📝 エピソード概要
本エピソードでは、京都大学の近藤尚己教授をゲストに迎え、孤独や社会孤立を解消するための先進的な取り組みである「社会的処方」と「文化的処方」について掘り下げます。医療機関を起点に、患者の社会生活面の課題に目を向け、地域活動や文化活動への「つながり」を処方する具体的な仕組みや、日本国内での成功事例(針金アート、愛煙家座談会など)を紹介。単なる治療を超え、人々のウェルビーイング(安寧)を高め、自分らしく生きられる社会を目指すビジョンが語られています。
🎯 主要なトピック
- 社会的処方と文化的処方の定義: 薬の代わりに、社会とのつながりや文化的な活動機会を処方する考え方であり、政府も注目する孤独解消のための取り組みです。
- 医療機関をタッチポイントに: 死別や病気が孤独の原因となることが多いため、病院や診療所を基点として、孤立しがちな人を見つけ出し、社会資源に繋ぐ仕組みの重要性が説明されました。
- リンクワーカーの役割: イギリスで生まれたリンクワーカーは、医療機関と地域の活動を結びつける「つなぎ役」として、個々の患者のニーズに寄り添い、適切な社会活動へと伴走します。
- 日本での実践事例(養父市): 兵庫県養父市では、孤立しがちだった60代男性が「針金アート」に出会い、生きがいを見つけトラブルが解消した事例が、文化的処方の成功例として紹介されました。
- 日本での実践事例(高浜町): 福井県高浜町では、愛煙家が集まりタバコを語り合う「愛煙家座談会」を実施。繋がりを持つことで、タバコを辞める意欲が湧き、繋がりが「薬」となる効果が示されました。
- 芸術と医療の連携の可能性: アメリカでのアートを処方するビジネスの例や、近藤先生が構想する東京藝大付属医学部のアイデアなど、文化が人々の幸福に貢献する未来像が議論されました。
- 安寧社会競争イニシアチブ(アンコ)の設立: 企業や学術機関と連携し、ウェルビーイングを高めるサービスの効果評価やマネタイズデザインを支援する組織の役割が説明されました。
💡 キーポイント
- つながりが薬になる: 社会的・文化的活動への繋がりは、従来の薬と同じように人々の健康問題、特に孤独や孤立に特効薬的に作用する可能性があります。
- 活動への「貢献」の価値: 針金アートの事例のように、所属するだけでなく、活動の運営側に回って「貢献」することで、生きがいと自己肯定感が得られ、生活が改善します。
- 文化的な要素の肯定: 愛煙家座談会の事例が示すように、個人の嗜好や文化(タバコを吸うことなど)を全否定せず、肯定的な場を提供することが、結果的に健康的な変化を促します。
- 文化的処方=自分らしさの肯定: 近藤先生が目指す社会は、全ての人間の生き様が体現され、「生きたいように生きられる」状態を医学・医療がサポートすることです。
