📝 エピソード概要
本エピソードでは、イケハヤ氏がジャック・アタリの『21世紀の歴史』(2006年刊行)を紹介します。本書は、パンデミック、GAFAMのような「帝国企業」の台頭、超紛争の発生といった悲観的な未来を予言していました。
しかし、その混乱の先に残された希望として、利己主義を乗り越え、愛他主義を実践する「トランスヒューマン」(超人類)の出現を提唱しています。彼らが作り出す「愛他主義経済」と「心地よい時間」の追求が、世界の調和を取り戻す鍵であると論じられました。
🎯 主要なトピック
- 未来予測本の紹介: 議論のテーマ「これからの未来がわかる本」として、『21世紀の歴史』、『2050年の世界』、『教養としての「ラテン語の授業」』の3冊が持ち寄られました。
- 『21世紀の歴史』の悲観的予言: 本書は、格差拡大、国家の弱体化、帝国企業(ビッグテック)の台頭、そして戦争を超える「超紛争」が発生する悲観的な未来像を描写しました。
- ノマド社会の到来: 2006年当時、ジャック・アタリが「ノマド」という概念を提唱し、資本を持つ「ハイパーノマド」と、出稼ぎを余儀なくされる「仮想ノマド」の出現を予見しました。
- 希望としてのトランスヒューマン: 悲観的な未来を乗り越える鍵として、愛他主義的で人道支援に熱心な「トランスヒューマン」(超人類)が登場し、新たな歴史の担い手になると示唆されました。
- 愛他主義経済の概念: トランスヒューマンは、無料奉仕、寄付、公共サービスからなる「愛他主義経済」を構築し、金銭的報酬の代わりに敬意や感謝が対価となる社会を目指します。
- 心地よい時間と自己実現: 市場経済の孤独に対抗し、個人が他者の時間を生きるのではなく、自分自身の現実の中で「心地よい時間」を手に入れ、自己の才能を開花させる重要性が語られました。
💡 キーポイント
- 『21世紀の歴史』は、リーマンショックやパンデミック、ビッグテックの寡占、デジタルノマドの普及など、現代の社会現象の多くを2006年時点で的中させていた驚くべき先見性を持っています。
- ジャック・アタリの定義するトランスヒューマンは、科学技術で強化された人間ではなく、利己主義を排し、利他主義(愛他主義)の精神を実践する倫理的な超人類を指します。
- 愛他主義経済の根幹は「与えることで失われない」という原則(知識と同様)に基づいており、これにより医療や教育などのサービスの希少性が失われ、誰もが恩恵を受けられる社会が実現される可能性を提示しています。
- 資本主義による孤独や競争社会の末路を回避し、個人が本当に満たされるためには、金銭的成功よりも「心地よい時間」の確保と、コミュニティにおける貢献が不可欠であると結論づけられています。

