『デイリー・ショー』はなぜ大統領選とともに伸びたのか
今回のOff Topicは、前回のアメリカ史から続く「コメンタリーカルチャー」の第2回です。宮武さんは、ニュースにおけるコメンタリーを語るなら必ず出てくる番組として『デイリー・ショー』を取り上げます。
『デイリー・ショー』は1996年にコメディ・セントラル ── アメリカのケーブルテレビ局。コメディ番組を専門に扱い、『デイリー・ショー』や『コルベア・レポー』を放送してきましたで始まった、ニュースをパロディにするレイトナイトショーです。もともとは2人の女性が作った番組で、初代ホストは前回話したコルベア・レポーのようなキャラクターを演じるタイプだったといいます。
番組を一気に人気にしたのが、1999年にホストに就いたジョン・スチュワートです。草野さんは、スチュワートがApple TV+で持っていた番組を日本語字幕付きで見たことがあり、ユーモアがどう訳されているのかがわかりやすかったと話します。
宮武さんによると、Apple TV+の番組はデイリー・ショーの拡張版に近いものでした。ただ草野さんは、Apple版は経済や貧困のような大きなテーマを毎週扱うのに対し、デイリー・ショーはもっとタイムリーな話が多いと違いを指摘します。
宮武さんが強調するのは、ホスト就任のタイミングです。ジョン・スチュワートは2000年の大統領選の直前に、後任のトレバー・ノアは2016年、トランプの1回目の大統領選の直前にホストに就きました。
結構ニュース系のコメディだとイジるネタが必要になってくるので。そういう意味だと、非常に多分ネタとしては助かったのかなっていうふうに思います。
ブッシュという強いキャラクターがいたことも、スチュワートにとっては追い風だったと宮武さんは見ています。2人のホストは、ある意味で大統領選に救われた面があるという見立てです。
ホスト交代に周期はなく、方向性の違いや契約更新など理由はさまざまだといいます。トレバー・ノアについては、ワールドツアーをするスタンドアップコメディアンなので、そちらに戻りたいと公の場で話していたそうです。
政治ニュースを「面白いもの」に変えた番組
宮武さんは、ジョン・スチュワートの『デイリー・ショー』とスティーブン・コルベアの『コルベア・レポー』が、政治ニュースを見ることを「いいこと」「面白いこと」に変えた点に大きな影響力があったと語ります。
政治とかに対して意見を持つっていうのが大事なんだっていうのを、多分僕の世代の人たちには、すごい伝わったっていうか、多分メッセージとして受け取ったと思うので。
草野さんは、日本では政治的な話と笑いを混ぜても、面白いと感じつつ反応しづらい人が多いのではないかと問いかけます。アメリカにはそれを受け止める視聴者の土台がもともとあるのか、という質問です。
宮武さんは、受け入れられるまでにはいくつかのステップがあったと答えます。最初は大統領選の討論会がテレビ放送されるようになり、政治がエンタメ化して多くの人が見始めたことです。
次のステップは、ニュース自体がコメンタリーを出し始めたことでした。24時間放送のケーブルニュースは常にナラティブを作る必要があり、共和党寄りや民主党寄りの政治的な語り口が一般化していきました。
討論会のテレビ放送
大統領選がエンタメ化し、政治への関心が広がる
ニュースのコメンタリー化
ケーブルニュースが党派的なナラティブを打ち出す
パロディの登場
それを小バカにする『デイリー・ショー』や『コルベア・レポー』がフィットする
逆にあれ(ニュースのコメンタリー化)がなければ多分存在しなかった番組なのかなというふうに思いますね。
実際に『デイリー・ショー』は、共和党寄りのFOXニュースをよくからかっていたといいます。一方で宮武さんは、スタンドアップコメディ自体はもともとそこまで政治の話をせず、こうした番組から政治ネタが一般化したのではないかと見ています。
日本でも同じような番組が生まれるかという草野さんの問いに、宮武さんは土台は整い始めていると答えます。日本はアメリカほど意見が割れていないものの、最近は意見が分かれるトピックが増えており、パロディはミーム化しやすいので可能性はあるという見方です。
スティーブ・カレルも輩出した「登竜門」としての顔
