📝 エピソード概要
本エピソードでは、インド数学史研究者の徳武太郎さんをゲストに迎え、研究の道に進んだ意外な背景と、インド各地の図書館を巡る過酷な調査の実態が語られます。高校時代の厳しい部活動生活をきっかけに学問の重要性に目覚めた徳武さんは、サンスクリット語とインド音楽の研究を経て、独自のルートで数学史の世界へ辿り着きました。
古の知恵が記された「写本」を求め、カタログを頼りに現地で交渉を行うフィールドワークの様子は、文系的な手法で科学のルーツを紐解く、知的な冒険譚のような深みを持っています。
🎯 主要なトピック
- 研究者への意外な道のり: 中学卒業後は進学に消極的だった徳武さんが、バスケットボールに打ち込んだ高校時代の厳しい環境を経て、自律的な思考のために学問を志す過程が語られます。
- サンスクリット語とインド音楽: 仏教用語のルーツであるサンスクリット語への興味から、卒業論文でインド音楽の「順列・組み合わせ」を論じたことが、数学史研究への架け橋となりました。
- 韻文で記された数学公式: 古代インドの数学書は、暗記しやすいようにリズムのある「韻文(詩)」で書かれており、それを現代の数式に翻訳する独特の研究手法が紹介されます。
- 写本を巡るインド調査の裏側: 各地の図書館に眠る未刊行の写本を探し出し、現地の司書と交渉してコピーを入手する、困難を伴うフィールドワークの実態が明かされます。
💡 キーポイント
- 文系的アプローチによる数学研究: 数学史研究は、古い写本(マニュスクリプト)を解読する「文献学」の手法がベースとなっており、理系・文系の枠を超えた視点が必要です。
- 音楽と数学の交差点: インド音楽における音階の組み合わせ論など、古代から音楽と数学が密接に関連していたという洞察は、インド数学の独自性を示しています。
- 失われゆく歴史への使命感: ヤシの葉や樹皮に記された写本は、現地の保管状況によっては朽ち果ててしまうリスクがあり、研究者がその価値を見出し記録に残すことの重要性が強調されています。

