自信は「つく」ものではなく「育てる」もの
冒頭は、岡島さんのジム通いが継続しているという近況から始まります。土曜は用事で休んだものの、火曜と木曜は「火曜と木曜だから」という理由で何も考えずに通えたと話します。
そうですね。ちょっと土曜だけ用事あって止まっちゃったんですけど、その後、火曜と木曜は火曜と木曜だからという理由で、何も考えずにちゃんと通えました。
アホになっていっていいんですよ、どんどん。
玉置さんは、こうして続いていることを褒めてもらうのはとても大事だと言います。そこから今回のテーマである「自信」の話へと移っていきます。
玉置さんによると、日本語では「自信をつける」と言うため、自信は自然につくものだという誤解があると指摘します。
なんか自信って自然につくものだっていう誤解があると思うんですよね。
玉置さんの整理では、自信のマイナスは自動で、プラスは手動だと言います。遅刻をしたときなどに「自分はダメだ」と無意識に思ってしまうように、削られる方は勝手に進むという指摘です。
あの自信のマイナスは自動なんですけど、あのプラスは私は手動だと思ってるんですね。
だからこそ、「自信をつける」ではなく「自信を育てる」と言った方がいい、というのがこの回の核になる主張です。育てると言われると、自分でやっている感覚が持てるからです。
自己肯定感と自己効力感、育てやすいのはどっち?
玉置さんは、自信の中身を自己肯定感と自己効力感の2つに分けて説明します。自己肯定感は、存在するだけで尊い、生きてるだけで100点満点と思える気持ちだと言います。
一方の自己効力感は、この状況で必要な行動を取ってうまくやれる、という感覚です。岡島さんは、自己肯定感は何もしなくても自分が好き、自己効力感は好きかどうかを置いといて自分はできると思える、と整理します。
存在するだけで尊い、生きてるだけで100点満点と思える気持ち。何もしていなくても自分が好きという感覚。
この状況で必要な行動を取ってうまくやれるという感覚。好きかどうかを置いて、自分はできると思える。
玉置さんは、この2つが備わっていると自信がある状態だと考えていますが、専門家ではないので体感的な整理だと断ります。そのうえで、自分で育てやすいのは自己効力感の方だと話します。
育てやすいのは自己効力感で、その、いわゆるその成功体験で育っていくみたいな風に言われるやつですよ。
ただし「成功体験で育つ」という言い方は乱暴だとも言います。「成功」という言葉には強い圧があり、毎日成功できるようなイメージにはならないからです。
成功っていうこの字のなんか圧。
玉置さんは、どれだけうまくいっても「毎日成功している」という感覚は得られにくいと指摘します。すると、まだ成功していないからダメだ、としか思えなくなってしまいます。
岡島さんは、これを鶏が先か卵が先かの話にたとえます。できないから成功できない、成功できないからできないと思ってしまう、という悪循環になりそうだと応じます。
なぜ素晴らしい人ほど自信がないのか
玉置さんは、周りに「これだけ素晴らしいのになぜ自信がないのか」と思う人がいないかと問いかけます。岡島さんも、そういう人は結構いてびっくりすると答えます。
玉置さんの見立てでは、そうした人はあるべき自分に比べて本当の自分が足りていないと感じているのだと言います。だから、どこまで行ってもできないところに目が向いてしまいます。
あるべき自分に比べて本当の自分は足りていないっていう感覚だと思うんですよね。
あるべき自分の姿を持つこと自体は、成長のためにいいことだと玉置さんは認めます。問題は、そのあるべき自分が本当に望んでいる姿かどうかだと言います。
玉置さんは、自信がない人には子供の頃からいい子だった人が多いと話します。親や先生の「こうあるべき」という姿に近づく努力をして成果を上げてきた人です。
そうした人は、本当に自分がありたい姿を形成する前に、親や教師、周りから言われたものを材料にあるべき像を作ってしまっているケースが多いと言います。
いい大学に入った、いいところに就職できたという外的評価は得られていても、本当の自己効力感が得られているかは疑問だと指摘します。本当にやりたいことではなかったからです。
