📝 エピソード概要
本エピソードでは、ニコラ・テスラ率いる交流派とエジソン率いる直流派の「電流戦争」が激化します。テスラは交流モーターだけでなく、発電・変圧・送電を含む総合的な交流システムを設計し、その優位性を証明。実業家ウェスティングハウスとの強力なパートナーシップを築き、交流の実用化を進めます。
一方、エジソンは危険性を強調するネガティブキャンペーン(動物実験、電気椅子)を展開し、泥沼の規格争いに発展。最終的に、ウェスティングハウス社の財政危機に直面したテスラが、交流システムの普及という大義のために、巨額の特許契約を破棄するという劇的な決断を下し、歴史の転換点を作ったドラマが語られます。
🎯 主要なトピック
- 交流システム(フルセット)の理論完成: テスラは交流モーターに加え、発電機、変圧器を含む交流システム全体を設計し、その特許を取得。長距離送電と柔軟な電圧調整を可能にする現代の電力システムの基本概念を確立しました。
- 多相交流の概念確立: 二相交流にとどまらず、三相交流を含む多相交流(複数の交流の位相をずらして使う方式)の理論的基盤を構築。後の世界標準となる三相交流の道筋をつけました。
- 学会での伝説的な講演: テスラはニューヨークで行われた講演会で、自身の交流システムの理論と応用について簡潔に論じ、電気工学界のスターとして認められ、一躍注目を集めました。
- ウェスティングハウスとの提携: テスラのビジョンに共感した実業家ジョージ・ウェスティングハウスがテスラに高額な特許料を払い、交流システムの実用化と商業化に向けたパートナーシップを開始しました。
- エジソンのネガティブキャンペーン: 直流派のエジソンは、交流の危険性を訴えるため、動物を使った残酷な感電死デモや、死刑に使う電気椅子に交流発電機を採用させるなど、なりふり構わない手段で攻撃を仕掛けました。
- テスラの過激なデモンストレーション: テスラは反撃として、自らの体に100万ボルトの高周波交流電流を流し、交流が安全に制御可能であることを証明。これにより「電気の魔術師」と呼ばれました。
- テスラによる契約書の破棄: ウェスティングハウス社が財政危機に瀕した際、テスラは会社の存続と交流システムの普及を優先し、自身に巨額の富をもたらすはずだった特許契約書を破り捨てました。
💡 キーポイント
- テスラが設計した交流システムは、長距離送電、効率的な変圧、高い送電効率(直流の何千倍)により、エジソンの直流システムを技術的に遥かに凌駕していました。
- 発明家テスラと、技術を理解する経営者ウェスティングハウスという強力なパートナーシップの成立が、交流システムの実用化を決定づけました。
- エジソンは「交流は危険」というイメージを広めるため、処刑手段である電気椅子に交流電源を使用させ、「ウェスティングハウスする」という言葉を流行らせようとしました。
- テスラがウェスティングハウスとの特許契約を放棄した「男気」ある行動は、交流システムの社会実装を加速させるという大義につながりましたが、結果的にテスラ自身のその後の慢性的な資金難と、他の発明が世に出ない要因となりました。
- テスラは晩年までウェスティングハウスへの感謝を忘れず、「彼は偏見や財力との戦いに勝利し、交流システムを採用した地球上で唯一の人間」であったと讃えています。

