元アイドルが総務としてGOに入るまで
この回は、GOの新メンバー・川口さんの紹介回です。三浦さんは、白鳳堂、電通、ベクトル、三井物産、三菱商事など、さまざまな出身メンバーがいるなかで、川口さんのキャリアは特に変わっていると切り出します。
私は前職アイドルをしてました。
川口さんは、アイドル出身で11月にGOに総務として入社したと自己紹介します。三浦さんは、アイドルという「変わったキャリア」からの転身に興味を示します。
三浦さんが、アイドルの次のキャリアとしてどう考えて入社したのかを尋ねると、川口さんは、アイドル時代に表舞台だけでなく裏方の仕事もしていたと答えます。
スケジュール管理とかグッズ発注するとか、そういうのをやってるうちに、裏方のお仕事、基盤を作る、支えることを楽しいと思えるようになってきて、やりがいになって。
その経験から総務をやりたい気持ちが芽生えたと川口さんは話します。三浦さんは、アイドルの運営を出役をやりながら経験するうちに、GOの運営側に回ろうと思ったのだと整理します。
三浦さんは、最終面接で川口さんが「SNSやグッズの売り上げ、みんなの空気を壊さないように、テンションを高くできるように工夫していた」と語ったことに好感を持って採用を決めたと明かします。
「私のオタクではない」職場でのコミュニケーション
三浦さん自身も「アイドルだから」と語り、アイドル同士という立場から川口さんに、GOで働いてみてどうかを尋ねます。
当たり前に皆さん私のオタクではないので、コミュニケーションどうしようかなって迷った時もあったんですけど、でも皆さん優しいので楽しいです。
三浦さんは、その前提の特殊さに触れます。川口さんはこれまでの人生を、自分のオタク、つまり自分を大好きな人たちとばかり会話してきたことになると認めます。
三浦さんが、社員全員に好き好きと来られてもだるいだろうと軽口を言うと、川口さんは違う反応を返します。
(社員から)来られたいから、来られてくれるように人になりたいです。
三浦さんは、面接の最後に「アイドルっぽい華やかな話し方ではないこともできるのか」と聞いたところ、真顔で「できます」と即答されたことが採用の決め手のひとつだったと振り返ります。
収録中に三浦さんが「普通の口調でポッドキャストの報告をしてみて」と促す場面もありましたが、川口さん本人が語る内容は口調以上に、以降のセクションで語られる「プロ意識」に価値がありました。
「元アイドル」の肩書きを、いい意味で外したい
三浦さんが、GOに入ってこの先どうなっていきたいかを尋ねると、川口さんは社会人経験が全くないまま飛び込んできたと前置きします。
(GOが初就職で)まずは社会人に見られたいです。
三浦さんが「すでに元アイドルの社会人に見えている」と返すと、川口さんは、その「元アイドル」という枕詞をいい意味でなくしたいのだと説明します。
今は元アイドルだから、じゃあ(The)ソリューションズ出てみようかとか、そういうのがあるけど、それだけが話題じゃないような。
川口さんは、元AKB48の肩書きが取れて女優として成功していく人たちを例に挙げ、認知の順番を逆転させたいのだと語ります。
三浦さんは、その狙いを「元アイドルの川口さん」から「GOの川口さん」へ、心の中の認識の順番を入れ替えることだと言い換えます。そのうえで、すぐそうなると思うと励まします。
悲しいを「悔しい」に変換するSNS術
ここから、三浦さんが「アイドル時代に活かせるビジネスの知恵」を引き出していきます。最初の話題は、前夜の食事で川口さんが語った「悲しいを悔しいに変換する」という発信術です。
川口さんは、SNSでは人間味を出したほうが応援してもらえると考え、感情を出すようにしていたと説明します。一方で、ネガティブなことはなるべく言わないようにしていたと言います。
動員がちょっと少なくて悲しかったとかじゃなくて、少なくて悔しかったっていう。
川口さんは、「悲しかった」と言うとファンに「行けなくてごめん」と罪悪感を抱かせてしまうと考えたと話します。だからこそ、意図的に「悔しかった」と表現したと言います。
(悲しいではなく悔しいと言うことで、ファンの)次は行ってあげようっていう気持ちに(なる)。
三浦さんは、これを「一緒にリベンジしよう」という気持ちを引き出す表現だと受け止め、ビジネスパーソンにも役立つ発想だと評価します。
「動員が少なくて悲しかった」→ファンに罪悪感を抱かせてしまう
「動員が少なくて悔しかった」→ファンの「次は行こう」という前向きな気持ちを引き出す
「メンヘラになる」という愛され力の作法
三浦さんが、他に意識していたことを尋ねると、川口さんは「メンヘラになる」というキーワードを挙げます。三浦さんは「常識が揺らいでいる」と戸惑いながら詳細を求めます。
川口さんは、ネガティブな言葉であることを認めつつ、その真意を説明します。お客さんが来てくれたのを受け身で喜ぶのではなく、自分から相手を見に行くことだと言います。