本当に自分がやりたいこととかではなかったっていう理由からやってるんだけれども、なんか違う、なんかその、本当に心から達成した、満足した、私はできるみたいな気持ちになれていないっていうことってあると思うんですよね。
だからこそ玉置さんは、自信がない人は一度、自分のあるべき自分像を棚卸しした方がいいと勧めます。その成功が本当に心から望んでいる成功像かを見直すことです。
「お金持ちになりたい」の中身を疑ってみる
自分がどうありたいかを棚卸ししようとすると、疑わしいことが出てくると玉置さんは言います。例に挙げるのは「お金持ちになりたい」という願望です。
玉置さんは、お金を何に使うかを具体的に聞いていくと、あやふやだったりすると指摘します。持っている状態、安心している状態が成功、というのは違和感があると言います。
岡島さんも、漠然とお金持ちは成功しているっぽいけれど、実体のイメージがかなり抽象的だと同意します。玉置さんは、それも周りやSNSなど環境から教えられた成功イメージだと考えています。
そこで玉置さんがおすすめするのが、こんまりさんのメソッドの応用です。
玉置さんは、自分がどうありたいかを見つけるとき、日常でやらなければいけないと思っていることや、他人の目を気にしてやっている「あるべき」だと思っていることをやめてみるといいと言います。
これってときめかない行動とかを自分の生活からなくしていくことなんですよね。
岡島さんは、以前こんまりさん本家の片づけを実践して部屋がすっきりした経験を挙げ、その基準は行動にも転用できると感じたと話します。
ときめかないものを手放すは、なんか基準としてすごくて。
背負うものを取捨選択して自己効力感を持つ
玉置さんは、年を取って家庭や責任、部下を持つと、やらなければいけないことがどんどん増えて重石になっていると言います。
そこで、本当にやらなければいけないのか、やらなかったらどうなるのかを考え、考えられなかったら思い切ってやめてしまうと勧めます。会社に行くのが心が重いなら、一日すっぽり休んでもいいと言います。
休んで心が軽くなるなら、その分の重さを自覚できます。玉置さんは、無責任になれと言っているのではなく、取捨選択と覚悟をして、背負うべきものは背負い、捨てるものは捨てることが大事だと言います。
ある意味その取捨選択をして、覚悟をして、背負うべきものは背負う、捨てるものは捨てるっていうことをしてあげると、本当にその自分が選んだものだけを背負うことになるじゃないですか。
自分で選んだものだけを立派に背負えている自分には、少しずつ自己効力感が持てるようになる、というのが玉置さんの考えです。
褒めるときは「他者比」ではなく「投射比」で
冒頭でも触れた「自分を褒める」も、自信を育てる方法として挙げられます。ただし褒めるとき、あるべき自分と比べては絶対にダメだと玉置さんは念を押します。
玉置さんが持ち出すのは、CMなどで見かける「投射比」という言葉です。他人と比べるのではなく、過去の自分と比べて褒めればいいという考え方です。
玉置さんは、自分にしてはよくできたでしょでいいと言います。昨日よりいい、ここ最近では割といい方、という基準で褒めていく方がいいという話です。
見た目を例にすると、全部お直しするのは非現実的でも、よく寝た日は顔色がいいものです。「ここしばらくでいうと今日いい感じだね」と自分を肯定してあげた方が、見た目にも自信が持てるようになると言います。
足りなければ周りに褒めてもらうのもいいと玉置さんは言います。ただし褒めてもらい待ちではなく、積極的に褒められに行った方がいいと話します。
その時に褒めてもらう待ちをしちゃダメですよ。誰も褒めてくんないんで、なかなか。積極的に褒められに行った方がいいです。
玉置さん自身、周りのスタッフに「私すごくない?」と褒められに行く方だと明かします。冒頭でジムが続いていると報告するのも、褒められに行く行動の一つだと位置づけます。
玉置さんは、これには理性で棚卸しする部分だけでなく、ストレートに感情に伝わる部分も大きいと言います。ネガティブなことも、冷静に考えたら大したことないのに気持ちがずんと沈むのと同じだという指摘です。
頭使ったら言わせたしななんだけど、普通にすごいねって言われたらすごいねっていう言葉を感情は受け取るので。
岡島さんは、要求して褒められても「言わせたしな」と思いつつ、「まあ言ってくれたしな」という感覚が無意識に残ると応じます。頭ではなく感情が言葉を受け取るという話です。
