直前まで何も決まっていなかった雑談は、なぜゲームの話に
この番外編は、収録直前まで内容が決まっていない状態で始まっています。深井さんは「ダラダラな話になると思う」と前置きしつつ、ゲームの話をしようと切り出します。
すげえ、マジの雑談やん。
深井さんは自分がそこそこのゲーマーだと話します。その一例として、ファイナルファンタジーのシナリオライターとデザイナーを出雲に案内した経験を挙げました。
デザイナーは深井さんの高校の先輩で、出雲出身の人物です。ミッドガルを描いた人だといい、その取材でゲームメディアに初めて出るほどだったと語ります。
(取材は)ファイナルファンタジーのシナリオライターの方が聞いてくれてて、コテンラジオ。
樋口さんも、ファイナルファンタジーとドラクエは人格形成に影響しているレベルでやっていたと明かします。深井さんが作った側の人と関わったことに、二人とも光栄さを感じていました。
史実に忠実なだけで面白い「キングダムカム・デリバランスII」
深井さんがいまハマっているのは「キングダムカム・デリバランスII」です。キングダムカム・デリバランス ── 中世ヨーロッパを舞台にしたオープンワールドRPG。歴史考証の細かさで知られるシリーズで、IIはその続編にあたる。
このゲームは、15世紀のヨーロッパ、特にチェコあたりの神聖ローマ帝国の範囲を、古い地図をもとに街ごと再現したものだと深井さんは説明します。
革なめし職人などの職人、畑の麦の置き方、トイレまで細かく再現されていると深井さんは話します。お腹が空くと弱くなり、筋力がないとロングソードを振り回せないなど、リアル寄りでめんどくさい作りが逆に面白いといいます。
キングダムカムデリバランス2に僕が感じているポテンシャルはやっぱりあれですね、史実に忠実なだけで面白いっていう。
深井さんは、あくまで素人の発言と断りつつ、映画やドラマを見ていて史実のままのほうが面白かったのではと思うことがあると語ります。実際に作ればつまらないのかもしれない、とも付け加えています。
樋口さんは、これは世界観にどれだけ説得力があるかという話ではないかと返します。深井さんは、史実はリアルそのものなので、これ以上精緻に作れないほど世界観が完璧だと応じました。
キャラクターシートと世界観、そして現地の言語へのこだわり
樋口さんは世界観の話として、ジョジョの奇妙な冒険の荒木飛呂彦さんの例を挙げます。荒木さんはストーリーを考えるとき、キャラクターの家族構成や幼少期のトラウマ、好きな食べ物までキャラクターシートに書き込むといいます。
(設定は)物語には九割ぐらい使わないけど、それがあるかないかによって、そのキャラクターが勝手に喋り出したり、勝手に動き出すようになっていく。
SFのように魔法や特殊能力が出てくる世界でも、その中で設定が成立しているかどうかが世界観につながる、と樋口さんは話します。深井さんは、キングダムカム・デリバランスIIも主人公以外は史実の人物なので、そこから作られたキャラクターがリアルなのだと応じました。
深井さんは、街を歩けることもこのゲームの魅力だと語ります。村のような小さいものから大きな街まであり、聖職者の演説や、処刑される理由、貴族が許される理由まで感じられるといいます。
極めつけとして、深井さんはこのゲームがチェコ語でプレイできる点を挙げます。人物の会話をチェコ語で選べることに、深井さんはすごさを感じていました。
ここから話は、映画の言語へのこだわりに移ります。深井さんは、レ・ミゼラブルを英語で歌うのが信じられないと話します。フランス革命なのに英語で歌うのはおかしいと感じてしまうといいます。
その対比として深井さんが挙げたのが、メル・ギブソン監督の「パッション」です。パッション ── メル・ギブソン監督が2004年に発表した映画。イエスの最後の時間を、アラム語やラテン語など当時に近い言語で描いたことで知られる。
(パッションは)ちゃんとイエスが喋ってた言語を使ってるんですよね。
ローマ兵はラテン語、ほかにアラム語も使われているようで、英語ではないところに深井さんはすごさを感じたと振り返ります。
オープンワールドで何をするのか、そして史実の重みが伝わる瞬間
樋口さんは、では何をするゲームなのかと尋ねます。深井さんは、クエスト型のオープンワールドで、龍が如くのようなタイプだと答えました。
