📝 エピソード概要
本エピソードでは、NPO法人ETIC.が運営する次世代イノベーター育成私塾「MAKERS UNIVERSITY」代表の内野博礼氏をゲストに迎え、そのユニークな運営哲学が深掘りされます。内野氏は、支援者である佐俣アンリ氏との対話を通じ、いかにして「就職しない」覚悟を持った学生を集め、合宿とピアラーニング(相互学習)を中心に彼らの熱意を解放しているかを説明します。
また、初期の収益モデルの模索を経て、完全な寄付運営に腹を括った経緯が語られ、この寄付モデルこそが、多様で真に熱い情熱を持つ挑戦者を選抜し、育成するための「ワンアンドオンリー」なコミュニティを維持する鍵であることが示されます。
🎯 主要なトピック
- 支援者のマインドセット: 支援者(VC)の佐俣氏が提唱する「支援者ゼミ」の背景から、優れた支援者は自身が目立たず「黒子」として振る舞い、成功を声高に語らないという共通項について議論しました。
- MAKERS UNIVERSITYの設立と特徴: 2016年にスタートした、起業家を目指す大学生・大学院生のための私塾で、4泊5日などの合宿形式を名物とし、完全に寄付によって運営されている点が最大の特徴です。
- 内野氏のETIC.参画の経緯: 「社長になりたい」という夢から大学時代にETIC.に出会い、その後、国内初のベンチャー企業でのインターンシップのコーディネート事業を立ち上げた自身のキャリアが語られました。
- インターン事業から私塾への転換: ベンチャーインターンがコモディティ化(一般化)したことを受け、啓蒙活動の役割を終えたと判断。コンテスト形式での手応えを経て、切磋琢磨する場としてのMAKERS設立へと舵を切りました。
- 「交流型」プログラムの確立: 孫泰蔵氏の「No Teacher, No Curriculum」の思想に基づき、座学中心から、同世代同士が合宿で濃密に交流し、相互に学び合う環境づくりに集中するようになりました。
- 完全寄付運営への決断: 初期に検討された収益モデルを排除し、腹を括って完全な寄付モデルを採用。これにより、ビジネス的成功の可能性で学生を選ぶバイアスを排除し、ニュートラルに多様なイノベーターを採択できるようになりました。
- 大学生の早期登記現象: 過去10年間で、学生の熱意や資質自体に大きな変化はないものの、応募者のほとんどが既に会社を「登記」しており、起業のハードルが大幅に下がっている現状が共有されました。
💡 キーポイント
- MAKERS UNIVERSITYが採択するメンバーは、スタートアップ志向だけでなく、NPOや地域課題解決に取り組む者など、多様な情熱を持った「就職しない」覚悟を持つ学生たちである。
- 資金調達や企業への売却といった資本主義的なアルゴリズムをコミュニティ内に持ち込まず、それぞれの情熱のリズムを尊重することが、MAKERSの独自の価値を維持している。
- MAKERSのプログラム設計の鍵は、著名なメンターの添え物化と、同世代の挑戦者同士の濃密な「わちゃわちゃする」交流、特に合宿による強制的な環境共有にある。
- 創業10年が経ち、起業の初期フェーズである「会社登記」が学生の間で早期化・一般化している。
- 支援者マインドが優れている人ほど「自分が目立ちたいわけではない」ため、メディアへの露出や成功体験の独占を避ける傾向がある。
