📝 エピソード概要
本エピソードでは、書籍『むかしむかしあるところにウェルビーイングがありました』を基に、日本文化に根差した独自の幸福論を探ります。西洋が目標達成や「上」を目指す文化であるのに対し、日本は「奥」への探求や、変化のない「ゼロに戻る」行為に心の安寧を見出している点を考察します。
また、現代社会で失われがちな「ただいる」ことの価値に焦点を当て、推し活やコミュニティを通じてウェルビーイングを維持するための具体的なヒントを提供します。リスナーは、日常的な安心感や幸福の原点を再認識できるでしょう。
🎯 主要なトピック
- 紹介書籍とウェルビーイングの定義: 予防医学研究者・石川善樹氏らの著書を紹介。ウェルビーイングを「心、体、社会の全てが満たされた持続的な幸福」とし、日本昔話にその鍵があることを示唆する。
- 西洋と日本の目標意識の違い: 西洋は「上」(頂上、天国)を目指すピラミッド型の文化に対し、日本は「奥」(奥の細道、神社の参道)に価値を見出す民族であり、奥を模索する行為自体に幸せの原点がある。
- 「ゼロに戻る」価値の再評価: 浦島太郎のように、日本の昔話は「ゼロに戻る」(スタートとゴールに変化がない)構造が多い。これは「満たされた無に戻る」行為であり、安心感、すなわちウェルビーイングである。
- 現代における「ただいる」の最強価値: 人間関係が「する(行動)」から始まる現代社会で、「役に立つ」価値観に疲弊しがち。見返りを求めず「ただいてくれる」推しの存在のように、「ただいる」ことが最強の価値を持つと考察。
- SNSでの「いる」の意識: 「する」「なる」の投稿がメインのSNSはウェルビーイングと相性が悪いが、コミュニティなどで「いる」ことを意識した交流をすることで、心地よい関係性を築けると提案する。
💡 キーポイント
- 西洋の「上」への志向に対し、日本の「奥」への興味は文化のど真ん中にあり、奥の細道や神社の参道配置にも反映されている。
- 何かを得る勝利で終わる西洋の物語と異なり、日本の昔話はスタート地点とゴールに変化がない「ゼロに戻る」構造が特徴。このゼロへの回帰が安心感を与える。
- 「ゼロに戻る」とは、すごろくの振り出しに戻るようなネガティブな意味だけでなく、お家に帰った時のように「満たされたニュートラルな状態に戻る」行為である。
- 現代の「推し活」の熱狂は、「ただいてくれるだけで尊い」という、最も強力な「いる」の価値を体現している。
- 日常において、頑張りすぎて疲れる前に一旦ゼロ地点(ニュートラル)に戻れる自分なりの「お布団の中」や「海辺」のようなリセット場所を持つことが、持続的な幸福につながる。

