AIが「なくてはならない存在」になった実感
今回の回では特に新しい話題がないと前置きしつつ、宗形さんは改めて「AIがなくてはならない存在になってきている」と語ります。きっかけは、期間限定で使えるようになったFableエピソード内で言及されているAIコーディングツール。日本時間で当日16時まで使える期間限定の提供だったと語られている。を追い込みで使い倒していたことでした。
ただし、宗形さんはFable以前から普段使いしているCodexOpenAIが提供したコード生成AI。プログラムの作成や修正を自然言語の指示で行える。宗形さんが日常的に使っていたツールとして言及されている。の時点で、すでに十分すごいと感じていたと言います。自分が手で作ったプログラムをAIに見せると、ちょちょいと修正したり、同じものを作ったり、なんなら自分が作った箇所の悪いところまで指摘してくるというのです。
こうした体験から、エンジニアが手動でプログラムを書くという行為は、もの凄いスピードでなくなっていっていると宗形さんは指摘します。
過去の仕組みを見直して月100ドルの削減
宗形さんはこの期間、ゼロから新しいものを生み出すのではなく、過去に作ったプログラムを修正することに使っていたと言います。その結果、ランニングコストが大きく下がりました。少なくとも月およそ100ドルのコスト削減が見込めるとのことです。
削減の中身も具体的です。3年ほど前に作って「なんとなく」動かしていたけれど、変に止めるのも怖くて放置していた仕組みや、課金して使える便利なサービスに頼っていた部分を自前に作り直すことで、費用を圧縮できたと語ります。
3年前に作って放置していた仕組みや、課金サービスに頼っていた部分で余分なコストが発生
AIに過去のプログラムを修正・自前化させ、月約100ドルのランニングコストを削減
使い方が「修正中心」だったため、まずは20ドルのプランで余裕にこなせたそうです。それだけ圧縮できたならと、後半は追加でMAXプランに入り、昔作ったNFT系のサービスをより使いやすくするなど、期限ギリギリまで作業を進めたと話します。
ほかにも、コミュニティのメンバー限定ページに体験版を組み込んだり、お悩み解決サイト選手権の参加者向けの個人面談の仕組みを作ったりと、多方面で成果を出しました。面談の連絡が来たらGoogleカレンダーに自動登録し、自分に通知が来る仕組みも「一発で作った」と言います。
学ぶべきは構文よりも「指示する力」
もちろん、指示する側に知識があってこそだと宗形さんは補足します。実際、Fableが作ったものに対して「削減と言っているけど、これむしろ費用が上がるところあるよね」とツッコミを入れながら進めたそうです。それでも、手で書く場面はほとんどなくなっていると言います。
どうやって動かすかの仕組みをなんとなく理解しておくと、最適な指示の仕方ができて、作りたいものが作れる。
かつてAIはエンジニアが作ったプログラムを修正する「補佐役」でした。しかし今は、一から十まで作らせても、自分で作るより高いクオリティのものが出てくる。だからこそ、ただ指示できる役割に回っていれば、かなりのところまでいけると宗形さんは分析します。
エンジニアが書いたプログラムを修正する「補佐役」
一から十まで作らせても人間より高品質。人間は「指示する役割」に回る
こうした変化のなかで、C言語やJavaScriptの書き方を一から学ぶことは、もういらなくなってくるだろうと宗形さんは見ています。プログラミングスクールで学ぶような、仕組みやサーバー、コストの見積もりといった知識は役立つ一方で、構文を一から書く力の優先度は下がるという見立てです。
宗形さんは「そんなくだらないことを言っている暇もなく、その間にAIに指示したらいい」という世界観になってきていると表現します。
触る人と触らない人で広がる差
宗形さん自身も、AIに任せるのは怖いのではないか、ミスするのではないかという危うさを感じつつ、様子を見ながら少しずつ難しいことを頼んでいく段階だと言います。しかしそのうえで、これから大きな差が広がると警鐘を鳴らします。
