人間関係がラクになる本3冊まとめ&コメント返し──ワニ脳・猿脳・人脳で伝え方が変わる
本つまみぐいラジオの幸あれこさん、しゅうへいさん、イケダハヤトさんが、「人間関係がラクになる本」3冊を振り返りながら、リスナーコメントへの返信や楽屋トークを展開した回です。前回の経済テーマへの反応から始まり、各自が紹介した本の"語りきれなかった部分"を補足し、最後は「人間関係の悩みって何?」という問いに3人それぞれの実感がにじみます。その内容をまとめます。
コメント返し──「なんでこれ人気なの?」のマーケティング考察
まずは前回の経済テーマ回に寄せられたリスナーコメントの紹介から。リスナーの一平さんから「イケハヤさんが普段マーケティングを面白いと言っている意味が少しわかった」というコメントが届き、そこから「世の中でなぜこれが人気なんだろう?と思うもの」という話題に展開しました。
ポッキーのチョコがかかってない部分、なんでチョコかけなかったんだろうなって思うんですよ
幸あれこさんは「子どもの頃は全部チョコがかかっていてほしかったけど、大人になって"持つところがあるから選ばれている"と気づいた」と振り返ります。たけのこの里やきのこの山も同じ構造ではないか、と。一方しゅうへいさんはみたらし団子醤油と砂糖の甘辛いタレをかけた串団子。京都・下鴨神社のみたらし祭が名前の由来とされる。への強い苦手意識を告白。「憎たらし団子と呼ぶぐらい好きじゃない」「あんこ餅と同じ串に入ってるのが許せない」と熱弁し、スタジオを笑わせました。
しかしイケダハヤトさんが「買う人がいるから売ってるわけですよ」と冷静に返すと、幸あれこさんも「バスケ部の部活後にみたらし3本平らげてた女」と名乗り出て、「こういう人がいるから成り立つ。マーケティングですね」と着地。「なぜこれが人気なんだろう?」と考えること自体がマーケティング的思考だ、という示唆のある雑談になりました。
衝撃的な食体験──猿肉・ヒグマ・激辛トッポギ
リスナーの一平さんから「メキシコでモーレカカオ、唐辛子、スパイスなどを煮込んだメキシコの伝統的なソース。肉料理にかけて食べることが多い。というカカオを使ったカレーのような料理をよく食べていた」というコメントが紹介されると、「一番衝撃だった料理は?」というお題に。
イケダハヤトさんの答えは「猿肉」。高知県の山奥のごく一部の地域では、害獣駆除で捕獲した猿を食べる文化があるそうで、「美味しい鶏肉のようにさっぱりしていて、フルーツを食べている猿だからか甘味を感じる」とのこと。さらにワニ肉も通販で買えると紹介しつつ「わざわざ取り寄せるほどでもない」と冷静な評価でした。
しゅうへいさんはフレンチレストランで食べた「子熊のヒグマ」を挙げ、「木の実を食べているからか、芳醇な味わいだった」と振り返ります。幸あれこさんは韓国の友人が「甘めに作った」と言って置いていったトッポギが信じられないほど辛かったエピソードを披露。味覚の違いに衝撃を受けた体験として語りました。
『ひとを〈嫌う〉ということ』──夫婦関係という最もディープな人間関係
ここから今回のメインテーマである3冊の振り返りへ。イケダハヤトさんが紹介した『ひとを〈嫌う〉ということ』中島義道著。哲学者が「嫌う」という感情を正面から考察した一冊。自身の家庭内での体験も率直に織り交ぜている。では、本編で語りきれなかった「夫婦関係」の章が話題の中心になりました。
著者は本の中で「自分の体験をそのまま語ると妻の人権を侵害し、今のところ侵害したくはないので、適当にぼかして漱石などを引用して語ることにします」と前置きしたうえで、妻や息子から嫌われていることを堂々と書いているそうです。
哲学者って人間関係を超越した感じのイメージがあったけど、ものすごく人間味を感じる
しゅうへいさんは「奥さんから嫌われていることを本に書ける胆力がすごい」と感心。幸あれこさんは「いくら好きでも違う人間と一緒にいるには努力が必要。嫌いになった瞬間に嫌いが増すのは仕方ない」と共感しつつ、「なぜ嫌われているのだろう、と考えるところから一冊の本ができるのがすごい」とコメントしました。夫婦という最も濃い人間関係をどうマネジメントするかには答えがなく、いろんな夫婦の形がある──そんな結論が印象的でした。
『僕たちは言葉について何も知らない』──哲学が"つながる"読書体験
しゅうへいさんが紹介した『僕たちは言葉について何も知らない:孤独、誤解、もどかしさの言語学』言語とコミュニケーションのズレを言語学の視点から解き明かした一冊。スピノザやカントなどの哲学者も引用される。の振り返りでは、本の内容そのものよりも「読書体験が変わった」という実感が中心に語られました。
しゅうへいさんはこの本を読みながら、並行してオーディブルAmazonが提供するオーディオブックサービス。プロのナレーターによる朗読を耳で聴いて読書できる。で『日本哲学史』という別の本を聴いていたそうです。すると西田幾多郎1870-1945。日本を代表する哲学者。「善の研究」で知られ、東西の思想を融合した「西田哲学」を確立した。や井筒俊彦1914-1993。言語学・東洋思想の研究者。イスラーム哲学から仏教まで幅広い思想を横断的に研究し、「意識と本質」などの著作で知られる。といった日本の哲学者が両方の本に登場し、概念がつながっていく感覚を味わったといいます。
