📝 エピソード概要
本エピソードでは、ホテルプロデューサーである龍崎翔子氏が、いかにして大学休学中の娘と脱サラした母という異色のコンビで起業し、独自のホテル事業を立ち上げたかの初期段階を語ります。
Airbnbの上陸と、フリーターの成功事例に関する記事から着想を得て、北海道富良野のペンション経営からスタート。住み込みでの現場経験を通じて、ハードではなく「ソフト(人との出会いや交流)」による定性的な価値創造の重要性を発見します。さらに、京都でのホテル開業を経て、OTA(オンライン旅行代理店)依存からの脱却と、旅の目的地となるような宿作りの必要性を痛感するまでの軌跡が描かれています。
🎯 主要なトピック
- 起業のきっかけ:2つのウェブニュース: Airbnbの日本上陸と、バックパッカーズジャパンの創業記事(フリーター起業と誤解)が、龍崎氏にとってホテル事業参入のハードルを下げ、起業の核を形成しました。
- 親子での共同創業と富良野でのスタート: 任期切れとなった研究者の母が不動産投資に興味を持ち始めたタイミングで、ホテル事業の構想が合致。北海道富良野の売り出し中のペンションを即決で購入し、親子で住み込み経営を開始しました。
- 住み込み経営での役割分担と価値創造: 母が清掃・料理、娘が接客・集客を担当。資金が限られた中で、ゲスト同士の交流を促すバーの設置など、ソフト面(ポジティブな予定不調和)での付加価値を高めることに注力しました。
- 富良野と京都の二毛作戦略: 富良野での成功体験を元に、閑散期を補完し合うため、繁忙期が異なる京都(九条エリア)で更地からホテル(ホテルシー京都)を建設。会社としての安定化を図りました。
- OTA依存と定量的な価値の壁: ホテルシー京都の運営を通じて、初期の好調から一転、価格競争に巻き込まれました。顧客が求めるのは「駅から近い」「新しい」といった定量的な価値に偏りがちであり、定性的な価値が十分に伝わっていないという課題に直面し、OTAへの依存の危険性を痛感しました。
💡 キーポイント
- ホテル事業参入の障壁が下がったことで、「部屋一つ、ベッド一つあればホテル」という発想が生まれ、初期のビジネスモデルを確立しました。
- 資金やハード面での制約があったからこそ、「自分のアイデアと手前」で顧客満足度を高める、ソフト面でのクリエーション(価値創出)が事業の原点となりました。
- 富良野での経験から、宿泊客にとって最大の価値は「ポジティブな予定不調和」、すなわち宿泊客同士の素晴らしい出会いにあるという洞察を得ました。
- OTA集客に依存すると、手数料や価格競争により利益が圧迫され、ホテル事業の首が締まる構造があることを実体験として学びました。
- 競合他社(グランビア)を引き合いに出され、「わざわざ泊まる理由がない」と指摘されたことが、定量的な価値だけでは意味がないことを痛感させ、旅の目的地となるホテル作りへの転換を決意するきっかけとなりました。

