📝 エピソード概要
本エピソードでは、グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナーの高宮慎一氏をゲストに迎え、ベンチャー投資と事業戦略の深層にある哲学を議論しました。戦略が単なる合理性だけでなく、起業家のWill(Why)や美学、そして市場への「タイミング」と融合することの重要性を強調しています。
けんすう氏への連続投資の裏側や、AI時代にクリエイティブビジネスを成功させるための「半歩先」を狙う戦略と「物量」によるハック方法など、事業開発や意思決定に役立つ洞察が満載です。戦略論を「美学」として捉え、人らしさをどう活かすかを探ります。
🎯 主要なトピック
- 戦略的投資の真髄: 著名投資家である高宮氏が、けんすう氏の会社(ナナピ、アル)に二度連続で投資した背景を解説。戦略の合理性だけでなく、起業家の資質や「この人にかけるべきか」という直感が重要視されることが語られました。
- 投資判断におけるタイミングの戦略性: 投資タイミングは偶然ではなく、マクロトレンド(コンテンツファーム)とミクロな個社の盛り上がり度合いを察知することで戦略的に測れるという見解が示されました。
- プロダクトドリブン戦略とPDCA: スタートアップのコアはユーザーに支持されるプロダクトを作る能力(アート)であり、戦略は「正解に近づくための仮説検証力(PDCA)」として機能するサイエンスだと定義されました。
- 「半歩先」と「2歩先」のバランス: ビジョナリーな起業家は2歩先の未来を目指しがちだが、短期的な収益と市場適合性を得るために、現実的な「半歩先」を同時に狙うバランス戦略が重要であると指摘されました。
- AI時代の物量と効率化: AIによるHow(手段)の効率化が進むことで、クリエイティブビジネスでは「対数の法則」をハックし、大量の試行錯誤(物量)によってヒットの確率を高める戦略が有効だと議論されました。
- 戦略の根幹としてのWhy(美学): AIが代替できない領域は、Why(なぜこの事業をやるのか)という起業家の強い意志や「こうなったら素敵だ」という美学であり、これが事業戦略の起点となると結論付けられました。
💡 キーポイント
- 成功する戦略とは、一度きりの「正解」ではなく、常にフィードバックを受けてチューニングし続ける「正解に近づいていく力」である。
- 起業家はプロダクトのクリエイティビティに集中し、苦手なファイナンスや事業戦略は外部の賢いリソース(投資家など)をレバレッジ(借りる)することが最高の経営戦略となる。
- けんすう氏の「歪みを発見し、そこに投げ込むと人間が面白い動きをする」という主観的なWhyは、一般的な課題解決型とは異なる、無数のアイデアを生み出す「起点力」である。
- 戦略論とは、定められたゲームのルールの中でハックして優位に立つことであり、ルールそのものを逸脱する脱法行為とは一線を画すべきである。
- AIが普及しHowのコストが低下するほど、起業家やクリエイターが持つ根源的な「Will(Why)」や「美学」が、競争優位性を生み出すための最も重要な経営資源となる。
![[番外編 #19] 美学としての戦略論 –高宮慎一さん(Globis Capital Partners)を迎えて–](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fd3t3ozftmdmh3i.cloudfront.net%2Fstaging%2Fpodcast_uploaded_nologo%2F39694983%2F39694983-1700063982706-e0dcdde214c05.jpg&w=3840&q=75)