違う本で注目した人が出てきたり、言葉があったりする。なんか嬉しいよね
イケダハヤトさんは「あえてバカにした言い方をすると、最近本を読み始めた人みたいな感想」と笑いつつも、「でも本当に最近読み始めた人だから、すごい」と素直に称賛。以前は分かりやすいマーケティング本や自己啓発本ばかり読んでいたというしゅうへいさんが、哲学の面白さに目覚めている変化を喜んでいました。
しゅうへいさん自身も「哲学って勉強するのめんどくさいというイメージがあったけど、ある哲学者がスピノザをどう見ているか、という"視点のインストール"をしていくと面白くなる」と語り、読書の楽しさが根本的に変わったことを実感しているようでした。
『あいては人か』──悪い話の伝え方とワニ脳への対処法
幸あれこさんが紹介した『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』人間の脳を「ワニ脳」「猿脳」「人脳」の3層で捉え、相手の脳の状態に合わせたコミュニケーション法を提案する一冊。の振り返りでは、本編で語りきれなかった「悪い話を相手に伝える方法」が深掘りされました。
幸あれこさんが特に強調したのは「どんなに落ち着いている人(人脳)でも、悪い知らせを受けた瞬間にワニ脳に変わる可能性がある」というポイントです。だからこそ、伝える側は「相手がワニ脳に変わること」を織り込んだうえで話すことが大事だと説明しました。
それ気が楽になるね。どんなにこっちが気をつけても、受け取られ方なんて本当にコントロールできないじゃん
ここでイケダハヤトさんが「映画でよくある"いい話と悪い話、2つあるけどどっちがいい?"ってすごくよくできた伝え方だ」と指摘。自分で選んだという自己意識が生まれる(人脳が活性化する)うえに、悪い話を先に聞いてもいい話が待っていると思える──その構造の巧みさに3人で感心していました。
3冊のバランスと「人間関係で悩むとは何か」
イケダハヤトさんが3冊の関係を整理してくれました。自分の本(『ひとを〈嫌う〉ということ』)は嫌われることに対する内面のOS的な話、しゅうへいさんの本は人と人の間に起こるミスマッチの原因を言葉から解き明かす話、幸あれこさんの本は現場でどうアプローチするかという具体的な解決策──打ち合わせなしなのに、見事なバランスだったと振り返りました。
『ひとを〈嫌う〉ということ』
嫌われることへの自分の認知をどう組み替えるか
『僕たちは言葉について何も知らない』
人と人の間に起こるミスマッチを言語から紐解く
具体的な対処法
『あいては人か』── 脳のモードに合わせた伝え方・環境設定
話題は「そもそも人間関係で悩むとは?」という根本的な問いへ。イケダハヤトさんは「人間関係で悩むということが感覚的にマジでよくわからない」と率直に語り、若い頃に感じていたのは「悩み」というより「フラストレーション=怒り」だったと分析します。
しゅうへいさんはそれを受けて、「人間関係の悩みとは"あの人に自分はどう思われているんだろう"と考え続けること」だと整理。イケダハヤトさんの場合は「なんだこの野郎」で完結するため、考え続けない。だから悩みにならない──という違いが浮かび上がりました。
しゅうへいさん自身は「ガストのバイト時代、店長とベテランパートさんの板挟みでめちゃくちゃ悩んだ」と実体験を告白。どちらにも「はいはい」と言い続けるしかなかったけれど、「それが正しいのかもしれない」とイケダハヤトさん。最終的に「しょうがないよね」という境地に至ること自体が、結局「嫌われてもいい」というお守りにつながる──そんな流れで、3冊のテーマがきれいに一巡しました。
最後にリスナーへ向けて、「人間関係で今どんなことに悩んでいるか教えてほしい」と呼びかけ。ハッシュタグ「#本つま」(本は漢字、つまはひらがな)でSNS投稿やコメント欄への書き込みを募集していました。
まとめ
今回の楽屋トークでは、前回の経済テーマへのコメント返しから始まり、「人間関係がラクになる本」3冊それぞれの"語りきれなかった部分"が補足されました。イケダハヤトさんの本からは夫婦という最もディープな人間関係に答えはないという示唆、しゅうへいさんの本からは哲学を通じて視点が増える読書体験の変化、幸あれこさんの本からはワニ脳への伝え方という実践的なテクニックが深掘りされています。そして「人間関係の悩みとは何か」という問いに対する3人の答え方の違い自体が、まさに"人はそれぞれ違う"という今回のテーマを体現していました。次回は番外編「読書時間の作り方」を挟んで、「働き方の未来」がテーマとなるそうです。
- 「なぜこれが人気なのか?」と考えること自体がマーケティング的思考の入口
- 『ひとを〈嫌う〉ということ』──著者が家族に嫌われていることを堂々と書く胆力。夫婦関係に正解はない
- 『僕たちは言葉について何も知らない』──異なる本で同じ哲学者に出会うと、概念がつながって読書が一段と楽しくなる
- 『あいては人か』──悪い話を伝えるとき、相手の脳は人脳→ワニ脳に切り替わりうる。攻撃的な反応は「あなた個人への攻撃ではない」と知っておくだけで気がラクになる
- 3冊は「内面のOS」「原因の理解」「具体的な対処法」と見事に役割分担していた(打ち合わせなし)
- 「嫌われてもいいんだ」はお守りになる──人間関係の悩みを手放すヒント