深井さんは、オープンワールドを知らない人向けに説明を加えます。箱庭が用意され、その中を自由に動けること、そして箱庭が主人公と関係なく生きていることが魅力だといいます。
楊さんは、その始まりがシェンムーかグランド・セフト・オートIIIあたりではないかと推測します。深井さんも正確なところはわからないとしつつ、動物や歩く人、時間経過で人の行動が変わることをオープンワールドらしさとして挙げました。
(村人は)風呂入ってたり飯食ってたりするわけですよ。何でもできますよ。だからその村人のご飯に毒混ぜたりとか。できます。
深井さん自身は、時間がないので合間にクエストをこなすだけだといいます。昼休みに食事をしながらプレイすることもあるそうです。
印象的な例として、深井さんは町の外れに住む薬草を育てる男の話を挙げます。会話を掘り下げると、その人物が同性愛者だったことがわかるといいます。
中世キリスト社会では同性愛が禁忌だったため、彼は町から追われた存在として描かれます。深井さんは「生きているだけマシかもな」と、その状況に思いを巡らせたと語ります。
本当に当時のその時代、その場所でありそうなことが本当に行われてるんやな。
戦争のシーンもあり、大砲も登場すると深井さんはいいます。予算を持たない貴族が多いため、持ち込む大砲が1個だけといった描写が、当時の規模感を伝えてくれると話しました。
(貴族は)お金も大して持ってなくて、この一個(の大砲)で趨勢決まるみたいな感じだったんだろうな。
クリエイターへのリスペクトと、ゲームでしか味わえない体験
樋口さんは、フィリピンとインドネシアで体を壊した深井さんが、ゲームの中で旅行しているのではないかと話します。深井さんも、これは安全だと応じました。
深井さんは、こうしたゲームを遊ぶたびに、よく作ったなというクリエイターへのリスペクトを感じるといいます。
映画と同じストーリーだったとして、ゲーム体験じゃないと感じさせられないこととかあるわけですよ。それをちゃんとやってきてるなとか。
話はインディーズゲームにも広がります。深井さんが一番すごいと感じたのは、偶然にも名前が同じ「キングダム」というゲームでした。
正確には「Kingdom Two Crowns」で、横スクロールのタワーディフェンスだと深井さんは説明します。タワーディフェンス ── 拠点を守りながら攻めてくる敵を防ぐタイプのゲームのこと。
このゲームは、左右の十字キーと1つのアクションボタンしか使わないというコンセプトで作られています。深井さんは、その制約の中でここまで遊べることと、音楽の美しさに驚いたといいます。
音楽こんな美しくて、美しさに浸りたいというだけでゲームってできるんだなと思って。すげえなと思って。
「レッド・デッド・リデンプション2」の再現度と、犯罪が楽しい先にあるもの
話題は楊さんがハマっているゲームに移ります。楊さんは、深井さんに勧められた「レッド・デッド・リデンプション2」と「アサシンクリード オデッセイ」をプレイしていると話します。
(レッド・デッド・リデンプション2は)もういろんな犯罪行為やるのが楽しくて全然進まない。
深井さんは、このゲームの再現度の高さを、馬の睾丸が暑いと伸び、寒いと縮むレベルだと表現します。楊さんも、これで深井さんが言う再現度の粒度感がわかったと応じました。
(レッド・デッド・リデンプション2は)映画的な演出が入ってない感じがすごく説得力があったね。
深井さんは、開拓時代のアメリカでキャンプを張る感覚が体験できる点を挙げます。いまのアメリカでは道路脇での野営はできず、キャンプカーやモーテルになるが、当時は野営地で無法者がいた、と対比します。
さらに深井さんは、楊さんが犯罪を楽しいと感じているその感覚を利用して、ストーリーが恐ろしい方向に展開していくと予告します。ただし楊さんは犯罪を犯しすぎて指名手配されており、深井さんは珍しいプレイヤーかもしれないと笑いました。
樋口さんが息子と遊ぶ「ドラクエ3」、初めてのホイミに感動する子ども
樋口さんも、いま本気でやっているゲームを発表します。それはスイッチのリメイク版「ドラゴンクエストIII」でした。ドラゴンクエストIII ── 1988年に発売されたRPGの名作。2024年11月にHD-2Dでリメイク版が発売された。
このソフトは、樋口さんの相方である青柳鷹也さんから誕生日プレゼントとしてもらったものです。息子とロールプレイングができる年齢になったから一緒にやったら、と勧められたといいます。