自分で決めた天井をAIとの対話で壊す
玉置さんは、自信の話として、以前岡島さんが話した「自分の天井を自分で決めている」という話にも触れます。お給料はいくら欲しいかと聞くと600万と答える人が多い、という例です。
岡島さんは、これは書籍『物語思考』の内容だと補足します。制作を手伝ったため印象に残っていて、実感としてもよくわかると話します。
玉置さんは、自分が勝手に決めている限界を壊す思考をすることで天井がなくなり、自信の伸びしろが上がると言います。その方法として、AIを使った対話を紹介します。
やり方はシンプルです。まず「なんでそう思ったの?」と自分に質問し、その理由を答えます。そして、その答えをAIに反証してもらうという流れです。
玉置さんによると、40を超えて起業は無理と思っている人が、年齢や経験不足を理由に挙げても、AIは理路整然と全部反論してくれると言います。岡島さんも、調査結果を挙げてむしろ有利だと言いそうだと応じます。
むちゃくちゃ理路整然と正されるんですよ。
反論されるのを繰り返すうちに、それがロジカルではなく感情的な問題だと気づくと玉置さんは言います。理屈ではこうだと自分を諭していく作業です。
ダメ押しに「もし成功できるとしたら理由は何か」と問うと、今度は自分から成功する理由を考え始めます。できないに固定されていた思考から、違う筋肉を使い始めるのがポイントです。
さっきまでのそのできないに固定されていたところから、全然その違うところの筋肉を使い始めるので、あの、素直にやると割とその凝り固まっていた壁みたいなものが、あの柔らかくはなるんですよね。
玉置さんは、これを1on1でも使うと言います。一回で「よし起業できるぞ」とはならなくても、「絶対無理ではないよね」というところまでは行くはずだと話します。
そこにひび割れができれば、そこからインプットが入ってくるようになります。思い込みはじわじわヒビが入り、ある日ポンと割れてなくなるものだと玉置さんはたとえます。
さらに玉置さんは、自信を植物にたとえます。小さい鉢では育たないので、大きな鉢に移し替えて、またそこで自信を育ててあげるイメージだと言います。
植物が大きくなるために、あの小さい鉢だと育たないみたいなのと同じだと思うんですよね。
部下に自信を持たせるには、的確に褒める
岡島さんは、道中で小さいことでも自分を褒めまくるのが良さそうだとまとめます。玉置さんも、むちゃくちゃ褒めまくった方がいいと同意します。
玉置さんは、聞き手の中には自分ではなく部下に自信を持たせたい人も多いだろうと話を広げます。褒めて甘やかすとダメかな、今どきの若者は、と思う気持ちもあると認めます。
それでも、自信をつけさせることはとても大事だと玉置さんは強調します。自信がつくと吸収率が早くなり、チャレンジもするようになり、一生懸命働くようにもなるからです。
自信がつくことで悪いことって何もないので、それは的確に褒めてあげた方がいいと思いますね。
玉置さんは、褒めることと、少し難しい課題やチャレンジをさせることは全く別だと言います。だから、褒めて損はないという立場です。
岡島さんは、今ならAIと話すことでも自分の状態をメタ認知して自信をつけやすいのではないかとまとめます。玉置さんは、みんなが投射比になれば世界は平和になると話し、他者比ばかりのSNSから距離を置く大切さに触れます。
投射比で。みんなが投射比になるとすごく世界って平和になると思うんですよ。
まとめ
自信は自然につくものではなく、意識して手動で育てるものだというのがこの回の中心です。育てやすい自己効力感を軸に、あるべき自分像の棚卸し、過去の自分と比べる「投射比」での自己肯定、AIとの対話による思い込みの解体という具体策が語られました。
- 自信のマイナスは自動、プラスは手動。だから「つける」ではなく「育てる」と捉える
- 自己肯定感より自己効力感の方が育てやすく、両方そろって自信のある状態になる
- あるべき自分像が本当に望んだものか棚卸しし、ときめかない「べき」はやめてみる
- 褒めるときは他者比ではなく投射比。自分にしてはよくできた、で肯定する
- 自分が決めた天井は、理由を問い、AIに反証させる対話で少しずつ壊していける