宮武さんは『デイリー・ショー』のもう1つの顔として、人材を育てるインキュベーターの役割を挙げます。SNL ── 『サタデー・ナイト・ライブ』の略。1975年から続くアメリカの生放送コメディ番組で、多くの人気コメディアンや俳優を輩出してきましたと同じように、多くの才能がここから羽ばたきました。
番組出身者として名前が挙がるのは、オリビア・マン、スティーブン・コルベア、『ザ・オフィス』のスティーブ・カレル、エド・ヘルムスなどです。『アナと雪の女王』でオラフの声を担当したジョシュ・ギャッドも、デイリー・ショーのメンバーだったといいます。
番組はメインのキャスターのほかに記者役のメンバーがいて、それぞれがセグメントを持ってインタビューに行く構成でした。その中からジョン・オリバーやスティーブン・コルベアのような人材が出てきたと宮武さんは説明します。
ただし宮武さんによれば、こうした輩出はジョン・スチュワート時代が中心でした。それ以降、スティーブ・カレルやエド・ヘルムスほどの知名度の人はまだ出ていないといいます。
出身者の多くは舞台やスタンドアップなどを掛け持ちした経験者でした。SNLと比べると、デイリー・ショーは舞台系の人が多いかもしれないと宮武さんは話します。
もう1つ斬新だったのが、他のテレビ番組の映像を切り抜いて流し、それについて話すというスタイルです。当時のアメリカではそうした番組はあまりなく、よくあったのはニュースに対するFOXニュースの反応を切り抜き、さらにそこへリアクションする形だったそうです。
番組中に「この番組はやめるべき」と言ったスチュワート
宮武さんは、ジョン・スチュワートが何でもバカにしているわけではなく、考え方とナラティブの軸を持っている点を評価します。スチュワート自身は「これはコメディだ」と少し逃げ道を作りつつ、FOXニュースやCNNのような本物のケーブルニュースには厳しい姿勢を取ってきました。
宮武さんが好きな瞬間として挙げるのが、CNNの政治討論番組『クロスファイア』へのゲスト出演です。この番組は民主党派と共和党派のキャスターを呼び、両側を伝えることを意図して常に議論させる形式でした。
彼らの番組なのに、ジョン・スチュアートが、「この番組やめた方がいいと思います」っていうのを言って。
スチュワートは「この番組はアメリカを傷つけている」と述べたといいます。両党の考えをぶつけ合うだけで複雑な課題を議論しておらず、相手を小馬鹿にするエンタメになっている、これはCNNがやるべきニュースではない、という主張でした。
宮武さん自身はクロスファイアを見ていなかったものの、相手の政党がいかに悪いかを言い合う番組になっていたという感覚はわかる、と話します。当時はFacebookもYouTubeもありませんでしたが、この場面はバイラル化し、数か月後にクロスファイアは終了しました。
CNNのトップが終了理由を語った際、スチュワートの意見に沿うような話をしていたことから、宮武さんは彼の意見がある程度影響したのではないかと見ています。
宮武さんの世代にとって、スチュワートはニュースの捉え方を教えてくれた存在でした。何かが起きると、多くの人が「ジョン・スチュワートは何を言うだろう」と考えて夜の番組を見ていたそうです。
日本のニュース解説と何が違うのか
草野さんは、日本にもニュースが出るとすぐに解説動画を撮る人がいると指摘し、『デイリー・ショー』との違いを尋ねます。宮武さんの答えは、お笑いの要素です。
ただただシリアスにニュースについて語るっていうところ、プラスなんか意見を言うだけではなくて、なんかそれをしっかり面白おかしく話す。
ファクトと意見の割合について宮武さんは、ファクトはしっかり伝えるものの短く済み、多くの時間は社会の反応を見せながらのコメンタリーに使われると説明します。その意見はスチュワート個人というより、ライターも含めた番組の意見として出されているそうです。
トピックも政治に限りません。ニューヨーク生まれのスチュワートは、シカゴ風のディープディッシュピザを番組中に5分ほど、何度も回を分けて批判していたといいます。
「シカゴ風ピザはピザじゃない」っていうのをめちゃくちゃ話したりとか。「あれはピザじゃなくてキャセロールだ」みたいなことを言ったり。
