本みたいなライトな本があって、それめっちゃ面白かったんですよ。「こうすればモテる」みたいな、コンプラ緩みたいな。俺やっぱ作りたいのこっちだなって改めて思ったのは、1ヶ月ぐらいしか売れないような「お前初速だけじゃん」みたいな本でも、逆に10年経ったら面白いんですよ。何これみたいな。
ネオヒルズ・ジャパンとか。ネオヒルズ族みたいな概念がもう今ないし、探しても出てこないので。
要は時代に耐えうる本の方が逆にありきたりで、1ヶ月しか売れなくてすぐブックオフで1円で売られてる本の方が、時代性があるから普遍的だみたいなのあるんです。
まさに2ちゃんねる本の電車男の副読本を読んだんですよ。ひろゆきさんのインタビューとか載ってて、やっぱすっげえ当時の空気なんですよね。あの時のネットの空気を残してて。
今話してて、すごい明確に。幻夏舎では時代を完全に切り抜いて初速重視、バズ、この時代の写し鏡を作り、幻冬舎ではマジでずっと残りそうなものを作るっていう二刀流で行こう。こっちもこっちで大事なの。面白いもん、後で読んだ時。
イケダハヤトさんの「まだ東京で消耗してるの」とかも、当時の空気でないとやっぱわかんないんですよね。
「まだ東京で消耗してるの」とか、すごいロックな感じなんだけど、今移住が一般化してるから普通のこと言ってる。
普通のこと。当時これを言わなきゃいけなかったみたいなのが面白いんですね。
だから本は僕は両極で攻めますけど、切り抜き本っていうことは、逆にYouTubeとかが代替してるかなって気がします。
ふるさと納税10億の赤字、富裕層が本当に欲しいものは?
最後のご相談は、中核市でふるさと納税に関わるしげさんから。市に10億の赤字があるなか、今から競争に勝つ打ち手を問います。
しげさん。人口30万人ほどの中核市でふるさと納税に関わる仕事をしています。市としては10億の赤字があります。自社の売り上げを増やしつつ、市の納税額も増やし、地場のものを全国に知らしめて、今から競争に勝つにはどんな打ち手が考えられますか。結論は「体験型返礼品とSNS動画マーケティングに集中投資してください」。
広島のシフトの社長の丹下さんがすごい力入れてますけど、ああいうのをベンチマークにしてもいいかもですね。神石牛みたいなものをちゃんと育ててブランド化して松阪牛みたいにするのを長期視点でやったり、保育園作るとか、地元に銭湯ないと移住してきても不便で移住されないとかがあるので、そういうのを丁寧にやってるんですよね。でもこれはふるさと納税で10億稼ぐみたいな質問だと思うので。
ふるさと納税もネタが出尽くしてるから、なかなかそこで差別化するのむずいっすよね。圧倒的なコンテンツとかソフトパワーがあれば頑張りゃいいんだけど、ないのにふるさと納税やって、無理くりちょっとそれっぽいことをSNS使ってやっても結構きつい気がするな。
やってます?ふるさと納税。
身延はやってますよ。さっきふるさと納税から電話かかってきた。目黒雅叙園のスイートルーム一泊二日みたいなのをふるさと納税で買ったんですよ、目黒区の。目黒川綺麗にしたいんで。
そしたら雅叙園がリニューアルかなくなるかで、この時まで使ってくださいって。じゃないと雅叙園が閉まりますみたいな。1週間に1回ぐらい目黒から電話かかってくるんですよ。で、出てないんです。
俺がこれで電話出ず、権利行使できず、怒るっていう。でも「お前電話出てねえからだろ」って叩かれる。
もう出てください、それは。まあでも難しいですよね。地場のものを勧められても、欲しいものかどうか別じゃないですか。
いやらしいかもしれないですけど、僕の周り、けんすうさんとか起業家の人とか、ふるさと納税で一生分の食料品買えるって困ってるもんね、逆に。
困ってる人もいますね。冷蔵庫いっぱいになってるみたいな話聞くと。
米、もう米倉庫借りないといけないみたいな。だからみんな寄付が助かるとか言い始めてる。
地場のものを無理やりつけるっていうよりは、本当の大金持ちたちが寄付したいと思う文脈を、嘘じゃなくしっかり見つける方がいいかもしれない。
それはありそうですね。渋谷区とかやってますよね。子どもの体験拡散みたいな。
まさに。ふるさと納税ってすごい格差で、数十万やる人と億やる人がいて、黒字化したいなら億の人たちをターゲットにしないと、こっちの牛肉の方がいいですって戦っててもしょうがない。金が余ってしょうがない、もうふるさと納税納めるとこないっすみたいな人が一人でも刺されば、ポーンって寄付来ますから、その文脈を作った方がいい。
ここ出身の漫画家さんとかいたら、その銅像を建てるとか、そういうのでもいいと思うんですよね。で、本人が来るイベントに参加できますって言われたら買うかもしれない。
コンテンツって本当に無限の価値だから、そのIPができないかとか、出身の人がそのために稼働してくれて、ファンが寄付するとか、そういう流れはいいよ。
名産品を売り出すってニーズないんですよね。この器が名産ですって言われても、欲しいと思うか別なんですよね。
名産品マジしんどい。俺は一番つらいのは講演会に行った時、日本酒の一升瓶もらうことですよ。酒好きだと思われる。これは言えないですけど、忘れたふりしてホテルに持って帰る。どんだけこっちは手ぶらで生きることに命をかけてんのかっていう。
わかる。早稲田で寄付しながら起業家講座っていうのを10年ぐらいやってるんですよ。報酬ないんですけど、毎回切り子のグラスくれるんですよ。毎年もらっても困るんですよね、10個目とかになるんで。でも誰も言い出せなくて、あれずっと溜まってます。
そこに対する創造力を、富裕層が本当に求めているもの、実はいらないものをちゃんと見極める。それでリターンを考えるっていう。
確かに、名産品をPRしようと思うからダメなんですね。
みんな名産品に行き過ぎだからね。
まとめ
今回は、受託の丸投げ案件、切り抜き本、ふるさと納税という3つの相談を、逆手に取る発想で語り合いました。丸投げ案件は自分の世界観で作り変えれば武器になり、丸投げ側は何を投げたかも覚えていないという本音も飛び出しました。本は要約より「時代を切り取った1冊」こそ後から面白くなり、ふるさと納税は名産品より富裕層が寄付したくなる文脈づくりが鍵だと話されています。どれも「相手のニーズをどう捉え直すか」がポイントになりそうですね。
- 丸投げ案件は自分の世界観で作り変えるか、ノウハウ化すると強みになる
- 受託は数字か意味か、腹落ちする基準を自分で作ることが大事
- 1ヶ月しか売れない本こそ、10年後に時代の写し鏡として面白くなる
- ふるさと納税は名産品より、富裕層が寄付したくなる文脈を見つける方がいい





