📝 エピソード概要
本エピソードでは、深井氏が提唱する「ポスト資本主義経営」の仮説が解説されます。これは、従来の短期的な利益追求(財務価値)に加え、社会に希望やポジティブな影響を連鎖させる「意味価値」を重要視し、両方の価値を最大化する経営を目指す理論です。
コテンラジオの活動を例に、財務価値の短期的な最大化を避け、中長期的な「意味価値のレバレッジ」を追求する戦略の合理性が語られます。また、仏教思想から援用された「他者に分かちうるリソース(余剰)」を企業が定義し、他者貢献へ振り分ける意思決定が、真の豊かさ(ウェルビーイング)につながると示唆されています。
🎯 主要なトピック
- ポスト資本主義経営の仮説: 現在研究中の次世代経営理論について、その核となる概念を初期段階で共有。従来の資本主義的な経営へのアンチテーゼとして提案。
- 「意味価値」と「財務価値」の定義: 経営上の価値を、定量的な「財務価値」と、個人の認知にプラスの意味をもたらす「意味価値」の二つに分け、両方が掛け算的に影響(レバレッジ)を及ぼすことを説明。
- コテンラジオにおける意味価値の実践: コテンラジオが有料化せず贈与的経済(寄付モデル)で成り立つ実績を出すことは、人文知の重要性や新しい経済モデルの可能性を証明する「意味価値のレバレッジ」であると解説。
- 財務価値偏重のリスク: 財務価値のみを最大化し、意味価値を著しく毀損(絶望を与える)する行為は、掛け算でマイナスとなり、中長期的な合理性がないと警鐘を鳴らす。
- 豊かさの定義と「余剰」概念の導入: 仏教思想から「豊かさ=余剰」を定義し、企業が利益を再生産に必要な分と「他者に分かちうるリソース」に分ける意思決定を行うべきだと提唱。
💡 キーポイント
- 財務価値と意味価値はどちらもレバレッジが効くため、両方を最大化するバランスの取れた経営が、次世代において最も賢明な戦略となる。
- 短期的な利益のみを追求し、意味価値のレバレッジを捨てる行為は、中長期的な視点で見ると極めてリスクが高い(中長期合理性がない)。
- 豊かさとは、金銭の多寡ではなく「自分のために使うことが決まっていないリソース(余剰)」をどれだけ持っているか、つまり他者に分かちうるリソースの量で測られるべきである。
- 組織が「他者に分かちうるリソース」を定義し、それを社会貢献に活用することは、人間の相互扶助の本能に根ざしており、組織のウェルビーイング向上にもつながる。
- 現代の技術革新のスピードを鑑みると、古い慣習である利益追求に固執せず、新しい経営理論を追求することが最もリスクの低い選択肢となる。
