📝 エピソード概要
本エピソードでは、Facebookが一時的にソシャゲのプラットフォームとして大成功を収めながらも、その成功が「戦略的ミサライメント」を引き起こし、深刻な危機に陥った経緯を解説します。ゲームの過剰な通知がユーザー体験を悪化させたことに加え、モバイル対応の遅れが致命的な経営課題となりました。この状況を打破するため、マーク・ザッカーバーグは全社をモバイル開発に集中させる「ウォーブード(戦争モード)」を発動。戦略的な判断でコア事業に回帰し、劇的なV字回復を遂げた過程を学びます。
🎯 主要なトピック
- Facebook IDとAPIの解放: 2007年頃、Facebookが負けないための中心戦略としてIDとAPIを外部に開放し、外部サービスとの連携を可能にした。
- ソシャゲプラットフォームとしての隆盛: ジンガなどの開発者によるソーシャルゲームがバイラルで爆発的に成長し、Facebookは課金手数料(30%)で経営的に潤った。
- 戦略的ミサライメントの発生: ゲーム事業での成功にリソースが偏った結果、iPhone登場後のモバイル対応が遅れ、PC向けHTML5に固執するという戦略的なズレ(ミサライメント)が生じた。
- 通知地獄によるユーザー体験の悪化: ゲーム事業者がスティッキネス(粘着性)を高めるため通知を乱発。これによりFacebookのコア体験である友達との交流が邪魔され、ユーザー離れを招いた。
- 「ウォーブード(戦争モード)」の発動: モバイル対応の遅れとGoogle+の脅威を受け、ザッカーバーグは全社に「戦争モード」を宣言。ゲーム関連を含む非モバイルへの投資をストップし、ネイティブアプリ開発へリソースを集中させた。
- モバイル広告収益の劇的な回復: ウォーブード発動後、2011年にゼロだったモバイル広告収益は、2014年には全売上の65%を占めるまでに急成長を遂げた。
💡 キーポイント
- Facebookが経験した失敗は、一時的な成功にリソースを投下し、長期的なビジョン(モバイル化)との戦略的なズレが生じる「ストラテジック・ミサライメント」の典型例である。
- ゲーム事業の成功は収益をもたらしたが、その通知の乱発がSNSのコア機能(友達のアップデート)を侵害し、プロダクトの中核が揺らいだ。
- 危機的状況下で、ザッカーバーグは強いリーダーシップ(ファウンダーズ・モード)を発揮し、全社員のフォーカスを強制的にモバイル開発に絞り込むことで、組織の転換を成功させた。
- モバイルアプリ(特にメッセンジャー)への集中投資と最適化が、Facebookを再びSNSの覇者に押し上げた決定的な要因となった。
