📝 エピソード概要
本エピソードでは、京都大学の近藤尚己先生(社会疫学)をゲストに招き、「孤独」と「社会的孤立」が健康に与える影響を徹底的に議論しています。孤独が1日15本のタバコに匹敵する死亡リスクを持つという衝撃的なデータから、そのメカニズムを解説。また、コロナ禍を経てWHOが「社会的つながり」を世界の健康戦略の柱として再定義した背景や、日本の若年層の孤独感の高さ、地域文化の消失がコミュニティに及ぼす影響について、社会疫学の知見に基づいて掘り下げています。
🎯 主要なトピック
- 「孤独」の定義: 孤独は、客観的な「社会的孤立」(つながりの欠如)と、主観的な「孤独感」(寂しいと感じる状態)に分けて捉えられ、望まない孤独・孤立への対策が重要である。
- 孤独による死亡リスクの衝撃: メタ分析の結果、社会的孤立は高血圧や運動不足などと同等、あるいはそれ以上に死亡リスクを高め、その害は「1日15本のタバコ」に匹敵する。
- 孤独が体を蝕むメカニズム: 孤独によるストレスは、生活習慣の悪化(不健康な食事、運動不足)だけでなく、ストレスホルモンの作用を通じて高血圧や糖尿病リスクを直接的に高める。
- WHOによる社会的つながりの重視: 新型コロナパンデミックをきっかけに、WHOは過去70年近く無視してきた社会的ウェルビーイングの重要性を再認識し、「つながり」の維持を明確な健康戦略の柱として進め始めた。
- 社会疫学の役割と地域のつながり: 社会疫学は、つながりや貧困、働き方、地域環境といった社会的な要因が健康に与える影響を統計的に明らかにし、特に地域のお祭りなどの文化が繋がりを保つために不可欠であると指摘された。
- 日本の孤独の現状と若年層の課題: 日本では約4割が孤独感を抱えており、高齢者よりも20代~30代の現役世代で孤独感が高い傾向にあり、特に若い女性の自死増加など、オンライン社会の急速な変化が影響していると見られる。
💡 キーポイント
- 社会的孤立は、血圧や運動不足と同じくらい、あるいはそれ以上に健康リスクが高い重要な公衆衛生上の問題である。
- 孤独による慢性的なストレスは、体内のホルモンに作用し、身体そのものを直接的に蝕み、高血圧や糖尿病といった生活習慣病のリスクを高める。
- WHOが「孤独感からつながりへ」という報告書を発表し、世界中の保健政策に「社会的つながり」という共通言語と測定基準をもたらそうとしている。
- 日本の高齢者(80代)は、孤立していても意外に孤独感が低く、人生経験からくる「生きる術」を心得ている可能性がある。
- 地域のお祭りや文化活動は、単なる楽しみではなく、世代を超えたつながりを保ち、人々の健康を支える社会的インフラとしての役割を担っている。
