開発レベルが上がるほど不安の相談が増えている
最近の個人面談では、参加者が作るもののレベルがかなり高くなっていると宗形さんは話します。
「これエンジニアが作ったんじゃないですか」というものを、開発未経験の方が普通に出してくることもあるそうです。
通常なら数百万円かけてエンジニアに依頼するようなものを、ポンと作って持ってくる事例もあると言います。
ただ、そういう方ほど「これを本当に運用していいのか」という不安や心配の相談が増えているとのことです。
全然エンジニアじゃないんですよねと言いながら、本番運用できそうなものを作ってこられる方が多いんです。ただ、それを本当に運用していいのかという不安の相談が最近多くて。
レベル1は「静的サイト」でリスクほぼなし
宗形さんは、AIで作れるものをウェブサイトの難易度で段階分けします。
第一段階は、誰が見ても内容が変わらないサイトです。いわゆる静的サイトアクセスするたびに内容を生成せず、あらかじめ用意した同じ内容を表示するサイト。自己紹介ページや会社のホームページなどが該当しますです。
自己紹介ページや会社のホームページ、ポートフォリオサイトなどが例です。
いつ誰が見ても内容が大きく変わることはなく、同じ内容を表示するだけです。
そのため、セキュリティ的なリスクや個人情報的なリスクはほぼないと説明されています。
レベル2はAPIで「お金の心配」が出てくる
第二段階は、アクセスするたびに内容が変わるものです。ログインは不要でも、表示内容が変化するサイトを指します。
例として、API外部のサービスが持つ機能やデータを、別のプログラムから呼び出して使えるようにする仕組み。お天気APIなら天気情報を借りて表示できますを使ってお天気を調べる仕組みが挙げられます。
入力した地域や現在位置によって、東京や北海道など表示される天気が変わります。
APIは、天気情報を管理している別のサービスから、その機能を借りて使わせてもらう仕組みです。
一部は無料ですが、多くは「一回につき0.1円」といった利用料が発生します。ここでいきなりお金の問題が出てくると宗形さんは言います。
実例として、数日前にラーメンマニア向けのサイトかアプリで、GoogleのマップAPIを使って一ヶ月10万円の請求が来ていた投稿があったと紹介します。
さらにAPIには鍵が発行され、この扱いを誤ると危険だと注意します。
鍵を持っている人が使い、鍵を登録した人に請求が行く仕組みのため、鍵が流出すると他人の利用料が自分に請求されるという悲しい事態になりかねません。
レベル3はログインで「責任」が伴う
第三段階は、より個人の情報にフォーカスしたくなったときで、ログイン機能が必要になります。
わかりやすい例はXのタイムラインです。自分が見たときと他人が見たときで内容が全く違います。
自分のタイムラインは自分がフォローしている人や、その人とのDMが見られます。他人でログインすればその人のやりとりが見られ、他人同士のDMは絶対に見られません。
ここで出てくるのが個人情報や機密情報です。
レベル2では最悪お金を払えばどうにかなりますが、レベル3では情報が流出したりハッキングされたときに責任が伴うと宗形さんは指摘します。
さらにレベル3では、動かすためにサーバーが必要になり、月額費用もかかります。
作り方を間違えると、ここでもとんでもない金額を請求されることがあります。
APIも、使うものを吟味したり呼び出し方を工夫すれば高額請求は避けられますが、そのテクニックを知らないと請求が来てしまうと言います。
ログインの仕組みを作っても中の情報が丸見えになる例もあります。以前、東大生のマッチングアプリでメールアドレスがさらされた事例にも触れられました。
高度なものほどチェックが増える。エンジニアへの相談も一つの保険
高度なものを作るほど、管理しなければならないものが増えていくと宗形さんはまとめます。
「個人情報は大丈夫か」「お金は大丈夫か」「絶対に破られないか」と、いろんな方面からチェックすることが大切だと話します。
もちろんAIだけでも進められますが、勘所がわかっているエンジニアに相談できると安心だと言います。
実際、30分の個人面談でも「これで大丈夫ですかね」という相談を受けることがあるそうです。
個人情報大丈夫ですか、お金大丈夫ですか、絶対に破られませんか。いろんな方面からちゃんとチェックすれば、AIだけでもいけるんですが、やはり勘所がわかっているエンジニアが相談に乗れると非常に安心なんです。
難しいものを作るときは、身近なエンジニアやいろいろな場所で相談するとよいと勧められています。
宗形さんが運営する創理コミュニティでも、エンジニアにいつでも相談できる受け皿を保険として提供していると紹介されました。
一方で、何から始めたらいいかわからない人向けに、コンテンツサイトを大幅リニューアルし、学習ロードマップもわかりやすく整理したとのことです。
コンテンツサイトでは、どんな手順で学ぶかの項目が一覧で見られるようになっていると案内されています。
まとめ
AIで作れるものが高度になるほど、お金や個人情報のリスク、責任も大きくなります。難易度の段階を理解し、必要ならエンジニアに相談しながら、楽しく開発することが大切だとまとめられています。
- AIで作れるものは、静的サイト・API利用・ログイン機能の3段階で難易度が上がる
- レベル2のAPIは利用料や鍵の管理が発生し、高額請求や鍵の流出に注意が必要
- レベル3のログイン機能では個人情報やサーバー費用が加わり、流出時に責任が伴う
- 高度なものほどチェック項目が増えるため、エンジニアへの相談が一つの保険になる
