📝 エピソード概要
本エピソードでは、ホテルプロデューサーの龍崎翔子氏が、観光立国としての日本の真の勝ち筋を考察します。地方都市で失われつつある「リアルなカルチャー拠点」の現状を踏まえ、地域の魅力を「郵便番号単位」でシャープ化し、固有の価値を尖らせる必要性を提言。また、日本の観光PRが伝統や職人芸に偏りすぎていると指摘し、外国人観光客が真に求める「鳥貴族」のような生々しい日常体験や、カオス的な「アジアとしての日本」にこそ価値があると議論します。文化が流れ着く「パチンコ玉の受け皿」としての日本を、創造的余白を持つミクスチャー大国として再定義する、本質的な観光戦略論です。
🎯 主要なトピック
- 地方中核都市から失われたカルチャー拠点: 多くの地方中核都市では、リアルな暮らしと結びついたカルチャーの拠点が商業施設(パルコなど)に集約され、街の固有の文化が希薄になっている現状。
- 郵便番号単位で捉えるローカリティのシャープ化: ホテル開発において「京都」のような広域ではなく、郵便番号単位など狭いドメインで地域を捉えることで固有性を尖らせ、グローバルに通用する価値を生み出す戦略。
- 日本の観光PRは伝統・文化を重く見すぎている: 観光庁などが発信するPRが、職人の技術や着物、寺など「パッケージ化された伝統」に偏重しており、来日客の多様なニーズを捉えきれていないという指摘。
- 生々しい日常体験(鳥貴族)の価値: 外国人観光客は、パッケージ化された伝統よりも、サラリーマンや学生が集う鳥貴族のような「生々しい日常」に浸れる体験に強く価値を見出している。
- アジア的な日本とカオスの魅力: ヨーロッパのように統一された景観ではなく、メタボリズム的に進化し続けた東京の「汚さ」や「カオスぶり」こそ、アジアに求められる楽しさであり、価値として意識すべき。
- ミクスチャー大国としての日本の強み: 日本はユーラシア大陸の文化が流れ着く「パチンコ玉の受け皿」であり、輸入されたものをミックス・熟成・様式化し、独自の「道」へと昇華させる能力こそが真の強みである。
💡 キーポイント
- 地域の固有性は、内側にいる人が気づきにくく、外部の目線を持つプロデューサーがローカルの固有性を愛することが重要である。
- 地方に蔓延する、都会を模倣しスタバの誘致をレガシーとするような「スタバ信仰」を脱し、自らの土地の価値を外の目線で評価し直す必要がある。
- 日本の国旗の白地は、多様な文化を受け入れるための「創造的余白」として解釈でき、これがミクスチャー(例:あんパン)を生む土壌となっている。
- 現在の観光PVにあるようなリアルではない光景ではなく、旅行者が実際に体験できる、ありのままの日常のリアリティを観光コンテンツとして発信すべきである。

