📝 エピソード概要
本エピソードでは、京都大学大学院に在籍しながら、毛虫の糞から作る高級茶「虫秘茶(ちゅうひちゃ)」を開発・事業化している丸岡毅氏をゲストに招き、その驚異的な探究心と独創的なビジネス展開について深掘りします。誰も見向きもしなかった「虫の糞」が、なぜ世界的なレストランも絶賛する高付加価値なプロダクトになり得たのか。その背後にある、昆虫食への問題提起、地域課題解決への貢献、そして何よりも「手を動かし、五感で体験する」という丸岡氏の行動哲学が明らかになります。
🎯 主要なトピック
- 「虫秘茶」誕生の衝撃的な経緯: 研究対象として世話をしていた毛虫(マイマイガ)の糞からお茶のような良い香りがすることを発見。直感的に「お茶かな」と思い、すぐに試飲したことが開発の始まりとなりました。
- 昆虫食の可能性への探索: 従来の昆虫食がコオロギなどに偏りすぎていると感じ、「何が食材で何がそうでないか」を探求。アリのサナギなどを試食する中で、未開拓の素材への挑戦へのハードルが下がっていました。
- トップシェフとの出会いとブランド化: 初期に「うんころちゃ」と呼んでいた糞のお茶が、日本国内の有名シェフに絶賛されたことで事業としての可能性を確信。「虫秘茶」に改名し、クラウドファンディングを通じて成功を収めました。
- 地域課題を解決するビジネスモデル: 葉っぱの安定的な供給源として耕作放棄地に着目。葉を食い尽くす害虫の糞を活用することで、地域に高単価なプロダクトと雇用を生み出す地域連携型の仕組みを構築しました。
- グローバルなブランディング戦略: デンマークの世界最高峰レストラン「ノマ」に採用されたことを皮切りに、国内外のトップレストランを主要な取引先に設定。権威ある場所での採用をブランド価値向上の核としています。
💡 キーポイント
- 虫秘茶は試飲したゲストも驚くほど、紅茶やほうじ茶に似た「癖がなく、すっきりとした美味しい味わい」が特徴で、糞感は一切ない。
- 虫が葉を消化し排泄するプロセスは、茶葉を破砕・発酵させて作る伝統的な発酵茶の製法と本質的に同じであり、天然の発酵プロセスを経て生まれている。
- 成功の鍵は、知識や思考で留まらず、良い香りだと気づいた時に「お湯を注いで飲んでみる」という行動に移した、丸岡氏の圧倒的な五感を通じた体験重視の姿勢にある。
- 今後の展開として、青森のリンゴなど様々な植物の葉を餌にすることでフレーバーの多様化を図り、ローカルガストロノミー(地域特有の美食文化)とのコラボレーションによる地域PR戦略が有効である。
- 虫秘茶は、お茶やお酒だけでなく、アートの染料や料理のフレーバーなど、誰も見向きもしなかった分野を「一生遊べるおもちゃ」として多角的に深掘りしている。