宮武さんは、自分があまりシカゴ風ピザを食べない理由はここにあるかもしれないと笑います。当時はインフルエンサーという概念が一般的でなかったので意識はしていなかったものの、スチュワートの考え方の鋭さに惹かれて見ていたと振り返ります。
今を知るのであれば、多分ジョン・スチュアートを聞いとけばなんとなくわかるみたいな感じでしたね。
番組の中身については、ピュー研究所 ── アメリカの非営利シンクタンク。世論調査やメディアの分析で知られていますが2008年に調べたデータがあります。宮武さんによると、話題の約47%がアメリカ政府や政治関連で、8%がニュースメディアについてのコメンタリーでした。
2007年時点では共和党のほうが扱われることが多かったものの、ゲストの党派は半々でした。宮武さんは、スチュワートは特定の政党の信者というより、その時々の対象に意見を言っていると見ています。番組に復帰した最初の回でも、バイデンとトランプ双方の課題を取り上げていたそうです。
ホワイトハウスとコメディアンの微妙な距離
草野さんは前回の話を受けて、コメディアンがホワイトハウスに呼ばれる慣習は今もあるのかと尋ねます。宮武さんによれば、トランプ政権になってからは止まっているものの、いずれ復活するだろうとのことです。
民主党の大統領の場合は、やや民主党寄りのコメディアンを呼ぶ傾向があるといいます。結局は、大統領がいじりにどこまで耐えられるかの問題だと宮武さんは話します。
草野さんが諸刃の剣ではないかと言うと、宮武さんは困るのはむしろスタッフ側だと補足します。コメディアンは最悪でも出入り禁止になる程度ですが、大統領の機嫌を見ているスタッフにとっては「なんでこんな人を呼んだのか」と言われることが仕事上の問題になるからです。
トレバー・ノアが見抜いた、スチュワートの「コメンタリー脳」
宮武さんは、トレバー・ノアが最近ポッドキャストで語った、ジョン・スチュワートに後継者として選ばれた経緯を紹介します。当時ワールドツアー中だったノアは、スチュワートから電話を受けても彼が誰か知らなかったといいます。
(スチュワートが)一回インタビューしたいみたいなことを言ったら、「君誰?何の番組やってるんですか?」って聞いたらしくて。
ノアは海外暮らしが長く、『デイリー・ショー』も2回しか見たことがありませんでした。海外ではCNNインターナショナル ── CNNの国際向けニュースチャンネル。アメリカ国外で視聴できますの1コーナーとして流れていたため、コメディ番組だと気づかず、よくわからないニュース番組だと思っていたそうです。
草野さんも、ジミー・ファロンのようなエンタメ寄りのトーク番組の延長だと思っていたと打ち明けます。宮武さんは、そうした番組とはまったく違うものだと答えます。
転機はニューヨークでのオフィスツアーでした。スチュワートに「ニューヨークをどう思うか」と聞かれたノアは、道路の穴であるポットホールが多く、出身地の南アフリカとあまり変わらない、むしろニューヨークの方がひどいのではないかと話しました。
(ジョン・スチュアートさんが)「これ放映しないといけないね」っていう話をしたんですよ。
ノアの分析では、スチュワートが見ていたのはポットホールそのものではなく、アメリカの例外主義、つまり「自分たちの国は優れている」という意識へのコメンタリーになるという点でした。アメリカ人が日本に来て「静か」「安全」「トイレがきれい」と衝撃を受けるTikTok動画の話にもつながる視点です。
何気ない会話からも常にコメンタリーの切り口を探してしまう。宮武さんは、ナラティブを考える回路が頭に埋め込まれていることこそがスチュワートの凄さで、番組の成功の理由だと語ります。
ノアによれば、スチュワートは旅行をほとんどせず、ニューヨークから離れたくないと言いながら、他の国への好奇心が強く、人と話して多文化に詳しくなっているそうです。草野さんは思わず「行けよ」とツッコミます。
ジョン・オリバーが作った「深掘り型」のフォーマット
宮武さんは『デイリー・ショー』の影響を受けた番組として、ジョン・オリバーの『ラスト・ウィーク・トゥナイト』を挙げます。イギリス生まれのオリバーはデイリー・ショー在籍中の2013年、スチュワートの休暇中に8週間ほど番組を仕切った経験があります。
