現役ドライバーを捕まえて始まった新番組
新番組「タクシーのウラ事情」の第1回が始まりました。パーソナリティのよどさんとあまさんが、現役タクシードライバーのたかさんに業界の裏側を聞いていく番組です。
企画のきっかけは、たかさんから事前に少し話を聞いたら、思った以上に面白かったことでした。
これはちょっとポッドキャストにするしかないなということで、2週間前に、たまたま会った時にポッドキャストやろうということで、今回初回の録音しております。
タクシー自体は誰もが街で見かけますが、ドライバーの知り合いがいる人は意外と少ない、という話から会話が始まります。
タクシーは見(かけ)るし、タクシードライバーもおんねんけど、知り合いでいるかって言ったらいない。
たかさんによると、東京の人口規模から見るとドライバーの数はかなり少ないといいます。番組内では東京都の人口を全員うろ覚えで、やり取りは終始ぐだぐだでした。
もう少しいるとは思うんですけども、まあでもほんと少ないですよ。でもやっぱり東京の人口で考えたら少ないですね。
タクシードライバーになるのに必要なのは「根性」
第1回のテーマは「タクシードライバーとは」。よどさんが、自分たちがいきなり始められるものなのかを尋ねます。
未経験の自分やあまさんが「タクシードライバー始めます」と言ってできるものなのか?
たかさんの答えは、資格よりもまず根性、というものでした。資格は複数必要ですが、そこでつまずく人は多くなく、序の口だといいます。
まあ根性があればできるかなとは思いますね。
え、根性論なの?
この令和の時代にこれ語るのもどうかなと思うんですけども、割と根性論だと思います。
ここで言う根性は、徹夜や飛び込み営業のような根性とは違います。建物やランドマーク、道を覚えていく根性のことでした。
ナビがあっても道を覚えないといけない理由
ナビが発達した今、なぜ道を覚える必要があるのか。あまさんの素朴な疑問に、たかさんはナビの使い勝手の悪さを挙げます。
大きな建物にナビをセットしても、タクシーが入れる入り口までは案内してくれないといいます。
例えば病院とかも、昼間だったらここのエントランスに止めるけども、夜間だったらこの救急車の専用入り口の奥に止めるとか、そういったケースバイケースで場所が変わってくる。
時間帯によって止める場所が変わるようなことは、ナビは案内してくれません。だからこそ自分の知識が問われる、とたかさんは話します。
無茶な要求に耐える接客の根性と、新人・ベテランの差
根性が必要なのは道だけではありません。たかさんは接客する中での根性も挙げます。夜勤では酒に酔った客が絡んでくることもあるといいます。
昼のビジネス利用でも、時間がないために無茶な要求をされることがあると話します。
「次のアポまでもうあと何分しかないから何分で行ってください」だとか。
そんなとき、たかさんは空いている道を考えます。走ってきた中で混んでいた道を避け、一本隣の道を選ぶといった判断です。
一方で新人ドライバーは、ナビ通りに行った結果、所要時間より遅れて客に怒られてしまうことも珍しくないといいます。こうした場面に耐える根性が必要だと話します。
では新人とベテランで、到着時間はどれくらい変わるのか。あまさんが具体的な差を尋ねます。
車を15分ぐらい走らせたとして、信号2、3個分、そのサイクルで言ったら、多分2、3回分は差が出る場合もある。
同じ15分の移動でも、信号のサイクル2、3回分の差が出るという話に、あまさんも驚いていました。
配車アプリで「優良ドライバー」は選べるのか
ベテランのほうが早いなら、乗る側は運転手を選べるのか。あまさんが配車アプリについて尋ねます。
たかさんは法人タクシーで働いており、会社が導入しているのはGoのアプリだといいます。そこには「優良乗務員」を選べる指定があると話します。
そこには「優良乗務員」っていう指定があって、会社の中でと、お客様の評価でっていう、2つの設定されたドライバーを選ぶっていうのが一応できる。
たかさんは実は日本に住んでおらず、ここから東南アジアの配車アプリGrabの話に移ります。Grabにも評価の高いドライバーが当たりやすい「カープラス」があるといいます。
プラスにしても、ベトナムの場合あんま変わらないけどね。日本ほど、めっちゃちゃんとしてるかって言われると、そうでもないかな。
Grabではドライバー側にもルートが表示されますが、その道順が最適でないこともあるとたかさんは話します。
でも、その道順が終わってたりするんですよ。なんか、絶対こっちじゃないやろみたいな。
個人タクシーと法人タクシー、どっちが当たりか
アプリでは選べるとして、街で捕まえる場合はどうか。あまさんが、いい道を選んでくれそうなドライバーを見分ける基準を尋ねます。
たかさんは、法人タクシーでは難しいと答えます。ドライバーの熟練度も、その人がそのエリアを普段走っているかも、外からはわからないためです。
