勝者も敗者も目標は立てている?
しゅうへいさんが今回持ってきたのは、2000万部売れているというジェームズ・クリアーの『複利で伸びる1つの習慣 ── 原題は「Atomic Habits」。小さな習慣の積み重ねが大きな成果につながると説く習慣術の本で、世界的なベストセラーです』です。しゅうへいさんは、言っていることはとてもシンプルな本だと前置きしました。
新年の季節に合わせて、しゅうへいさんは「目標設定しましたか?」と2人に問いかけ、いきなり強い言葉で切り込みます。
あの、もう早速一言言わせていただきたいんですけど、目標設定はクソです。
終わった。
しゅうへいさん自身は、新年に目標を立てても1月、2月とやらず、3月には忘れ、4月に新しく立て直すことを繰り返してきたといいます。目標を立てるだけなら誰にでもできる、というのがしゅうへいさんの実感です。
この本が面白いのは、うまくいく人もいかない人も、勝者も敗者も目標設定はしていると指摘する点だと、しゅうへいさんは紹介します。だとすれば、違いは目標以外のところにあるはずです。
何の違いがあるねん?目標達成以外に違いがあるでしょと、はっきりさせてくれるんですよ。
じゃあ何をやったらいいかっていうと、一言言うけども、今すぐ2分だけやれ。
しゅうへいさんは、原子のように小さな習慣を始めることが結局大きな成果を生むのだと説明し、「3万円ぐらい出しても人生に効く」と本の価値を強調しました。
幸あれこさんによると、しゅうへいさんはこの本を読みながら「これで朝起きれるかもしれない」と言い続けていたそうです。ところが収録当日も起きられておらず、イケダハヤトさんから「出落ち感がすごい」とツッコミが入ります。
それでもしゅうへいさんは、この本を読んで自分が朝起きられない理由がはっきりわかったと話します。ジムの契約、50万円の高額SNSスクール、ボールペン字講座に申し込む前に、まずこの本を読んでほしいというのがしゅうへいさんの勧め方です。
バットが顔に直撃した著者は、どう立ち直ったのか
しゅうへいさんは3つのポイントに入る前に、著者ジェームズ・クリアーの経歴を紹介しました。著者は高校時代、誰かがフルスイングしてすっぽ抜けたバットが顔に直撃し、ヘリコプターで運ばれて生死をさまよったといいます。
そこからリハビリを続け、6年後にはデニソン大学 ── アメリカ・オハイオ州にある私立のリベラルアーツ大学ですの男性トップアスリートになり、全米で33人だけが選ばれるESPNアカデミック全米チームにも選ばれたと、しゅうへいさんは紹介します。
プロ野球選手にはなれなかったものの、著者はその後に習慣術のメルマガを始め、登録者は50万人に達しました。大きな怪我を克服するなかで何をやってきたのかが、この本にわかりやすく書かれているというのがしゅうへいさんの説明です。
1%の改善は1年で37倍になる?
1つ目のポイントは「1%の改善をなめるな」、つまり小さな変化を軽視しないことです。しゅうへいさんは、習慣が大事だとわかっていても続かない理由を、本の言葉を借りて「タイムラグ」だと説明します。
しゅうへいさんによると、習慣は複利 ── 利息が元本に組み込まれ、その合計に次の利息がつく仕組み。時間がたつほど増え方が加速していきますのように働きます。しゅうへいさんは、昔借りたお金が5000円から90万円に膨らんだ経験を挙げ、複利は良い方にも悪い方にも効くと話しました。
幸あれこさんに複利を説明してもらう場面では、「単じゃないんですよ。複なんですよね」という独特の解説が飛び出し、しゅうへいさんが「専門用語をなるべく省いてわかりやすく」と受け止めて笑いが起きます。
本題の計算について、しゅうへいさんは、毎日1%改善を1年続けると1.01の365乗で約37倍になり、逆に毎日1%悪化すると0.99の365乗で約0.03倍、ほぼゼロになると紹介しました。
腕立て1回やジャンクフードを1口控える程度では人生は良くならない、と人は考えがちです。しゅうへいさんは、変化が小さすぎて軽視するからこそ「今日もいいかな」が積み重なり、何も変わらないのだと指摘します。
しゅうへいさんは、タイムラグを別の角度から描く本の例として、部屋に置いた氷の話を出しました。氷点下4度から3度、2度と室温が上がっても氷は変化せず、0度を超えた瞬間に溶け始めるというものです。
この問いに幸あれこさんは「どれぐらいの雪だるまかによる」と迷走しながらも「1度」と正解し、「理科百点でした」と胸を張りました。
