📝 エピソード概要
AI時代に必要な人間固有の能力をテーマに、中公新書『言語の本質』を解説。AIが高い言語能力を持つ今だからこそ、人間が言葉の根源と進化のメカニズムを理解することの重要性を説いています。
本エピソードでは、言葉が「ずれ」や「経験」を通じて無限に発展する原理を探り、特にAIには不可能な、身体感覚を伴う「迷う力」(回り道)こそが、未来の新しい概念や言葉を生み出す鍵であると提言しています。
🎯 主要なトピック
- AI時代に身につけたい教養としての「言葉」: AIが完璧な翻訳や自然な日本語を扱う現代において、人間が言葉の本質や、なぜ人間だけが言葉を作れるのかという根源的な問いに向き合う必要性を提示。
- 言葉は「ずれ」から生まれる: 言い間違えや聞き間違えなどの「ずれ」が生じた際、人間は少ない手がかりから相手の意図を「仮説」で埋めようとする。この仮説の更新こそが、言葉の意味を発展させる原動力となる。
- 言葉はカルピスである(経験による意味の拡張): 辞書に書かれた言葉は「原液」に過ぎず、聞き手の経験という「水」で割られて初めて意味が完成する。経験を持たないAIには、この無限の言葉の拡張はできない。
- 人間は道に迷って言葉を作る(回り道の力): AIは効率的に正解を導くが、人間は感情や身体感覚を伴って「ガチで迷う」ことができる。この非効率な「回り道」こそが、既存の枠を超えた新しい概念や言葉を生み出す力となる。
💡 キーポイント
- 日常のコミュニケーションにおける「話が通じない」瞬間は、言語が進化し、意味が更新されている最先端の瞬間と捉えることができる。
- AIができないことの本質は、言葉の裏にある「1つ1つの重み」や「痛い、寒いといった身体感覚」を伴って世界を経験し、葛藤する能力の欠如にある。
- AI時代に身につけておきたい教養とは、言葉の知識そのものよりも、意味を納得するために非効率な道を選び、失敗や誤解を通じて学び直す「回り道する力」である。
- 新しいキャッチコピーや流行語、概念を生み出すのは常に人間の回り道であり、AIはそれを学習する側であり続ける。