樋口さんは、家族4人の名前をキャラクターにつけてプレイしています。主人公はトラ、息子の唯太さんの職業は盗賊にしたそうです。
(唯太は)あいつもうほんと可愛いだけで人の心を盗むから。気づいたら薬草盗んだりしてるんですよ、モンスターから。
樋口さんにとっては懐かしい体験ですが、息子の虎之助さんにとっては初めての体験です。レベルアップやホイミという回復魔法に、いちいち感動しているといいます。
(虎之助は)「え、これパワー回復できるのめっちゃ便利やん」みたいな感じで、いちいち全部感動してるんですよ。
樋口さんは、ホイミ1つで感動できなくなった自分に気づき、大人になってしまったと感じたと語ります。
楊さんは、ゲームが1、2か月と続くものである点に触れ、その間ずっと息子と体験を共有できることをエモいと表現しました。
ボードゲームからテキサスホールデム、3Dプリンターまで広がる遊び
遊びの話はゲーム機の外にも広がります。樋口さんと深井さんは、わざわざ京都まで行ってボードゲームをすることもあると話します。
ここで登場するのが、樋口さんの知人である太陽さんとその奥さんの千尋さんです。千尋さんは本気のゲームマスターという職業で、企業向けのボードゲーム研修施設も八ヶ岳に作っているといいます。
深井さんの会社では、ボードゲームに興味があるチームと千尋さんが共同でボードゲームを作っているそうです。深井さんは、過去に何度も体調不良で会う機会をドタキャンしていたと明かします。
ついに太陽さん夫婦が会いに来てくれて、社内のメンバーと夜遅くまでボードゲームで盛り上がったと深井さんは振り返ります。音楽を流し、感覚が合ったら勝ちというゲームなど、初めてのタイプを楽しんだといいます。
メンバーの一人が持ってきた、テキサスホールデムの変形版も面白かったと深井さんは話します。すると樋口さんは、いま長男とテキサスホールデムをやっていると明かしました。
(長男とは)子供に合わせるんじゃなくて、僕も楽しいし、子供も楽しいことをいかに一緒にやれるかっていうのを考えてる感じなんですよ。
樋口さんは最近3Dプリンターでも遊んでいるといいます。深井さんも興味を示し、初動を教えてほしいと頼みました。
深井さんの趣味は、オリジナルの指輪づくりです。市販ではかっこいいと思えるドクロの指輪が見つからず、自分で作り始めたと語ります。
樋口さんは、3Dプリンターで試作品を作り、気に入ったものを金属で業者に発注できると説明します。DMM.makeならチタンも可能ではないかと具体例を挙げました。
遊びを中心に人生を設計し直す、という着地
最後は、遊びをどう人生に取り戻すかという話に着地します。深井さんは、忙しい中でも遊びを中心とした人生を設計し直そうと語ります。
樋口さんは、遊ぶというスケジュールを入れないと優先順位が下がってしまうと話します。深井さんは、四川省の道端で麻雀をやる人のように、場所があって自然と集まるような世界観で生きたいといいます。
四川省の道端で麻雀やってる人みたいな感じで、場所があって、自然とそこに行くのが当たり前で、行ってやるとか。
ただし3人の住まいは意外と離れており、歩いて行ける距離ではないと確認し合います。それでも車はあるので、集まって遊ぶスケジュールを入れようと約束しました。
テキサスホールデムが苦手だという深井さんに、樋口さんはちょうどいいと誘います。息子はガチでプレイし、ブラフをかけて親相手でも本気で勝ちに来ると聞き、深井さんも体験してみたいと応じました。
まとめ
事前に決まっていなかったゲーム雑談は、史実の再現度が持つ面白さから、子どもと遊ぶ喜び、そして遊びを人生の中心に置き直したいという願いへと自然につながっていきました。
- 深井さんは「キングダムカム・デリバランスII」に、史実に忠実なだけで面白いというポテンシャルを感じている
- キャラクターや街の設定が成立していることが、ゲームの世界観の説得力を生む
- 映画やゲームで現地の言語を使うことに、深井さんは強いこだわりを持っている
- 樋口さんは息子と「ドラクエ3」やテキサスホールデムを、子どもに合わせるのではなく一緒に楽しむ形で遊んでいる
- 忙しい中でも、遊ぶスケジュールをあえて入れて遊びを中心に人生を設計し直したいという思いが語られた





