📝 エピソード概要
本エピソードでは、サッカーコーチの倉本和昌氏が、日本で行われる「サッカー」とヨーロッパで行われる「フットボール」の根本的な違いを、指導者の視点から深く掘り下げます。ヨーロッパでは「陣取り合戦(ボードゲーム)」として状況判断や戦略が重視される一方、日本では「ボールゲーム」として個人技術や頑張りが先行しがちであると指摘。この解釈の違いが日本人選手の海外での成功を阻む要因となっている実態を解説し、日本のサッカーレベル底上げのための具体的な提言として、トーナメント形式の弊害とリーグ戦導入の重要性を訴えます。
🎯 主要なトピック
- 海外指導者研修の意義: サッカーの中心地であるヨーロッパの環境やトップレベルの基準を知ることは、将来世界で活躍を目指す日本の子供たちの夢をコーチが潰さないために不可欠である。
- 「サッカー」と「フットボール」の根本的な違い: 日本のサッカーが「ボールゲーム(ボールをどうにかする)」なのに対し、ヨーロッパのフットボールは「ボードゲーム(陣取り合戦)」であり、そのツールがたまたまボールであるという定義の違いがある。
- 状況判断能力の重要性: ヨーロッパでは状況を理解し、チームの勝利のために何をすべきかを判断する能力が重視され、技術力が高くても状況を読めない選手は試合に使われない。
- 日本人選手がパスをもらえない問題の本質: 海外でパスが来ないのは、信頼関係だけでなく、選手自身の立つタイミングや場所が悪く、周りの選手が出したい状況にないことが根本的な原因である。
- トーナメント形式が成長を阻む: 負けたら終わりのトーナメント形式(特に日本の部活動)は、失敗から学び改善する機会を奪い、「頑張ろう」という精神論に繋がりやすく、週ごとの改善が可能なリーグ戦との本質的な違いを生む。
💡 キーポイント
- 日本人選手の高い技術力を活かしきるには、単なる個人のスキルではなく、「状況理解」と「戦略的な集団プレイ」というフットボールの概念を学ぶ必要がある。
- ヨーロッパでは、幼少期からスタンド(少し高い位置)から試合を観戦する文化があり、俯瞰的な視点でスペースや距離感を学ぶ機会が多い。
- 日本の集団スポーツの練習法が「個人を良くする」野球のマインドに影響されている可能性があり、それがサッカーをボールゲームとして捉える傾向を強めている。
- 指導者がサッカーの捉え方を変えることで、子どもたちは怒られるのではなく、自分で判断し、その判断についてコーチと対話することで、サッカーが「楽しい」と感じるようになる。
- リーグ戦導入が進まない背景には、学校のブランド向上を目的とした「学校スポーツ」の構造や、トーナメントのハラハラ感に依存する政治的・商業的な利権が絡んでいる。
