40歳で直したい「怒りっぽさ」という悩み
番外編の冒頭、樋口聖典が林間編の収録と打ち上げの後で疲れているなか、深井龍之介が最近悩んでいることを切り出します。
深井が挙げたのは「怒りっぽい」という自分の特性でした。今年で40歳になるため、40代で絶対に解決したいと話します。
もうこれ僕、今年で40歳なんで、40代で絶対解決しようと思ってるんですけど、怒りっぽい。
樋口はそれを「深井さんの特性じゃないですか」「元々そうですよね」と受けます。深井本人も元々そうだと認めつつ、リスナーの中には深井を冷静な人だと思っている人もいるはずだと指摘します。
深井が困っているのは、正当な理由で怒るタイプの怒りではありません。「こんなことで怒るなよ、いい年して」と自分でも思うようなことで、つい怒ってしまう点だと説明します。
本当になんか、こんなことで怒るなよ、いい年してって思うことで怒っちゃうんですよね。
具体例として深井が挙げたのは、子供が何度も同じことをするときの反応です。ダメだと言ってもやめないと、イライラして声が大きくなってしまい、あとで自己嫌悪になると打ち明けます。
自分を「人間一回目」と笑う深井の自己分析
樋口から「キレポイントは何か」と問われても、深井はまだちゃんと分かっていないと答えます。あまりにしょうもなくて、自分でも直視したくないから分析もしたくないのだと言います。
そのうえで深井は、自分の情けなさを仏教の輪廻転生になぞらえて笑い飛ばします。
ほら、あの仏教の輪廻転生ってあるじゃん。絶対一回目。俺。人間一年生みたいな。人間としてしょうもないところがありすぎる。
深井は、会社では立派なことをすると決め込んでやっているから立派だと思う一方、コテンでの自分はしょうもないと語ります。ただ、しょうもなさを自覚できている点は偉いと自分で評価します。
情報が共有されないと怒る樋口の「嘘嫌い」
話題は樋口自身のキレポイントに移ります。樋口は、情報が共有されない状況にとても腹が立つと話します。
そこから樋口は、自分がなぜ嘘を絶対に許せないのかにつながると気づきます。嘘が死ぬほど嫌いなのだと言います。
情報が共有されないっていう状況に対してバリバリに腹立つ。
俺もう嘘が死ぬほど嫌いなんですよ。
深井もこれに共感し、自分も嘘が嫌いで、一緒に働く仲間には作為的なことをしすぎないでほしいと話します。ただし、それは深井が今悩んでいる「そんなことで怒るなよ」という怒りとは別物だと区別します。
樋口はほとんどのキレる理由が情報の共有のされなさに集約されると語り、それを「不誠実」と表現します。深井は、不誠実に怒るのは当たり前で、自分の怒りはもっと生物的なものだと返します。
タクシーで返事がないとイライラする理由
深井は、自分の「しょうもない怒り」の具体例としてタクシーでの体験を挙げます。行き先を伝えても返事をしない運転手に、普通にイライラしてしまうと言います。
返事しろやって思う。それはマナーがなってないとかじゃなくて、(自分の言葉が)伝わってるかどうかわかんないじゃんみたいな感覚でイライラするんですよね。
楊睿之は、深井は昔から自分の意思の伝わり方の精度や純度をとても気にすると指摘します。ラジオ初期からその傾向があったと振り返ります。
深井は、タクシーの件については「仕事として返事しないのはすごくないか」という感覚に近いと補足します。運転手をサービス業だと捉えている自分と、そう捉えていないであろう運転手のずれがイライラの元だと分析します。
二度と会わない相手なので放っておけばいいと頭では分かっているのに、数年直せない自分を深井は「だいぶしょうもない」と評します。マウントや自己顕示欲はほぼないのに、ここだけはしょうもないと繰り返します。
無視を許さない樋口、子供への怒りと自己嫌悪
深井は、子供に対して声を荒げてしまうことも良くないと感じていると話します。荒げたくないのに荒げてしまい、嫌になると言います。
樋口も虎之助に対しては普通に怒ると認めます。そのなかで一番怒るのは「無視するな」という点だと語ります。
(虎之助に)無視だけは絶対にするなって言ってて。それが一番怒るかも。
樋口は、これも情報の共有のされなさに対する怒りだと自己分析します。コミュニケーション不全が嫌なのだと言います。
わからんならわからんって言わないけんし、わかったらわかったって言いなさいっていうのをずっと言ってる感じですね。コミュニケーション不全が嫌なんですよ。
深井も、本音同士でちゃんと言い合いたいという欲求が強いと共感します。ただ、その怒りの背景には過去の自分が人に向き合っていなかったことがあると気づきます。
「自分が頑張ってること」を人に許せない怒り
深井は、かつて人に向き合っていなかったからこそ、向き合うようになった今のイライラがあるのではないかと語ります。本当は無視したいのに努力して向き合っているという感覚です。
