📝 エピソード概要
本エピソードは、大阪・関西万博のデザインシステム「EXPO WORLDs」を手掛けた引地耕太氏と花岡氏をゲストに招き、万博のデザイン哲学と、社会現象化の裏側を深掘りします。当初の批判的な逆風を乗り越え、万博がなぜ愛されたのかを解明。その成功の鍵は、誰もが創造に参加できる「コニャク」に象徴されるデザインシステムの民主化と、大阪特有の「面白がる文化」、そして市民に対するクリエイター側の強い信頼にあったことが語られます。デザインの歴史を変えたとされるこのプロジェクトの裏話と、今後の展望が明らかになります。
🎯 主要なトピック
- 逆風からの劇的な転換: 開催前の批判的な空気から一転、オープン後は来場者自身がSNSを通じて広報役となり、万博は「民主的なイベント」として瞬時にポジティブな空気に変わった。
- 開幕直前の切迫したアサイン: 会場装飾やサウンドシステムといった会場の空気を作る重要な要素が、開幕わずか1年前にプロジェクトとして立ち上がり、短期間での開発を余儀なくされた。
- 参加と協奏を促すオープンデザイン: 従来のトップダウン的なブランディングではなく、多様なクリエイターがボトムアップで参加し、みんなで作り上げていく「オープンデザイン2025」の概念が採用された。
- コニャクシステムの設計: 万博ロゴを起点とし、キャラクター「ミャクミャク」と双子のように生まれたデザインシステム「コニャク」は、参加と協奏のフレームワーク(プロトコル)に基づき、無限に増殖する生態系として設計された。
- デザインシステムの民主化: 誰かが決めたルールを守るのではなく、「みんなで自由に遊ぶ」ことを可能にするこのシステムは、デザインやブランドの歴史を変える「民主化」を成し遂げたと評価された。
- 成功を支えた大阪のエネルギー: 万博が社会現象化した背景には、来場者が主体的に関わり、面白がることを楽しむ「大阪の面白がる力」という土地のエネルギーが大きく作用した。
💡 キーポイント
- コニャクのデザインは、丸3つで描けるという極限のシンプルさを持ち、「何にでもなれる」余白を残すことで、誰もが参加しやすい環境を作り出した。
- 従来のブランディングの常識を覆し、トップダウンではなく、アイデアがミームのように広がり、みんなで命を作っていくという「参加と協奏」のあり方が万博の成功に繋がった。
- クリエイターチームが「市民は面白くいじってくれるだろう」という強い信頼を持って「遊び場」を提供したことが、SNSでの爆発的な広がりを生む原動力となった。
- このプロジェクトは、大手だけでなく、小規模なクリエイティブ企業や若手クリエイターが公共の仕事に関わる「希望」を提示した。
- 今後、デザインを「打ち上げ花火」で終わらせず、書籍や映像として記録(アーカイブ)し、公共の資産として活用し続ける「アフター万博」の重要性が強調された。
