📝 エピソード概要
本エピソードでは、心の健康を守るための具体的な方法として、うつ病の対処法と「認知行動療法(CBT)」について、臨床心理士でもある渡辺和広先生が解説します。うつ病の重症度に応じた治療法の違いを明確にし、特に軽症や抑うつ状態に対する非薬物療法(CBTおよび運動)の有効性を深く掘り下げます。CBTがどのように思考の癖や行動パターンを分析し、心の不調に対する柔軟な対処能力を養い、長期的な予防に繋がるのかを理解できます。
🎯 主要なトピック
- うつ病の重症度と治療法の違い: 重症度により、治療の推奨(薬物療法、休養、心理教育)が変わること、特に軽症から中等症では抗うつ薬の効果が限定的である場合があることを説明しました。
- 診断基準とセルフチェックの可能性: うつ病の診断は問診に基づく症状群(ICD-11やDSM-5)の組み合わせで判断され、これらの基準は一般にも公開されており、自分自身の状態を確認できるツールとしても機能します。
- 軽症への非薬物アプローチ: 軽症および抑うつ状態の人に対しては、副作用の懸念がない選択肢として、認知行動療法(CBT)と、エビデンスが豊富な身体活動・運動が有効であると推奨されています。
- 認知行動療法(CBT)の定義と目的: 認知(考え方)と行動に焦点を当て、そのパターンや癖を分析し、ストレスや症状に柔軟に対処できるように工夫を加える心理療法であると解説されました。
- 具体的な技法:行動活性化と認知再構成: 気分を改善する行動を探し試行錯誤する「行動活性化技法」と、ネガティブな思考の癖(歪み)を客観視し、バランスの取れた考え方を訓練する「認知再構成法」が紹介されました。
💡 キーポイント
- うつ病の治療においては、休養や薬物療法だけでなく、すべての重症度で病気への理解を深める「心理教育」が基本となります。
- 認知行動療法は、単なる治療法にとどまらず、うつの「予防」にも効果があることが科学的エビデンスに基づいて示されています。
- ストレス負荷がかかると、人は一時的な快楽が得られるが長期的に悪影響をもたらす「悪いルーティン」や「思考のパターン」に結びつきやすくなります。
- CBTの技法を用いることで、自分の思考プロセスを書き出し(コラム法など)、心理士とともに「認知の歪み」を明らかにし、より合理的で気分が楽になる考え方を身につける訓練を行います。
- CBTの目的は、思考や行動のパターンを「正す」ことではなく、状況に応じて適切なパターンを選択できる「柔軟性」を身につけることです。
