📝 エピソード概要
本エピソードでは、「項羽と劉邦」の直接対決が幕を開け、緒戦の彭城の戦いで劉邦軍が大敗し、項羽の圧倒的な軍事力が示されます。劉邦が命からがら逃走する一方、別働隊の韓信は「背水の陣」などの奇策で連戦連勝し、戦局の鍵を握る存在となります。劉邦陣営は謀略を駆使し、項羽の唯一のブレインであった范増を離間させて排除。複雑化する戦局の中、劉邦は窮地を脱出し、最終決戦へと向かうための布陣を固めていきます。
🎯 主要なトピック
- 彭城の戦いと劉邦の敗走: 劉邦率いる連合軍は項羽の留守中に首都・彭城を陥落させるが、勝利に驕り酒宴に明け暮れる。帰還した項羽の精鋭3万人の奇襲により総崩れとなり、劉邦は子供さえも馬車から蹴落とすほどの必死さで逃亡した。
- 韓信の「背水の陣」: 劣勢だった韓信は、兵法で最悪とされる「背水の陣」を敷き、趙軍を撃破。これは練度の低い兵士に死に物狂いで戦わせるだけでなく、敵に油断を生じさせ、ブラフ(欺瞞)を用いて城を占拠するという高度な奇策であった。
- 離間の計による范増の排除: 籠城戦で窮地に陥った劉邦は、陳平の進言に基づき、項羽のブレインである范増に離間の計を仕掛ける。これにより項羽は范増を疑い権限を取り上げ、范増は「好自為之」(あとは勝手にやれ)と言い残し、憤死する。
- 紀信の犠牲と劉邦の脱出: 滎陽で包囲された劉邦は、将軍紀信を身代わりとして降伏に見せかけ、その隙に脱出。劉邦に欺かれた項羽は怒り、紀信を焼き殺したが、劉邦は命拾いする。
- 韓信の斉王就任: 韓信は次々と周辺国を制圧し、その功績の高さから自ら斉王の地位を要求。劉邦は不満を抱きながらも、現状の不利を鑑みやむなく韓信を斉王として独立的な勢力とすることを認めた。
💡 キーポイント
- 項羽は圧倒的な軍事力を持ちながらも、配下からの信頼維持や謀略への対応が甘く、組織ガバナンスの課題が浮き彫りとなった。
- 劉邦が命がけで逃走する際に、部下夏侯嬰が何度も蹴り落とされた劉邦の子供を拾い上げるなど、極限状態での忠誠心が強調された。
- 韓信は項羽からの「天下三分」の誘いを、劉邦が自分に良くしてくれたという「個人的な恩義」を理由に拒否。彼の判断基準が義理人情に基づくものであったため、劉邦にはその予測不可能性が恐怖として映った。
- 陳平による離間の計は、戦場での直接戦闘ではなく、謀略によって敵の組織中枢を崩壊させるという、劉邦陣営の得意とする非対称戦力の有効性を示した。

