📝 エピソード概要
味の素冷凍食品が展開した「冷凍餃子フライパンチャレンジ」の全貌を、主導者である勝村敬太氏が語ります。たった1件のSNS投稿をきっかけに、全国から3,520個もの「思い出のフライパン」が集まる壮大なプロジェクトへと発展。
このエピソードでは、ネガティブな意見にこそ真摯に向き合い、顧客の期待に応えるために製品を永久改良し続けたプロセスが明らかにされます。アイデアや予算に頼るのではなく、顧客への誠実さと生活者理解が、いかに企業の信頼と約7,600万インプレッションという圧倒的なPR効果を生み出したかを学ぶことができます。
🎯 主要なトピック
- きっかけ:SNS投稿への驚きの対応: 「餃子が張り付く」という1件の投稿に対し、味の素冷凍食品は誹謗中傷と捉えずに、研究のために実際に使用中のフライパンを送ってほしいと打診した。
- 予想外に集まった「思い出のフライパン」: 軽い気持ちで募集したところ、予想をはるかに超える3,520個のフライパンが全国から到着。添えられた手紙から、それらが顧客の「思い出」であり、プロジェクトの使命感が高まった。
- 研究開発プロセスの公開(トランスピアレンシー): 集まったフライパンの張り付きメカニズム解明のため研究所が一丸となり、その研究過程を公開。プロセスを共有することで顧客との共創と企業活動の透明性を実現した。
- 製品の「永久改良」と生活者理解: 研究結果を基に、フッ素加工が剥がれたフライパンでもくっつきにくいよう、異例の短期間で餃子の物性を改善。これは「思い出のフライパン」を大切にする生活者に寄り添う姿勢から生まれた。
- フライパンの再資源化と再生: 集めたフライパンは単に研究後に廃棄せず、アルミ資源として再生し、再生フライパンとして生まれ変わらせる取り組みを実施。顧客の期待と提供された価値を最後まで尊重した。
💡 キーポイント
- 成功の鍵は、匿名やネガティブな意見に対しても、企業として誠実な対応を怠らず、対話を開始した点にある。
- 3,520個のフライパンは、単なるデータではなく、「親からの贈り物」や「結婚生活の歴史」など、顧客の深い愛着と期待を象徴していた。
- 「永久改良」の概念は、プロダクトそのものではなく、常に変化する生活者に寄り添い、最適なものを提案し続けるという企業のDNAの表れである。
- プロジェクトの成功は、後付けの戦略論ではなく、「事実に向き合い、お客様に真摯に向き合う」という意識決定の連続が結果としてイノベーションとなったことを示している。
- 誠実な姿勢は、圧倒的な広報効果(テレビ露出、7,600万インプレッション)だけでなく、新卒採用市場における企業の魅力向上にもつながった。
