📝 エピソード概要
本エピソードでは、Meta(旧Facebook)がメタバース事業に投じる累積10兆円にも上る巨額投資の戦略的意図を分析します。Metaは、モバイルに続く次世代の「コミュニケーションの場」の主導権を握り、ネットワーク外部性を確保することを目標としています。
VRハードウェア市場ではMeta Questが圧倒的なシェアを獲得し、ゲーム機市場としての立ち上がりは見られるものの、本命のコミュニケーションプラットフォームではRobloxやFortniteといった競合にリードを許している現状を解説。独禁法の制約が加わる中、「次の一等地」を巡るプラットフォーム戦争の行方を考察します。
🎯 主要なトピック
- 累積赤字10兆円:Metaのメタバースへの賭け: Metaは、年間の利益(約10兆円)に匹敵する規模の巨額投資をメタバース事業に投じており、これは将来的なプラットフォームの主導権獲得を見据えた戦略的な投資である。
- コミュニケーションの場を握る戦略の再構築: Metaの戦略の根幹は、ネットワーク外部性を利用して人のつながりの中心を押さえること。モバイルの次にコミュニケーションの中心がVR/ARへ移行することを見越し、先行投資している。
- Oculus買収とVR/ARの開発競争: 2014年のOculus買収(2000億円)から始まり、VRへの注力を強化。現在はApple Vision Proに近い「パススルー方式」と、外部モニターとして機能する「ARグラス(メガネ型)」の両方で開発を進めている。
- Meta Questの市場普及とゲーム市場の確立: Meta Questは比較的安価な価格設定により全世界で2000万台以上普及し、ヘッドマウントセット市場で約8割のシェアを維持。米国ではゲーム機市場(3000億円規模)においてメジャーなポジションを築きつつある。
- コミュニケーション市場の課題と独禁法の影響: 肝心のコミュニケーションプラットフォーム「Horizon Worlds」の利用率は低迷しており、RobloxやFortniteが先行。独禁法により競合排除や買収が制限され、プラットフォームの収益源とコミュニケーション層を一体化させる「レイヤーバンドル」戦略が難しくなっている。
💡 キーポイント
- Metaの累積赤字10兆円は膨大に見えるが、年間利益(約10兆円)を考えると、次世代プラットフォームへの先行投資として許容範囲内と見なされている。
- ザッカーバーグの目標は、「モバイル」の次に来る「コンピューティングの一等地」を確保し、次世代のネットワーク外部性をコントロールすることにある。
- 現在のVR市場は、特にZ世代を中心にゲーム機(セカンドポジション)として着実に成長しており、市場の立ち上がりは明確に見られる。
- Metaにとって真の脅威は、ハードウェアシェアではなく、RobloxやFortniteのように既に多くのユーザーのコミュニケーションの中心になりつつあるプラットフォームの存在である。
- 独禁法下でのプラットフォーム戦争では、Metaは強引な戦略が取れず、RobloxなどがVRにおける「SNSプラットフォーム」として成長する可能性も考慮される。
