振り返りを続けたら「行動量が取れている」と自信がついた
冒頭は、岡島さんが年始に取り組んだ振り返りの報告から始まります。会社を立ててから1年ほどサボっていた振り返りを、久しぶりにきちんとやったそうです。
すると、会社員時代よりも課題や試したことが「ずらずら」と出てきたと言います。行動量が取れている実感があり、自信がついたと振り返ります。
会社員時代より結構ずらずら出てくるようになって、結構行動量取れてる気がするなと思って。自信がちょっとついたのが良かったですね。
さらに岡島さんは、目標を立てるだけでなく行動計画を立てて追跡しないと意味がない、という玉置さんの以前のアドバイスが効いていると話します。
そこで有志を集め、週1で進捗を発表する場を作り、月1でKPTによる振り返りを入れる仕組みを整えたそうです。
この「仲間と共有する」やり方について、玉置さんは科学的な裏付けにも触れます。
それは結構科学的にも、習慣を継続するのに有効だって言われてますよね。
子供の1年は長く、大人の1年はあっという間なのはなぜか
話は自然と、この回のテーマである「考えた方がいいことと、考えない方がいいこと」へ移ります。玉置さんは、新年を真っ白なキャンバスにたとえます。
ただ、その自由なキャンバスをどうしていいか持てあます人も多いと言います。決まったレールに乗る方が楽だからです。
そのままレールに乗っちゃって、1年過ぎると、「ああ、なんか残念な振り返り」みたいになっちゃうじゃないですか。
ここで玉置さんは、大人になると1年が短く感じる理由を説明します。ポイントは脳の情報処理にあります。
子供の頃は初めての体験や新しいことが日々たくさんあります。脳は新規性のあることを処理すると、時間を長く感じるのだそうです。
一方、大人になると日常から新しいことが減り、いつものメンバー・場所・やり方がルーティンとして処理されます。すると時間が短く感じられます。
いつものメンバーといつものようにいつもの場所でになると、新規性がないので、ルーティンとして処理しちゃうらしいんですよ、脳が。
岡島さんは、新しいことをいろいろやった去年は「特に長かった」と体感を語り、この説明に納得します。
考えるべきは「どっちに向かうか」という北極星
玉置さんは、いろんな人の相談を聞くなかで、考えなくていいところを考え、考えるべきところが抜けているケースが多いと指摘します。
では、何を考えるべきか。玉置さんが挙げるのは「どっちに向かいたいのか」という方角、つまり北極星です。
一方で、いきなり具体的すぎる目標や目的を立てようとするとハードルが高くなります。その場しのぎの思いつきで立てた目標は、忘れられ、行動に結びつかないと言います。
考えるのが大変なことって、途中でやめちゃったり、適当に決着させたりしちゃうんですよね、人って。
岡島さんは、大変なことを考えるのはRPGで魔法を唱えるMPが多くかかるようなものだと表現します。途中でMPが尽きて唱えきれず失敗する、というイメージです。
だからこそ、荷が重すぎる思考は取捨選択し、目的やゴール、どちらに向かうかだけは考えておくべきだと玉置さんは言います。ジグザグ進んでも、北へ向かっているのか西へ向かっているのかは全く違うからです。
それこそ振り返りも何もできないですよね。ちょっと北に向かって少しでも進んでるのかどうかじゃないですか、振り返りって。
玉置さんは、北極星に「良い・悪い」はないと強調します。世間体や収入ではなく、自分が一番苦痛なく、しんどい時も進む気になれる方向を定めることが大事だと話します。
自分の「感情」を観察すると、向かいたい方向が見える
では、その北極星が漠然としている人はどう考えればよいのでしょうか。岡島さんは、書き出すような作業になるのかと尋ねます。
玉置さんの答えはシンプルで、自分を観察してあげることだと言います。手がかりになるのは自分の感情です。
何をやってる時にこう時間を忘れてできるのか。何をやってる時にすごく嬉しいとか、もっとやりたいって感じるのか。
玉置さんは、こうした感情を気にしている人は、特に日本人には少ない気がすると話します。海外の人と比べると、「私がこうしたい」「私が嫌だ」と言う頻度が少ないと言います。