「できない」「AIは情報が抜かれるんでしょ」と、まったく触らない
少しずつ触って勘所をつかみ、自分に合った使い方を試していく
この差は、煽りや驚きの演出ではなく、エンジニア目線でもかなり危機感を覚えるものだと宗形さんは強調します。自分で設計し、構成を考えてプログラムを書くのはとても楽しかったけれど、「そうも言ってられない」と率直に語りました。
これから重点的に押さえたい3つの視点
では、これから何を学べばいいのか。宗形さんが挙げるのは、まず「指示する力」を蓄えることです。各種のものを作るときのテンプレの作り方、そしてそもそも「何ができるのか」を知ることに、大きな価値が出てくると言います。
宗形さんは、世の中にあることは大体実現できるが、その中にも難易度があると指摘します。特に他人のデータや情報を扱うものは注意が必要です。AIが完璧に作ったとしても、操作するユーザー側の取り扱い方が間違っていれば、それだけでセキュリティのリスクになると言います。
画像生成だけで十分という人なら、思い通りの画像を作るテンプレのプロンプトを一つ押さえておけばいいかもしれない、とも補足します。ただし宗形さん個人としては、画像はあくまで「補佐」であり、それだけであらゆる仕事を時短できるわけではないと考えています。
そこで例に挙げるのがChrome拡張機能Google Chromeブラウザに機能を追加できる小さなプログラム。ブラウザ操作の自動化や効率化に使え、宗形さんはウェブサイト作りの次におすすめしている。です。これを作れるようになると、いろいろなブラウザ操作を時短できると言います。「何ができるかを知り、どんな指示をすればいいかを知り、何を避けた方がいいかを知る」——この流れを、実際に触りながら学んでいくことを勧めています。
その学びの材料として、他人の使い方を見ることや、以前開催した「お悩み解決サイト選手権」の特設ページを見て、どんなものが作れるのかを知ることも、アイデアの源になるとアドバイスしました。
お知らせ:Chrome拡張機能ウェビナー
最後に宗形さんは、ウェブサイト作りの次におすすめするChrome拡張機能について、無料ウェビナーの案内をしています。一つ覚えておくと汎用性が高く、時短に直接効くのが魅力だと言います。
お昼休みに参加できる時間帯ですが、都合が合わなくても、事前に申し込んでおけば当日中ほどにアーカイブが送られてくるとのことです。詳細は概要欄のリンクから確認できます。宗形さんは特に、お悩み解決サイト選手権で初めてウェブサイトに挑戦した人にとって、Chrome拡張機能はネクストステップとしておすすめだと締めくくりました。
まとめ
今回の回では、AIコーディングツールを使い倒した実体験を通して、プログラミング学習の優先順位が大きく変わってきていることが語られました。手でコードを書く力よりも、AIに的確に指示する力。そして「何ができて、どう指示し、何を避けるか」を知ること。これらが、これからの時代を生き抜くための鍵になりそうです。
大切なのは、怖がって触らないままでいるのではなく、少しずつ触って自分なりの勘所をつかんでいくこと。その一歩の差が、やがて大きな差になっていくと宗形さんは繰り返し強調していました。
- AIコーディングツールは、過去に作ったプログラムの修正や自前化で月約100ドルのコスト削減につながった
- AIは補佐役から「一から十まで作る」存在へ。人間は指示する役割に回れば十分いけるところまで来ている
- C言語やJavaScriptの構文を一から学ぶ優先度は下がり、代わりに「指示する力」の価値が高まる
- 学ぶべきは「何ができるか」「どう指示するか」「何を避けるか」の3つ。特に他人の情報を扱うものはセキュリティに注意
- 触る人と触らない人の差は今後どんどん広がる。少しずつ触って勘所をつかむことが重要
- 7月10日(金)12時よりChrome拡張機能の無料ウェビナーを開催。アーカイブ配信あり