遠方からの帰りに乗せた場合、運転は熟練していても、そのエリアの道には不慣れということもあるといいます。
一方、個人タクシーは得意なエリアでしか仕事をしない人が多い、とたかさんは指摘します。
あまさんは、これまで個人タクシーに少しネガティブな印象を持っていたと打ち明けます。会社という後ろ盾がある法人のほうが安心だと思っていたのです。
たかさんによると、個人タクシーは個人事業主なので、何かやらかしたときの後ろ盾があまりありません。そのため大きなことをしない方向に向かうといいます。
個人タクシーのドライバーってあんまり大きなことやらかさないような方向性に行くんですよ。
不得意なエリアで苦情をもらうことも避ける傾向にあるため、結果的にその道のプロに当たりやすい、というのがたかさんの見立てです。
会社という後ろ盾があり安心感がある。ただし乗務員の熟練度や、そのエリアの道に詳しいかは外からわかりにくい。
個人事業主で後ろ盾が少ないぶん大きなことをしない傾向。得意なエリアでしか働かない人が多く、道のプロに当たりやすい。
アプリで呼ぶか、流しで拾うか
都内の混んだ道や細い道では、配車アプリと流しのタクシー、どちらがいいのか。あまさんが早さの観点で尋ねます。
たかさんは、配車アプリには保険的な要素があると説明します。待ってもタクシーが来ないとき、アプリなら確実に自分のところへ来てくれるからです。
配車アプリを使えば確実に自分の元に来てくれるっていう、ある意味保険になるんですよね。
流しなら、いつか来るタクシーを待つことになります。どれだけ待てるかが、アプリを使わないメリットだとたかさんは言います。
さらに、流しでは次に来るのが企業のタクシーか個人タクシーかを選べません。狙って個人タクシーに乗ろうとしても、運任せになります。
まあ「それって運ゲーじゃね?」って思う。
結局、待ち時間が長ければ、最初に来たタクシーに乗ったほうが早かったということもあり得ます。そこまでこだわる客は多くない、というのがたかさんの印象です。
この「トータル時間で見る」という視点は、聞き手のあまさんが会話の中で言語化したものでした。早く着くかどうかは、待ち時間と移動時間の合計で考えるべきだという整理です。
「この道でいいですか?」と聞かれる本当の理由
話は、乗ったときに聞かれる「この道でいいですか?」に移ります。たかさんが客から感謝されるのは、乗ってすぐより降りる間際が多いといいます。
その理由は、行き先を聞き、ルートを提示し、客の要望を反映するやり取りを通じて、初めて信頼が生まれるからです。
あまさんは、車をあまり運転しない客の立場から、「この道でいいですか?」と聞かれても正直わからない、と本音をこぼします。
「この道でいいですか?」って言われても、ぶっちゃけわからんってなるね。
たかさんが道を確認するのは、客の要望がどれなのかドライバー側にはわからないからでした。時間優先の人もいれば、料金優先の人もいます。
そこで保険の意味も兼ねて確認します。「この道でいいですか?」は、基本的に一番安くなる道を提示しているのだといいます。
さらに、客が抜け道を知っている可能性もあります。だから「知っていれば教えてください」という意味も込めて聞いているのでした。
早く着く=安い、ではない理由
最後に、あまさんが以前から抱いていた疑問をぶつけます。早く着けば料金も安くなるのではないか、という素朴な問いです。
タクシーは早く着いたら、そのぶん安くなるのではないのか?
たかさんの答えは、かなりの割合でイコールではない、というものでした。
結構な割合でノットイコールですね。
都心は信号が多く、いかに信号に捕まらないかが早さを左右します。その最上位が首都高速を使うルートです。
たかさんは、渋谷から銀座を例に挙げます。一般道の安いルートに対し、高速に乗ると距離が伸びて迂回になることが多いといいます。
タクシーの料金は走るほど上がります。高速なら早く着いても、距離と高速料金で高くなるのです。
信号を避けたい
都心は信号が多く、捕まらないほど早く着く。その最上位が首都高速を使うルート。
迂回になりやすい
高速に乗ると距離が伸び、遠回りになるケースが多い。
距離で料金が上がる
タクシー料金は走るほど加算され、さらに高速料金もかかる。
早い≠安い
結果として、早く着いても料金は高くなることがある。
まとめ
第1回は「タクシードライバーとは」をテーマに、なり方から乗り方までを現役ドライバーのたかさんに聞きました。乗る側の常識が少し変わる回になりました。
- タクシードライバーに必要なのは、資格より道と接客を覚える「根性」だとたかさんは語る
- ナビが発達しても、入り口や時間帯で変わる止め場所などは自分の知識が問われる
- 得意エリアでしか働かない傾向のある個人タクシーは、道のプロに当たりやすい
- 「この道でいいですか?」は、客の要望がわからないため一番安い道を提示して確認している
- 都心では早く着く高速ルートが迂回になりやすく、早い=安いとは限らない