ただし、感情を人前で出せという話ではありません。社会通念として表に出さないのはよいが、自分がどういう感情を持っているかだけはちゃんと自覚しておくことが大事だと言います。
楽しくないけどやってるのか、何時間でもやりたいと思ってるのか、今の快感をもう一回得たいと思ってるのか。そこはちゃんと観察してあげないとわかんないと思います。
岡島さんは、悩んでいる友人にこの話をしても響きにくいという課題感を打ち明けます。それに対し玉置さんは、周りからのフィードバックを使う方法を提案します。
こういう時って生き生きしてるよねとかいうフィードバックを受けて、あ、そうか、私はこういうシチュエーションで生き生きするんだと。
自分で認知するのが難しければ、「この時は目がキラキラしている」「この仕事は何時間でも楽しそう」と周りが教えてあげるのもいい、という具体策です。
走っている最中は考えない。期限を切って動き出す
ここから話は、行動の途中で疑いが生まれる問題に移ります。玉置さんによれば、最初は続けていても、途中で「本当にゴールにたどり着くのか」と疑い出す人が多いそうです。
これは考えない方がいいタイミングなんですよ。
玉置さんは、考えるべきタイミングと考えないタイミングを明確に分けます。行動の前はちゃんと考える。ただし期限を切って考える、というのがルールです。
ベストな行動を選ぼうとすると一生動けません。そこで、いつまでと期限を決め、その範囲で出したベターな方法で動くと決めます。
そして動き出したら、走っている間は考えない。その代わり、一定期間続けた後にいつ振り返るかをあらかじめ決めておきます。
岡島さんは、数週間では結果は出ないと補足します。不確実な状態を耐えて半年、1年と続けた人が手応えを得るのに、多くの人は途中で疑ってやめてしまうという構造です。
うまくいくかどうかは分岐路ではなく「小さな失敗」の連続
玉置さんは、行動の先に「うまくいく・いかない」という分かれ道があるわけではない、と説明します。あるのは小さな失敗の連続です。
走っていると、うまくいく、うまくいかないっていう分岐路があるわけじゃないんですよ。じゃなくて、小さな失敗がいっぱいあるんですよ。
最初はうまくいかない。しかし失敗や結果が出ない体験を重ねると、よりうまくいかせる工夫がわかってきます。その先にうまくいくが待っている、という順序です。
だからこそ、それを信じて何も考えずにやることが大事だと言います。ただし、この「何も考えずにやる」が実は難しいと玉置さんは認めます。
玉置さんは、思考レベルが高くよく考える人が成功するのではなく、何も考えずに走れる人の方がうまくいっていると言い切ります。
岡島さんが「走る角度は考えているのでは」と問うと、玉置さんは、正しくなくてもジグザグに走った人の方が結果的にたどり着くと返します。ダメな選択肢を全部潰すからです。
10個選択肢があって1個正解だったら9個潰すだけの話なので。
賢くやろうとして頭をひねっている間に、走った人は何十個も選択肢を潰してもっと先にいる、という対比です。
考えるべきは「自分で変えられること」だけ
では、考えるべきことと考えても仕方ないことの線引きはどこにあるのか。玉置さんの基準は、自分で変えられるかどうかです。
何時に起きるか、何をするかといった自分の行動は自分で選べます。ここは考える価値があります。
一方、他人のこと、未来のこと、成功確率、自分に才能があるかどうかは、考えても答えが出ないと言います。
自分の行動、何時に起きるか、何をするか。ここは考える
他人、未来、成功確率、才能の有無。ここは考えない
玉置さんによれば、「私、向いてますかね?」という才能の相談も多いそうです。しかし向き不向きは誰にもわからない、というのが答えです。
岡島さんは、20年ほどウェブサービスを作ってきた前職の社長が、去年になって「ウェブサービス作るの向いてないかも」と言い出した例を紹介します。実績のある人でも、やってみた結果として認知が変わる、というエピソードです。
未来予測も同様です。玉置さんは、過去に賢い人や研究機関が出した未来予測を今見ると、ほぼ外れていると指摘します。
すごいなんとか総研とかも全部外れるので、あなたが考えても全然意味ないんですよ。