しゅうへいさんは、腹筋がつかない、痩せないと感じる時期も、氷が溶ける直前と同じだと話します。しゅうへいさん自身の筋トレも、最初の30日ほどは何の変化もなく、200日ほど続けたころに周りから鍛えていると気づかれるようになったそうです。
時間をかけて良かったことは何か
しゅうへいさんは、すごく時間がかかったけれどやって良かったことを2人に尋ねました。イケダハヤトさんは、今だとAIでアニメを作ることだと答えています。
(AIアニメを)うまくある程度作れるようになるも、多分300時間はかかってるかな。
しゅうへいさんは、幸あれこさんが毎朝毎晩欠かさずフェイスパックをしていることも挙げました。パック姿のまま家にいる幸あれこさんに祖父が驚いたこともあり、幸あれこさんは「パックしてますってみんなにお声がけした方がいい」と笑います。
しゅうへいさんは、SNSや資産運用も時間がかかるものなのに、1〜2週間で「伸びない」と諦める人が多く、見切りが早すぎると話します。時間がかかることを思い出さなければいけない、というのがしゅうへいさんの考えです。
1%の改善が効く実例として、しゅうへいさんは長く低迷していたイギリスの自転車競技の話を紹介しました。機材の最適化、健康管理、睡眠、メンテナンス、筋肉の理想的な温度など小さな改善を積み重ね、ツール・ド・フランス ── フランスを中心に毎年夏に開かれる、世界最高峰の自転車ロードレースですで優勝できるようになったといいます。
なぜ「私は吸わない人」は強いのか
2つ目のポイントは「アイデンティティを作れ」です。しゅうへいさんは、目標設定がうまくいく秘訣のように見えるのは、偉業を成し遂げた人の「目標を立ててやり遂げた」という話ばかりが目に入る生存バイアス ── 成功して残った事例だけを見て、失敗して消えた事例を見落とすことで生じる判断の偏りですのせいだと紹介します。
偉人の例を振られた幸あれこさんは、クレオパトラが「スフィンクスのポーズを決めた」「髪型を流行らせた」と、本人も「イメージです」と認める雑学を披露し、しゅうへいさんに「雑な雑学」と言われました。
しゅうへいさんは、習慣を変えるときに多くの人は行動や結果を変えようとするけれど、大事なのは「自分が誰であるか」を変えることだと説明します。そのうえで、幸あれこさんにタバコを勧めてみせました。
あ、大丈夫です。吸わないので。
しゅうへいさんによると、非喫煙者は「私は吸わない」とアイデンティティで答え、禁煙中の人は「禁煙中なので」と行動で答えます。この違いが習慣の続きやすさを分けるというのが本の指摘です。
「私は吸わない人です」とアイデンティティで答える
「禁煙中なので」と行動で答える
ちなみに、お酒をやめている設定で日本酒を勧められたイケダハヤトさんは「禁止する理由がねえから」と答え、酒を飲む人という強いアイデンティティを見せる形になりました。
本が勧める手順は、どんなタイプの人になりたいかを決め、小さな勝利で自分自身に証明していくことです。毎日原稿を書けば作家に、バイオリンを練習すれば音楽家に近づくように、行動のたびに理想の自分へ「一票を投じる」のだとしゅうへいさんは紹介します。
しゅうへいさんは、この考え方で自分が朝起きられない理由がわかったといいます。
あ、俺起きない人ってアイデンティティ持ってるわと思って。
一方のイケダハヤトさんは、自分は自己認識が強く「決めたらやる人間だ」というアイデンティティがあるので、決めたことは必ずやると話しました。しゅうへいさんは、教育でも目標を書かせるだけでなく、どんな人になりたいかと日々どう票を投じるかを考えさせることが大事だと加えます。
アイデンティティ作りを支える仕組みとして、本は習慣が普通である文化に身を置くこと、つまり環境設定を挙げています。しゅうへいさんは、ブログで稼げなかった時期にイケダハヤトさんのサロンに入り、発信が当たり前の環境に身を置いたことでうまくいき始めたと振り返りました。
筋トレ200日を支えた4つの法則とは
3つ目のポイントは「4つの法則」です。しゅうへいさんは、人間の行動はきっかけ、欲求、反応、報酬というパターンで動き、報酬が次のきっかけを強めるループになっていると紹介します。
きっかけ
行動を始める合図がある
欲求
その行動をしたいと思う
反応
実際に行動する
報酬
満足が得られ、次のきっかけが強まる
このループをもとに、本は行動を「はっきりさせる」「魅力的にする」「易しくする」「満足できるようにする」という4つの法則を示しています。悪い習慣はこの逆を行えばやめやすくなる、というのがしゅうへいさんの説明です。