(ファンが来てくれてラッキーと)受け身でいるんじゃなくて、自分から見に行く。いいね欄。リプ欄。
三浦さんは、これを恋愛にたとえ、いつ相手が自分から離れてしまうかわからないという危機感を持つことだと解釈します。川口さんも危機感という言葉に同意します。
相手が送ってくださったメッセージ、DMを忘れないこと。ただ見て既読つけて終わりじゃなくて覚えていて、次会った時にこういうこと話してたよねとか(気をつけてました)。
三浦さんは、自身の経験を重ねます。3年前や5年前に仕事をした俳優からいまだに手書きの年賀状が届き、自分の仕事を見てメッセージをくれると話します。
三浦さんは、自分が愛されていることを当たり前に思わない緊張感こそが、川口さんの言う「メンヘラになる」の本質だと整理します。
売れるほど挨拶する、人気グループの礼儀
三浦さんが、この「ビジネスパーソンのためのアイドル講座」の続きを促すと、川口さんは、人気のあるグループほど挨拶がしっかりしていたと語ります。
人気なグループさんほど挨拶めちゃめちゃしっかりしているんですね。礼儀はもうすごく感じました。
川口さんは、対バンライブで他のアイドルとすれ違うなかで、自分も大きくハキハキ元気に挨拶しようと思ったと話します。
三浦さんは、自身の面接基準「あいうえお」を紹介します。挨拶、生き様、運、笑顔、おしゃれの5つで、なかでも挨拶が一番大事だと語ります。
24時間アイドルでいる、という覚悟
川口さんは、自身のマインドとして「24時間仕事」という感覚だったと語ります。ただし、四六時中作業をしていたという意味ではありません。
24時間仕事をしてるってわけではないけど、24時間その自分はアイドルだって気持ちで過ごしてました。
川口さんは、ステージを降りても家に帰っても自分はアイドルだという意識を持ち続けていたと説明します。三浦さんが具体的にどうなるのかを尋ねると、川口さんは行動の例を挙げます。
(外食で)あ、これ可愛いってなった時に写真を絶対撮るようにとかするんですよ。
川口さんは、ステージを降りてアイドルでなくなったら外で自撮りもできなくなり、チャンスを逃してしまうと考えていたと言います。だから常に可愛いものや使える背景に敏感でいたと話します。
アウトプット前提が、インプットの質を上げる
三浦さんは、川口さんの「24時間アイドル」の姿勢を、クリエイターやプロデューサーの働き方に重ねます。GOの社員にとっても、全てが仕事であり学びになるという話です。
三浦さんは、よくインプットのコツを聞かれるが、答えは逆だと語ります。
三浦さんは、Twitterをやっていたりいい企画を考えようとしていると、何を見ても「これ勉強しよう」「今の企画に使えるかも」と思えると説明します。アウトプットする習慣が、結果的にインプットの質を一番上げるという考えです。
アウトプットをするために目を張り巡らせるんですよ。常に。歩いてる時も。
一方で三浦さんは、この姿勢のやりすぎには注意も添えます。友達の結婚式で「なんでこのタイミングで曲を流すのか」などと考えてしまい、感動できない嫌なやつになるので、そういう時だけは気をつけるようにと笑いを交えて話します。
レベルの高い当たり前を、極めるということ
三浦さんは、この一連の話を「ビジネスパーソンのための役立つアイドル講座」と呼び、全てがいい話だと評価します。川口さん本人は、当たり前だと思っていたことだと戸惑います。
三浦さんは、ブランド物で全身を固めることや、自分の体重の1.5倍のベンチプレスを上げること、投資のポートフォリオといった特別なことは必要ないと語ります。
三浦さんは、挨拶する、インプットを仕事に生かす、SNSをポジティブに変換するといった当たり前のことを、ものすごくレベル高くやることこそがビジネスパーソンの本質だと話します。
川口さんは、アイドルがやっていることは自分を売り出す営業のようなものだと応じます。三浦さんは、それを「自分というプロダクトの営業」と言い換えます。
自分が商品になってるので。アイドルと社会人って全然違いますけど、似てるところもあるのかもしれない。
やる気がみなぎるGOという職場
三浦さんが、GOに入ってすごいと思ったことを尋ねると、川口さんは、社員のやる気がみなぎっていることに驚いたと答えます。
私の中の社会人のイメージで、「めんどくさいな、早く帰りたいな」みたいな、勝手なイメージがあったんですよ。
三浦さんは、メディアで描かれる「今日も仕事がつらい」と愚痴を言う姿がよくない先入観を作っていると指摘し、GOの社員は全員仕事が好きだと語ります。
川口さんは、疲れているところは見えても、仕事が好きなことが伝わってくると話します。また、リモートも可能ななかで社員がよくオフィスに来ることも印象に残ったと言います。
三浦さんは、そのオフィスに強いこだわりがあることを明かします。
去年一番俺が頑張って作ったのオフィスだから。クライアントさんの様々な企画の次の次くらいに仕上げて作ったから。
川口さんは、面接で訪れたときにアートがたくさんあってオフィスらしくない空間に驚いたと語ります。