そこから深井は、人は自分が頑張っていることを他人に許せないのではないかという見立てを示します。
俺こんなに頑張ってんのに、なんでお前は頑張んないんだよっていう感じで、(相手に)向き合ってくれよって思っちゃうっていうのはあるね。
この見立ては、タクシーの件にもつながります。深井は、自分がリアクションや返事を頑張っているからこそ、返事をしない相手にイライラするのだと納得します。
本当は俺も無視するタイプだもん。全然無視するわ。
樋口も、自分が正直にやっているからこそ嘘をつく相手が許せないのだと重ねます。深井は、自分は本来リアクションが下手で、相手に返す重要性に気づいたのが20歳以降だったと明かします。
深井にとってリアクションは大きなエネルギーを使う行為であり、意識的に返しているからこそ、返さない相手に「しろや」と思ってしまうのだと結論づけます。
我慢する楊、自己完結する3人のドライさ
深井が社内の話に触れると、楊睿之が自分のタイプを語ります。楊は、不快感やストレスへの初期反応が常に「我慢」に働くと言います。
自責したり、距離を取ったり、交渉から逃げたりする方向になるという楊に、深井は「全く逆だ」と驚きます。深井はすぐ怒るタイプだからです。
不快感とかストレスとかに対する初期反応が我慢。そして、その自責みたいなさ。
キレるとどうなるか問われた楊は、大声を出すことはあるが、その前に距離を取ると話します。飾らずに近距離でコミュニケーションを取れる関係は自分には少ないとも語ります。
話は3人に共通する「人への興味の薄さ」に広がります。深井は、友達を「困った時に無条件で助けるかどうか」で定義していると明かします。
深井は、その定義を持つのは本来人に興味がないからだと分析します。後天的に学んだ関係の作り方を、決めごととして実行しているだけだと言います。
デフォルトは何もしないタイプだなと思ってて。
楊もこれに同意し、コロナ禍で半年間ほとんど誰とも喋らなくてもメンタルに影響がなかったほど自己完結していると語ります。深井にとってはそれは難しいと返しつつ、根底のドライさは共通していることが浮かび上がります。
「生きるのがめんどくさい」という感覚
楊がポッドキャストを続ける理由を語る場面で、話は「生きること」そのものに及びます。楊は、社会とつながるために必要最低限のことを義務としてやっている感覚だと言います。
深井はそれを受けて、自分は生きること自体がめんどくさいと漏らします。
もうそれで言ったらもう俺、生きるのめんどいもん。
樋口は、深井以外にも「生きる屍」と常に言う人が身近にいると話します。深井は生きる屍とまでは思っていないとしつつ、死にたいわけでもないが生きるのがめんどくさいという感覚を説明します。
楽しいかどうかとは関係なくその感覚があると深井は言います。ポッドキャストや起業などいろいろやりながら、止まれずやっているだけで「めんどくせーな人生」だと語ります。
深井は、リスナーの中にも同じ感覚の人がいるはずだと話します。生きるけれど「しょうがない感がある」という消去法的な感覚を共有します。
怒りの正体は少し見えた、でも解決はこれから
雑談が脱線したあと、深井は改めて「怒りたくないからどうしたらいいか」という悩みに戻します。
樋口の答えはシンプルで、怒るのは変わらないが、なぜ怒るかを自分で認識すれば自然と変わるというものでした。深井も、この回のやり取りで少しは見えてきたと感じます。
深井は、しょうもないことで怒っているおっさんにはなりたくないのに、もうなっていると自嘲します。しょうもないと3年ほど思い続けているが直らないと言います。
樋口は、3年ではまだ足りず、あと1年ほどで変わるのではないかと軽く励まします。1年後にまたこの話を録って振り返ろうという流れになります。
最後に深井は、心穏やかに過ごしたいがそうもいかない時もあると受け入れます。樋口も「めんどくさいけど、生きていきましょう」と締めくくります。
めんどくさいですけど、生きていきましょうよ。めんどくさいけど。
まとめ
40歳を前にした深井龍之介の「怒りっぽさをなんとかしたい」という相談から、3人それぞれの怒り方や人との距離感、生きることへの感覚までが率直に語られた雑談回でした。
- 深井の怒りは正当な理由からではなく、「そんなことで怒るなよ」と自分でも思う場面で起きる
- 樋口のキレポイントは「情報が共有されない」ことで、嘘嫌いもそこにつながる
- 深井は、自分が頑張って向き合っているからこそ、向き合わない相手にイライラすると気づく
- 楊は不快感への初期反応が「我慢」で、3人に共通するのは人への興味の薄さと自己完結性
- 怒りの正体は少し見えたが解決はこれからで、1年後に振り返ろうという結論になった





