📝 エピソード概要
三省堂の「今年の新語2021」に便乗し、パーソナリティの二人が最近気になる新表現について言語学的な視点で語り合います。「〇〇案件」や「ギガが減る」といった日常的な言葉の変化から、SF小説の造語、さらにはカント哲学にまで及ぶ「直感」の使い分けまで、言葉の変容を面白がる姿勢を提示します。リスナーが身近な言葉の違和感を学問的な好奇心に変えられるエピソードです。
🎯 主要なトピック
- 「案件」の変容: 造語成分としての「〇〇案件」の定着や、単体で「企業案件」を指すようになった背景を分析します。
- アプリ名の動詞化: 「LINEする」は言うのに「Slackする」と言わないのはなぜか、デファクトスタンダード(事実上の標準)や語感の観点から考察します。
- 「限界〇〇」の広がり: 限界集落から派生し、境遇の厳しさを自認する「限界OL」などの表現の使われ方を深掘りします。
- 「ギガが減る」への改心: 接頭辞が独立した単位になる現象を嫌っていた堀元氏が、言語変化の特異性を認め、面白がる姿勢へと転じます。
- 「感」と「観」の使い分け: 「予算感」などのビジネス用語における表記の揺れと、直接的な表現を避けるための婉曲表現としての役割を議論します。
- 「直感」の表記問題: 感じる「直感」と観測する「直観」の違いについて、経験則や理性の介入という視点から熱く議論を交わします。
💡 キーポイント
- 言語変化への寛容さ: 語源や過去の激しい変化(「めっそうもない」の変容など)を知ることで、現代の「おかしな日本語」も相対化して楽しめるようになる。
- 「ギガ」の独立と格上げ: 本来は10の9乗を示す接頭辞に過ぎない「ギガ」が、他の分野で使われないがゆえに通信量そのものを表す単位へと変容した現象の面白さ。
- 婉曲表現としての「感」: 「予算感」のように名詞に「感」を付けることで、問いかけのトーンを和らげ、回答に幅を持たせるクッションとしての機能。
- 直感の再定義: 堀元氏は「純粋に理性を通さない判断は稀である」とし、日常的に使われる「直感」の多くは経験に裏打ちされた観測の「直観」であるという持論を展開した。