さらに、うまくいくかどうかは1つの因子ではなく、複雑な因子が絡んだ結果です。AIでも完璧に予測できないのだから、人間が考えても意味がないと言います。
その代わり考えるべきは、最悪のケースです。全て失敗した時に負うリスクやコストを直視しておけば、実はそれほど怖くないとわかります。
Tシャツとジーパンで富士山に登ろうとしていないか
最悪のケースを考える大切さを、玉置さんは登山のたとえで説明します。軽装のTシャツとジーパンで富士山に登れば死んでしまう、というものです。
軽装で登れなかった人は「やっぱり自分には富士山は難しい」と言いますが、それは装備が弱いだけの話です。日々のトレーニングもせず、それでも一発逆転で富士山に登れないかと考えてしまう、と指摘します。
みたいなコントを日々真顔で皆さん結構やってらっしゃいます。
岡島さんは、一発逆転を狙う心理は罠のようだと言います。これに対し玉置さんは、それは本人なりの合理的な判断だと分析します。
その人が持つ情報量の中では、努力して成功するルートが見えない。唯一見える道が一発逆転、いわば宝くじだから、そちらを選んでしまうという構造です。
努力の道が見えず、宝くじのような一発逆転に賭けてしまう
経験者に情報を集め、装備を整え、体力をつけてから何度でも挑む
だからこそ、富士山に登りたいなら装備を準備し、最悪のケースに備えて訓練し、死なないレベルまで整えてから何度でも挑めばいい、と玉置さんは話します。
答えが出ない時は「本当に考えるべきか」を疑う
話は締めくくりに向かいます。玉置さんは、考えても答えが出ないと感じたら、質問を一段変えてほしいと言います。
考えてるんだけど、どうしていいのかわかんない、答えが出ないっていう時は、一段質問を変えて、これ本当に考えた方がいいんだっけを考えてほしいんですよね。
答えが出ないこと自体が正解かもしれない、と疑ってみる。そのうえで、考えるべきは答えが出ることと自分が変えられることだけに絞ります。
岡島さんは、スタートアップの起業家がよく言う「不確実性への耐性」という言葉を思い出したと話します。うまくいくかわからない状態でも頑張れる耐性がある人が、前に進めるという考え方です。
玉置さんはこれに同意しつつ、先や因果関係がわかると安心できる分、安心したいという欲求に引っ張られるといい方向に行かないと付け加えます。
不確実性への耐性が下がっている時は、現実を無理に見ようとせず、いったんファンタジーやエンターテインメントに逃げて英気を養い、また戻ってくればいいとも話します。
自信満々で大きく転ぶのは「ステージが変わる合図」
最後に岡島さんは、玉置さんの話を聞くうちに何も怖くなくなり、無敵の気分になりかけていると打ち明けます。最悪、無収入になっても死にはしないと本気で思えてきたそうです。
玉置さんはそれを素直でいいと認めつつ、どこかで自信満々のまま大きく転ぶだろうと予言します。ただ、その失敗こそ大きなステップアップになると言います。
痛い目には必ず遭うので、遭わないとよろしくないと思います。
玉置さんは、失敗を「レベルアップ前のボス戦」だととらえればいいと言います。痛い目に遭ったら、それはステージが変わるタイミングのお知らせだ、という前向きな受け止め方です。
レベルアップ前のちょっとボス戦だと思ってやればいいだけなので。で、それをやらずに失敗避けると成長しないですよ。
岡島さんは、ジグザグでいいから行動計画通りに進むと宣言し、この回を締めくくります。
まとめ
この回は、動けなくなる原因を「考えるべきこと」と「考えなくていいこと」のあべこべにあると整理した回でした。北極星となる方角だけは考え、走っている間は考えず、うまくいくかどうかではなく最悪のケースと自分で変えられることに思考を絞る、という指針が示されました。
- 考えるべきは「どっちに向かうか」という北極星と、自分が一番進む気になれる方向
- 向かいたい方向がわからない時は、自分の感情を観察し、周りのフィードバックも手がかりにする
- 行動の前は期限を切って考え、走っている間は考えず、決めた時期にKPTで振り返る
- うまくいくかどうかや才能・未来は考えても答えが出ない。考えるのは自分で変えられることだけ
- 失敗はレベルアップ前のボス戦。最悪のケースを直視して備えれば、それほど怖くない



