マイクはもうスーツケースの中。最後の収録はどこから?
サイエントークの人生史シリーズとして、レンさんとエマさんがロンドンから日本への引っ越しをほぼ終えた日に収録した回です。荷物の搬出は終わり、あとは家を出るだけという状態のまま、二人はまだ家に残っていました。
収録場所は、2人が住んでいた建物の共用スペースです。平日の昼で住人は働きに出ているため、ほぼ専用スペースのようになっていたといいます。
マイクももう一回全部スーツケース入れちゃって持ってっちゃって。
うん、もうiPhoneしかない。
機材がなくiPhoneで録っているため、音が悪いかもしれないとレンさんは最初に断っています。この回はビデオポッドキャストとしても撮影されていました。
ロンドンで一番綺麗な街は日本と何が違う?
2年間住んだ家について聞かれたエマさんは、家そのものも、家がある場所も大好きだと答えます。コンビニがないなど利便性は日本に劣るものの、街のおしゃれさは格別だったようです。
2人が住んでいたのは、キングスクロス駅 ── ロンドン中心部北側にある主要ターミナル駅。周辺は近年大規模な再開発が進み、商業施設やオフィスが集まるエリアになっていますのやや北にある再開発エリアです。レンさんはロンドンでいろいろ見た中で一番綺麗な場所だと感じたといいます。
てか何かとにかくお金かけてるなって。街づくりにめちゃくちゃお金かけてるし、デザインがやっぱおしゃれ。
レンさんは、ロンドンは芸術への意識が高く、街に「ダサいポスターがない」と話します。番組のサムネイルづくりにも、ロンドンの色使いが勉強になったそうです。
エマさんは、日本のデザインは型にはまったものが多く、これまでおしゃれだと思っていたものも少し無難に感じるようになったと振り返ります。
型にはまったものが多く、おしゃれに見えるものも無難な印象
奇抜なデザインなのにおしゃれに見え、赤や黄緑を使っても成立している
これまではなんかグレー系でいつも整えてたけど、なんかちょっと遊び心を加えてみようかなっていう気持ちになった。
エマさんは日本の家でもグレー系一辺倒をやめてみようと考えるようになり、レンさんもそれに共感しています。ロンドンの街並みが、2人の美意識に具体的な変化を残したといえそうです。
間に合わない引っ越しをどう乗り切った?
ロンドンからの引っ越しは大雨の中で、実質2日ほどで進められました。特に当日の朝は、レンさんの指示が的確で効率よく片づいたとエマさんは振り返ります。
私はちんたらちんたらちんたらやってるみたいな。そのままのペースでやってたら絶対ね、終わってなかった。
レンさん自身もギリギリまで溜めるタイプですが、一気に自分の分を片づけて振り返ると、エマさんの側は何も変わっていなかったそうです。体調が悪かったエマさんが、レンさんが仕分けた化粧品を全部同じ袋に入れてしまう一幕もありました。
業者が来る1時間ほど前には、もう絶対に間に合わない状況になっていました。そこでレンさんが立てたのが、時間を稼ぐ作戦です。
危機
業者到着の1時間前に、片づけが間に合わないと判断
方針
入り口側から順に荷物を片づけ、奥へ追いやる
並行作業
業者が入り口側を運ぶ間に、奥で作業を続ける
結果
屈強な作業員7人の到着にほぼぴったり間に合う
ただ作戦を決めて5分ほどで、エマさんは早々に奥の作業に移っていたとレンさんは笑います。それでも、作業員7人が小さなエレベーターに閉じ込められるトラブルもあり、結果的に時間を稼げたといいます。
エマさんは、一人のときはどうやって引っ越していたのだろうと思うほど、レンさんがいて心強かったと話します。一方で、引っ越しのペーパーワークや手配はエマさんが担っていました。
業者のプロ技と、ベッドの下から出てきたもの
引っ越しが終わると、エマさんの靴がなくなっていました。当日履く靴は「ステイ」のシールを貼って残す決まりでしたが、レンさんは自分の靴には貼ったものの、隣のエマさんの靴には貼り忘れたかもしれないと振り返ります。
それでもエマさんは、大量の物を数量確認しながら効率よく梱包する業者の手際に感心しています。レンさんの感想は少し違う角度からのものでした。
いやなんかさ、俺資本主義素晴らしいなと思って、それで。
だってさ、あんな屈強なさ、マッチョ7人がさ、なんつうの、自分のために働いてくれることないじゃん。
話は以前の日本での引っ越しにも及びます。段ボールの「風呂」の「呂」が隠れていて、作業員に「風はどこ置けばいいですか?」と聞かれたのが2人の間の伝説だそうです。
今回の引っ越しで恥ずかしかったのは、作業後に作業員が苦笑いしながら「ベッドの下にまだいろいろあるっぽいですよ」と知らせてきた場面です。棚の上からは埃をかぶった靴下が片方だけ見つかりました。
ベッドの下からは、スリッパ、クリームの蓋、充電器2個、そして1年前にレンさんが日本から持ってきたファブリーズが出てきました。ベッド用に持ってきたファブリーズは、早い段階で見当たらなくなり、ほぼ満タンのまま最後に発見されたといいます。
いや、物コントロールって難しいわ。
2年ぶりに戻る日本は何が変わった?
