📝 エピソード概要
本エピソードでは、究極のエネルギー源とされる核融合技術の歴史と、2026年に大きな転換期を迎える可能性について深掘りします。過去のダーウィンとケルビン卿の論争から、アインシュタインの理論を経て、太陽のエネルギーが核融合であると特定された経緯を解説。
地球上で太陽を再現するための最大の難関である「1億度のプラズマの閉じ込め」技術の進化(トカマク型やレーザー型)を紹介し、2022年のアメリカでの「点火」達成や、2026年に稼働が本格化する日本の巨大実験装置(JT-60SA)の役割について詳しく議論します。核融合が実用化された場合、人類のエネルギー問題が解決し、宇宙進出や地球改造といった壮大な未来が拓ける可能性についても考察しています。
🎯 主要なトピック
- エネルギー問題の歴史と核融合の立ち位置: 人類が木材、石炭、石油、核分裂とエネルギー密度を高めてきた流れの中で、安全性が高く、極めて高効率な核融合が次世代の理想的なエネルギー源として注目されている。
- 太陽の寿命を巡る論争: 1800年代、生物学者のダーウィンと物理学者のケルビン卿の間で、太陽の年齢について、当時の科学的な知見に基づいた壮絶な論争が繰り広げられた。
- アインシュタインと太陽の正体: 1900年代初頭、E=MC²の理論により、水素原子核が融合してヘリウムになる際に発生する質量欠損こそが、太陽のエネルギー(核融合)の源であることが解明された。
- 1億度のプラズマ閉じ込めの課題: 地球上で核融合を起こすには1億度以上のプラズマが必要であり、これを物理的な容器なしに磁力(トカマク型)やレーザーで安定的に保持することが最大の技術的課題であった。
- ソ連のトカマク型と国際協力: 1958年の国際会議で研究の困難さが共有された後、ソ連が磁力閉じ込めの効率が高い「トカマク型」を発表。これが世界中の核融合研究の方向性を決定づけた。
- アメリカNIFによる「点火」の達成: 2022年、アメリカの国立点火施設(NIF)で、投入エネルギーを上回る核融合エネルギーを得る「点火(イグニッション)」が初めて達成され、実用化への大きな一歩となった。
- 2026年と日本の核融合: 2026年は、日本の超伝導トカマク型装置「JT-60SA」の本格稼働や、商業ベンチャーの試験プラントの稼働など、国内の核融合技術が重要なターニングポイントを迎える年である。
💡 キーポイント
- 核融合エネルギーの効率は、核分裂(原子力)と比較して、同じ質量から約4倍のエネルギーを取り出せる計算であり、極めて高密度である。
- 核融合が目指すのは、宇宙で最も安定している元素である「鉄」に向かう反応であり、軽い元素(水素)から鉄に近づく際のエネルギー放出量が膨大となる。
- 核融合の実用化には、電力会社や各国政府だけでなく、ビル・ゲイツやサム・アルトマンといった著名な投資家が支援する民間ベンチャー(Helionなど)が積極的に参入しており、競争が激化している。
- 核融合エネルギーが実現すれば、人類はエネルギーの制約から解放され、地球環境問題(CO2排出)を根本的に解決し、宇宙規模での活動(惑星改造)が可能になる可能性がある。
- 日本は核融合技術開発において、超伝導コイルなどの重要な部品製造で高い技術力と世界シェアを持っており、国際プロジェクトにおいて重要な役割を担っている。

