📝 エピソード概要
日本最大の国語辞典『日本国語大辞典(日国)』編纂の中心的役割を担った、松井家三代目の松井栄一(重和)氏の奮闘を描くシリーズ第2回。先代からの引き継ぎが一切ない絶望的な状況から、39歳で「一生を賭ける仕事」としてゼロベースでの辞書作りを決意する過程が語られます。膨大な資料の整理や専門家への外注に伴うトラブルなど、巨大プロジェクトゆえの苦労と辞書編纂の奥深い哲学が明かされるエピソードです。
🎯 主要なトピック
- 松井家の「すれ違い」と宿命: 理系から文転し、祖父と父の遺志を継ぐことになった三代目・栄一氏の数奇な運命。
- 引き継ぎゼロからのスタート: 突然の不幸により、膨大な未整理カードだけが残された地獄のようなプロジェクト初期。
- 辞書編纂の「し」の字地獄: 50音の中で最も語数が多く、同音異義語が頻出する「し」の難所としてのエピソード。
- 『日国』通読マンの存在: 巨大な『日国』をわずか数年で読み終えた今野真二先生の驚異的な読書スピードと執念。
- 「歴史主義」という設計思想: 編纂者が例文を作るのではなく、実際の文献から用例を採集する徹底した客観性。
- 規模の不経済と外注トラブル: 専門家に頼んだ結果、珍しい言葉ばかりが集まり、基本的な言葉が疎かになるという皮肉。
💡 キーポイント
- 人生を賭ける仕事の尊さ: 39歳で「死ぬまでに完成させたい」という目標に出会い、迷いなく突き進む栄一氏の覚悟。
- 辞書の役割は「証拠」の提示: 意味を説明するだけでなく、「この時代にこの人が使っていた」という言語の歴史を記録するドキュメントとしての価値。
- プロジェクト管理の難しさ: 3年の準備期間と3年の用例採集を経てなお、全体像が見えないほどの膨大な作業量。
- 大学への数学(大数)との共通点: 「作問(作例)」を排し、実際の入試問題(実際の用例)のみを扱うストイックな思想との類似性。