週4回、タイムリーなニュースを毎日のように扱う
1つのトピックを30〜40分かけて深掘りする
オリバーの番組は必ずしもニュースではなく、あえて面白くなさそうなトピックを選ぶこともあります。保険や政治、不動産ローンのように多くのアメリカ人に影響する課題を、面白おかしく説明するスタイルです。
日本で話題になった例が、暴力的なゆるキャラ「ちーたん」を紹介した10分ほどのコーナーです。オリバーはちーたんに会いに行き、自分のちーたん風キャラクターまで作ったといいます。
宮武さんが好きな回は、テレビで寄付を募りプライベートジェットを買う宗教団体を取り上げたものです。オリバーは宗教なら税金を払わなくていいなどの問題を指摘したうえで、番組の最後に宗教がいかに簡単に作れるかを示し、実際に自分で宗教を作ってお金を集めてしまいました。
この深掘り型は、ハサン・ミンハジのNetflix番組『ペイトリオット・アクト』や、サマンサ・ビーの『フル・フロンタル』にも受け継がれたと宮武さんは見ています。ハサン・ミンハジは画面演出に凝ったプレゼン型で、ノアの後継候補と言われていましたが、炎上もあり実現しなかったようです。
多様な国だからこそ必要な「ニュアンスを足す笑い」
話は、なぜアメリカ人がコメンタリーカルチャーを好むのかという本題に戻ります。宮武さんが挙げる理由の1つは、ダイバーシティです。
多様な人々に伝わる笑いを作るには共通の話題が必要ですが、アメリカではそれが難しいといいます。そのため、人種や男女の違い、アジア系の親の厳しさといった鉄板ネタが生まれやすくなります。
多分コメンタリーカルチャーって、そういうの(鉄板ネタ)を入れて、プラスちょっとニュアンスを加える?ようなことだと思うので。
宮武さんは、ユダヤ系にもセファルディ系やアシュケナージ系、改革派がいること、日本でも関西弁と熊本弁が違うことを例に挙げます。人は自分のグループの深さは理解していても、外のグループの違いはわからない、というのです。
だからこそ、多文化の視点を持ち込んだトレバー・ノアは『デイリー・ショー』にとって重要な人物だったと宮武さんは話します。
草野さんは、アメリカのお笑いは人種と男女の話に寄りすぎるという日本のクリエイターの指摘を紹介しつつ、韓国系移民や日系ハーフなど細かいルーツを語るクリエイターが増えていくのではないかと問いかけます。宮武さんは、増えてはいるものの、細かく見えて実はベースのネタは変わっていないと答えます。
コメンタリーを通せば、そこにより細かなニュアンスを伝えられる可能性があるといいます。その例が、共和党の政治家マイク・ハッカビー ── アメリカ共和党の政治家。アーカンソー州知事を務め、大統領選の予備選にも出馬した経験がありますを招いた回でした。
ハッカビーは、ビヨンセは才能があるが性的な曲が多く若者を洗脳していると批判しました。するとスチュワートは、テッド・ニュージェントの曲でハッカビー本人がベースを弾く映像を流し、その歌詞もかなり性的だと示したのです。
ジョン・スチュアートの言い方だと、彼女(ビヨンセ)がエイリアンに見えるから。多分受け入れられないっていうところなんですけど。
一方を受け入れるなら両方を受け入れなければならない、という指摘でした。宮武さんは、違いのニュアンスを解説できることがコメンタリーカルチャーの良さの1つだと語ります。
「即答の文化」と「解説する文化」の両立
宮武さんは、アメリカのカルチャーには両極端の2つの文化が並び立っていると話します。1つは「その瞬間の意見を求める」文化、もう1つは「答えを解説する」文化です。
ディズニーのように善悪の白黒を一瞬でつける。ショート動画が典型
グラデーションやニュアンスを伝えることが可能になる。コメンタリーカルチャーはこちら
草野さんが「対極にあるということか」と確認すると、宮武さんは必ずしも対極ではなく、2種類が両立して存在しているのだと説明します。解説型でも悪者を深掘りすることはありますが、グラデーションを描けるのは後者だけです。
コメンタリーカルチャーはその後者の方で、個人的にはこれがどんどんどんどん重要になってると思うんですけど。
笑いを支える専任ファクトチェッカー