レンさんとエマさんは、この日はホテルに泊まり、翌日の飛行機で日本へ帰る予定です。エマさんは2024年からロンドンにいたため、トータル2年の滞在になります。
エマさんが不在の間、日本ではお米の高騰問題や新しいお札への切り替えがあり、エマさんは前のお札しか知らないといいます。総理大臣が高市さんに変わったのはリアルタイムで見ていて、万博は関西在住ということもあり見に行けたそうです。
友達からは、日本の物価が体感で何十パーセントも上がっていると聞いたとエマさんは話します。レンさんも去年5月の渡英前の時点で、コンビニおにぎりが160円や170円するのを高いと感じていました。
それでもロンドンと比べれば、日本の物価は半額かそれ以下の感覚です。エマさんは、ロンドンの感覚のままお金を使うと、日本の給料ではすぐに尽きてしまうと警戒しています。
でもロンドンもね、物価めっちゃ上がってんだよな。
エマさんによると、ロンドンでは家賃が契約どおり2年目に5パーセント上がり、仕事で業者に継続依頼する契約にもインフレーションレート ── 物価が上昇する割合のこと。契約に組み込むことで、毎年の価格改定をあらかじめ見込めるようにしますが考慮されていて、毎年の値上がりが想定されているそうです。
憧れのロンドンは、住んでみてどう見えた?
レンさんは、ロンドンのイメージが来る前とはめちゃくちゃ変わったと話します。多くの人が憧れる街ですが、住んでみると憧れるものかどうかは疑問だといいます。
なんかそもそも雰囲気全然違うというかさ、イギリス、まあまあイギリス人はいるんだけど、移民の人めっちゃ多いし。
エマさんはもともとイギリスに「礼儀正しい」程度のイメージしかなく、そこまでのギャップはなかったようです。レンさんは、ジェントルマンはたまにしかおらず、バスの運転手の態度や路上で騒ぐ人のほうが目立ったと振り返ります。
MBAはまだ終わらない?帰国後の宿題
日本に戻る気持ちを聞かれたレンさんは、勉強していたMBAが完全に修了したわけではないと明かします。提出物が少し残っていて、5月か6月ごろに最後の締めがあるそうです。
ペーパーを論文にまとめる課題があり、来週には担当者とのオンライン面談で進捗を報告する予定です。エマさんは、帰国後のレンさんは仕事、MBAの課題、番組の書籍化を抱えて大変だと気遣います。
レンさんは、エマさんが先に住む家を用意していたので自分はだいぶ楽をしてきたと感謝します。エマさんにとって、1年目の生活の立ち上げは、名前違いの契約書や返事が来ない相手など、緩い対応に振り回されるストレスの大きいものでした。
エマさんが一人で生活を立ち上げ、契約の不備や返信の遅さに苦労した。レンさんは日本で体調を崩し、仕事も大変だった
レンさんが合流し、エマさんは楽しかったと振り返る。レンさんは1年間体調を崩さず過ごせた
いやでも1年目はやっぱ一人だったけど、なんか2年目君来てからの方はなんか楽しかったかも。
エマさんが病院にかかったのは腰痛くらいで、盗難にも遭いませんでした。ただ最近はロンドン北部で、ユダヤ系の人が狙われた通り魔のような事件があり、テロの警戒レベルが5段階中4に上がっていると2人は話しています。
11か国を巡って、一番記憶に残った食事は?
レンさんとエマさんは、この1年で食べた食事が人生で一番バラエティ豊かだったと話します。レンさんは、腸内細菌がめっちゃ変わっているはずだと笑います。
エマさんは、日本の外国料理は日本人向けに改良されたものが多いと指摘します。旅先で食べた現地の料理はリアルで、訪れた国はエマさんの記憶では7か国ほど、レンさんによれば11か国ほどにのぼります。
一方で、旅先の食事は味に飽きるとも2人は話します。日本の食事は一食の中でいろいろな味を楽しめますが、旅先では肉のシチューやジャガイモが多かったといいます。
どっちかなんだよな。素材そのまんますぎるか、もうコテコテの人工物かみたいな。
そんな中でエマさんが、ここ数年で一番美味しかったと挙げるのがポルトガルで食べたトマトベースの海鮮スープです。めったに感動しない中で、記憶に焼き付いた一皿だったそうです。
ただ、エマさんの友人にはポルトガル料理が一番微妙だという人もいれば、とても美味しいという人もいて、評価は分かれていました。
レンさんは、海の近くは美味しいという持論にたどり着きます。ポルトガル、ブライトン、バルセロナの海鮮パエリア、ギリシャが例に挙がり、フィンランドのサンタクロース村で食べた脂ののったサーモンや、アイスランドでアザラシを見ながら飲んだシュリンプのスープも印象に残っているといいます。
Vlogは諦めた?最後に残った「ハッピーライフ」
旅の映像は素材がたくさんあるものの、レンさんは途中からVlogの更新を諦めていました。編集していたらそれだけで時間が終わってしまうためで、いつかどこかで出すかもしれないと話しています。
エマさんは、ロンドンに来られたこと、大きな災いがなかったこと、素晴らしい家に住めて旅行にも行けたことに感謝を述べます。
レンさんも、1年目は大変そうだったエマさんを思い出しながら、結論はハッピーライフだったとまとめます。最後は2人で「ありがとうロンドン」と少しの寂しさを口にし、日本での再出発を誓って収録を終えました。
まとめ
ロンドン生活最終日の収録で、レンさんとエマさんは引っ越しの騒動を笑い、2年間の街・物価・食・暮らしを振り返りました。苦労もありつつ、結論は「ハッピーライフ」だったという温かな締めくくりの回です。
- キングスクロス北の再開発エリアは2人にとってロンドンで一番綺麗な場所で、デザイン観にも影響を与えた
- 間に合わない引っ越しは、入り口側から片づける時間稼ぎ作戦とエレベーターのトラブルでぎりぎり乗り切った
- ベッドの下からほぼ満タンのファブリーズが出てくるなど、物の管理の難しさを痛感した
- 日本もロンドンも物価が上がっており、帰国後は日本の感覚に戻す必要があると話している
- 11か国ほどを旅した中で、一番記憶に残ったのはポルトガルの海鮮スープだった