はっきりさせる例として、しゅうへいさんは「もっと運動する」ではなく「歯磨きしながらスクワットする」と決める方法を挙げました。逆に、お菓子を食べすぎるしゅうへいさんのために、幸あれこさんはお菓子の隠し場所を教えず、1日1個ずつしか渡さないことにしているそうです。
筋トレが世の中で一番嫌いだったというしゅうへいさんは、4つの法則をすべて筋トレに取り入れて200日以上続けました。しゅうへいさんの具体的な工夫は次のとおりです。
| 法則 | 工夫 | ねらい |
|---|---|---|
| はっきりさせる | Apple Watchのコアトレーニングで5分以上記録 | やった・やらないを明確にする |
| 魅力的にする | できたら幸あれこさんに見せて褒めてもらう | 人からの反応を動機にする |
| 易しくする | 腕立て5回だけと決め、道具を隣の部屋に出しっぱなしにする | 始めるハードルを下げる |
| 満足できるようにする | SNSに継続日数を記録し、終わったらSNSを見てよいことにする | 続いた満足をすぐ得る |
幸あれこさんは、しゅうへいさんの体よりも自信の変化が一番大きかったと話します。
筋トレできない、何も続かないっていうところから、筋トレもできるっていう、この変化が一番大きい。体っていうよりは心の変化ね。
しゅうへいさんは、イケダハヤトさんが2016〜2017年ごろ、まずTwitterに連続投稿し、反応が良いものをブログにしていた方法も4つの法則に当てはまると話します。SNSのいいねは即時報酬になり、ブログのPV、アフィリエイト売り上げ、借金返済へとつながるループになったそうです。
あえて易しくしないイケハヤ流の習慣とは
ここでイケダハヤトさんは、本の考え方はよくわかるとしたうえで、自分は少し違うやり方をしていると語りました。
逆に何か優しくしないで自分が負けるようなことをやりに行って、負けて悔しいというか、できない自分に打ちひしがれながら成長していく系が好き。
イケダハヤトさんは、スマブラを始めた当初は泣きそうになりながら何度もやめようと思ったものの、ここでやめたら負けだと続け、今はある程度うまくなったといいます。AIアニメも、下手でバカにされながら、うまくなれる確信を持って続けてきたそうです。
幸あれこさんが確信の出どころを尋ねると、イケダハヤトさんは受験勉強や、1年半ほど伸びなかったYouTubeが最終的に伸びた経験の蓄積だと答えました。
しゅうへいさんは、イケダハヤトさんには「時間をかければ転換点が来る」と知っているアイデンティティがすでにあり、打ちひしがれること自体が魅力になっているのだと受け止めました。何が魅力的かは人によって違う、ということです。
何を習慣化すべきかは考え続ける
しゅうへいさんは本の締めくくりとして、体格によって向いているスポーツが違うように、何を習慣化するかは個人の素養に合わせて意図的に選ぶ必要があると紹介しました。トイレや睡眠も習慣ですが、それだけで成果が出るわけではありません。
やっぱそれは考え続けないといけない。習慣化すれば全部うまくいくわけじゃないからね。
最後の話題は再びしゅうへいさんの早起きです。早寝早起きのイケダハヤトさんとの対比で、しゅうへいさんは、たまに用事で早く起きた日に「1日が長い」と感じたことが報酬だったと話しました。
幸あれこさんは、今年身につけたい習慣ややめたい習慣をハッシュタグ「#ほんつま」で寄せてほしいと呼びかけ、次回は幸あれこさんが自学自習法の本を紹介すると予告して締めくくりました。
まとめ
『複利で伸びる1つの習慣』は、目標を立てるだけでは勝者と敗者の差は生まれないとし、小さな改善の積み重ね、なりたい自分への一票、4つの法則による仕組み化を勧める本として紹介されました。一方でイケダハヤトさんの「あえて負けに行く」やり方も示され、何が続く動機になるかは人それぞれだという点も浮かび上がります。
- 毎日1%の改善は1年で約37倍、1%の悪化は約0.03倍になり、成果にはタイムラグがある
- 「禁煙中」ではなく「吸わない人」のように、行動ではなくアイデンティティを変えると習慣は続きやすい
- はっきりさせる・魅力的にする・易しくする・満足できるようにするの4つの法則で習慣を仕組み化する
- イケダハヤトさんのように、困難そのものを動機にする続け方もある
- 何を習慣化すべきかは、自分の素養に合わせて考え続ける必要がある