宮武さんによると、『デイリー・ショー』には情報がフェアかどうかのチェックが厳しく入っています。事実そのものの正しさに加え、事実が正しい文脈で使われているかを確かめるヘッド・オブ・リサーチがいるそうです。
その人物はアダム・チョディコフさんで、ファクトチェッカーのカンファレンスで基調講演者に選ばれるほどの人だといいます。番組制作の中で必ずどこかで彼とバトルになる、という話は有名なようです。
彼の役割は、アウト・オブ・コンテクスト ── 発言を前後の文脈から切り離して伝え、本来の意図と違う意味に見せてしまうことを防ぐことです。切り抜き動画だけでなく、記事でも発言の一部だけが取り上げられ、ライターがそこしか見ていないことがあるため、全ネタの一次ソースを確認します。
「この記事で言ってたから」っていうところを言った瞬間、なんか本当のソースじゃないっていうところがバレるので。
草野さんは、こうした番組は信頼が命で、ホストの対応1つでキャンセルされかねないと応じます。宮武さんは、コメディ番組でありながら厳しいチェックがあるからこそ、ニュースコメディとして成功しているのだと見ています。
レイトナイトショーの衰退と次のコメンテーター
宮武さんは、レイトナイトショー全体の人気がいま大きく落ちていると指摘します。トレバー・ノアやジェームズ・コーデンが辞め、今年3月には『アフター・ミッドナイト』がホスト降板とともに終了し、サマンサ・ビーやコナン・オブライエンの番組も後継なく終わりました。
スティーブン・コルベアの『ザ・レイト・ショー』も、大きな赤字だったと言われるなか終了が発表されています。草野さんは「もうポッドキャストですもんね」と応じます。
背景にはテレビが見られなくなったことがあり、かつてレイトナイトショーを見ていた大学生世代は、ポッドキャストやTikTok、YouTubeへ移っていると宮武さんは見ています。ジャンル自体が終わりつつあり、次世代のコメンテーターが必要になるという見立てです。
候補として挙がるのは、ワシントン・ポストでTikTok担当を務め、面白い解説で知られたジョルゲンソンさんです。同紙を辞め、『デイリー・ショー』的な番組を作りたいとTikTokで話していたそうです。宮武さん自身はSubstackのニュースメディア『The Free Press』を好んでいるといいます。
選挙を動かすのはSNSか、それともコンテンツチャネルか
宮武さんは、日本で「初めてのSNS選挙」と言われた話題から、政治とニュースの扱われ方の関係に話を広げます。アメリカでは2012年、オバマの2回目の選挙がSNS選挙と言われました。
ただ宮武さんは、SNSと並んで大きかったのが『デイリー・ショー』や『コルベア・レポー』の普及だったと考えます。やや民主党寄りの番組を通じて若い層が初めて政治に触れ、オバマへの投票につながった、という見方です。
民主党寄りのニュースコメディ番組で若者が政治を知り、オバマ支持へ
トランプ大統領がポッドキャストを活用し、若い男性を囲い込む
どのチャネルが正解かは国によって違い、ポッドキャストかビデオポッドキャストか、YouTubeかTikTok、あるいはTwitchかもしれないと宮武さんは話します。草野さんが、政治家が出演したポッドキャストの映像をコメンタリーする形もありそうだと言うと、宮武さんはそれが今後の主流になるかもしれないと応じました。
まとめ
今回のOff Topicでは、ジョン・スチュワートの『デイリー・ショー』を起点に、アメリカでニュースコメンタリーが根付いた理由と、その担い手がテレビから新しいチャネルへ移りつつある現状が語られました。
- 『デイリー・ショー』は大統領選という追い風と、ケーブルニュースの党派化を背景に、政治ニュースを面白いものに変えた
- スチュワートは笑いの裏に一貫した軸を持ち、『クロスファイア』の終了にも影響したと宮武さんは見ている
- 多様な社会では、鉄板ネタにニュアンスを足して他者理解を促すことがコメンタリーの役割になる
- 厳しいファクトチェックが、コメディ番組でありながら信頼される理由になっている
- レイトナイトショーが衰退するなか、次のコメンテーターはポッドキャストやTikTok、YouTubeから現れるかもしれない