元アイドルだけのクリエイティブ会社という夢
三浦さんが川口さんの夢を尋ねると、川口さんはアイドルが夢だったため、それが終わった今は夢がないと答えます。三浦さんは「一緒に作っていこう」と応じ、ひとつの構想を提案します。
元アイドル集めたクリエイティブの会社作ろうよ。社長になってよ、そこの。
三浦さんは、GOの子会社としてライトデザインやザ・クリエイティブファンドを作ってきた実績を挙げ、アイドルの人たちだけのクリエイティブ会社の可能性を語ります。
川口さんは、この構想に手応えを示し、アイドル出身者は芸能に詳しく、推し活の視点を持っていると応じます。さらに、セカンドキャリアに悩むアイドルが多いことにも触れます。
セカンドキャリアに悩んでるアイドルも多いと思います。アイドルしかできないと自分に思っていて。
三浦さんは、誰が売れているか、どうすれば推されるか、どうすれば推して気持ちいいかがわかるアイドル出身者は、推し活エコノミーの時代に貴重な生活者インサイトを持っていると語ります。
三浦さんは、川口さんが総務や広報の仕事で会社の裏側を理解した先に、社長として夢を与える側に回ることを勧めます。川口さんは、夢が終わって空白だったところに新しい視点を得られたと受け止めます。
信頼される新人になるための「観察と提案」
川口さんは、まだできる仕事が少なく、周囲も何を頼んでいいか判断しづらいはずだと感じているとして、GOで信頼されるための方法を三浦さんに質問します。
GOで信頼されるためには、どのようにしていったらいいか。
川口 さんからの質問
三浦さんは「仕事の報酬は仕事」という考えを示します。いきなり大きな仕事は任せられないが、小さな仕事を完璧にこなし、プラスアルファをつけて返すことで、次のより大事な仕事を任せられるようになる、という回答です。
三浦さんは、資料の出力を頼まれたら、ホッチキスがいいのかクリップがいいのかファイリングして渡すのがいいのかまで考えて、100点満点にプラスアルファを添えて返す、といった具体例を挙げます。
もうひとつのポイントとして、三浦さんは全社方針の「受注から提案へ」を挙げます。クライアントに言われてから動くのではなく、自分から提案する姿勢は、社内でも同じだと語ります。
三浦さんは、まだ入社1ヶ月ほどの川口さんに、同僚を観察して気づいたことを受け身ではなく自分から提案していくよう促します。新しい会社だからこそ、社員一人のアイデアで新しいルールややり方を試せるのが強みだと話します。
三浦さんは、思いつきの提案ではなく、この人はこういうところに困っているだろう、こういう癖があるといった観察に裏打ちされた提案が信頼につながると強調します。
川口さんは、自分がまだ受け身から脱却できていないと認めつつ、脱却したいと応じます。実際に「大地震が起きたら会社は生きていけるのか」と考え、防災をやりたいと福間さんに提案したエピソードも共有し、三浦さんはそれを歓迎します。
自分を知るための「真上」と「斜め上」との対話
三浦さんは、人間は他人のことはよく見えても、自分のことは見えないものだと語ります。だからこそ対話が必要だと続けます。
他人はこうやって見えるから。自分のことは見えないわけ。だからやっぱり対話が必要だよね。
三浦さんは、1〜2ヶ月働いてみたら、上司や一緒に働く人に「私のいいところ、足りないところはどこだと思うか」を聞くとよいと勧めます。GOには、直属の上司とのワンオンワンの仕組みがあると説明します。
三浦さんは、CEOの大長さんが「ワンオンワン芸人」と呼ばれるほどフィードバックが丁寧で、話すと必ず成長すると語ります。どうやっているのか本人に聞いても、「ジェダイやな」「メンタルがバリューアップした」などと結果ばかりでプロセスがわからないと笑いを交えて話します。
三浦さんは、真上の上司だけでなく、直属ではない隣の部署の先輩など「斜め上」の人にもいいところ・悪いところを聞くとよいと勧めます。GOは仲がよく、みんなが仕事を好きで応援してくれるから、ぜひワンオンワンをしてほしいと締めくくります。
まとめ
元アイドルの新入社員・川口さんが語る「プロ意識」は、悲しいを悔しいに変換する、メンヘラになる、売れるほど挨拶するといったアイドル特有の言葉で語られながら、その中身はビジネスパーソンの基本に通じるものでした。三浦さんはそれを「レベルの高い当たり前」と呼び、信頼される新人になるための観察と提案、自分を知るための対話へと話を広げていきます。
- 悲しいを悔しいに変換する発信は、相手に罪悪感ではなく前向きな行動を促す
- 「メンヘラになる」=愛されていることを当たり前に思わず、相手を見に行く緊張感を持つこと
- 挨拶やインプットの活用など、レベルの高い当たり前を極めることがビジネスの本質
- アウトプットする習慣を持つことが、結果的にインプットの質を上げる
- 信頼される新人になるには、観察に裏打ちされた提案と、真上・斜め上との対話が効く




