📝 エピソード概要
本エピソードでは、株式会社CANTEEN代表の遠山啓一氏が、日本の音楽産業が抱える構造的な課題を深く分析し、そのギャップを埋めるための多角的な挑戦について語ります。デジタル化の遅れがもたらした旧慣習と、アーティストの実情との乖離を指摘し、国内市場に最適化された「J-POPのゲーム構造」から脱却し、世界で戦えるクリエイターを支援する必要性を強調しました。
音楽、アート、スポーツといった広範な分野に共通する構造的問題に抗い、「積極的自由」の獲得を目指す遠山氏の哲学と、彼自身のユニークな野望が明らかになります。
🎯 主要なトピック
- 日本の音楽産業におけるDXの遅れ: CCCDなどの影響でデジタル化が不完全に進んだ結果、制作・プロモーションはDXされたにもかかわらず、権利や流通は旧来の商慣習(CD時代のビジネスモデル)に縛られている構造を解説。
- J-POPのゲーム構造への批判と世界戦略: Zepp、武道館、アリーナという画一化された成功モデルしかない現状が、国内でニーズが少ないが海外で活躍できるアーティストを育てられない要因だと指摘。日本の強みは「層の厚さ」を活かした多ジャンルの世界進出にあると提言。
- 構造的ギャップの横断性: 音楽に限らず、アート(ギャラリー構造)やスポーツマネジメント(八村塁選手のキャンプ支援)においても、旧マスメディアに最適化された構造が挑戦を阻害している点について言及。
- 「積極的自由」のデザイン: クリエイターが既定のゲームの攻略を目指すのではなく、自分のテリトリーで自己表現を実現できる環境(積極的自由)をデザインし、構造に抗う挑戦者を支援することの重要性を強調。
- 攻略本化するスタートアップのゲーム: VC業界の一部に見られる、特定の数字やフォーマットを追求する「攻略本化」した傾向に触れ、本質的な創造性や個性が失われつつある現状に警鐘を鳴らす。
💡 キーポイント
- 日本は世界第2位の音楽市場規模を持ちながら、デジタル化の遅れとアイドルカルチャーの隆盛により、興行と権利がマスメディアに寡占される構造が温存された。
- 遠山氏が支援の軸とするのは、制作側がDXされても商慣習が変わらないことによって生じた、クリエイターの実情と業界構造の間の「ねじれ」を調整すること。
- 最近の若いクリエイター世代は、公的機関との連携やタイアップに対して思想的な抵抗感が薄く、ビジュアルコミュニケーションに長けており、世界で戦いやすい素地を持っている。
- スタートアップの「型」はクラシックバレエに似ており、創造性は99%の基礎の先に存在するが、その厳格なルールは起業家全員にとって最適な道ではない。
- 遠山氏の最終的な野望は、経済・文化・社会的なインパクトの結果として「葬式に5000人規模の多様な人が集まる」ことであり、自身の存在意義をそこに求めている。
