📝 エピソード概要
本エピソードでは、ANRIの中路隼輔氏が、従来のVC活動の枠を超えたオルタナティブな活動(雑誌、書店、人文奨学金)を通じて、VCという存在そのものを再解釈する思想を探ります。
中路氏は、VC業界の閉塞感と、デジタル表現の均質化へのカウンターとして、物理的な表現や、過小評価されている人文知に焦点を当てます。これらの活動は、社会的に必要性が高まっている未開拓領域に投資する「VC的な感覚」に基づき、真に熱意ある起業家層に深く響くことを目的としています。
🎯 主要なトピック
- VC活動の閉塞感と再解釈: 既存のシリコンバレーモデルを追従するVC活動に閉塞感を感じ、日本独自の新しい投資テーマとオルタナティブな勝ち方を模索し、VCという存在の再解釈を試みている。
- 雑誌『ファーストフォワード』の創刊: インターネット表現の均質化への反動として、あえて物理的な雑誌を創刊。高いクラフト感と多様な分野の知見を集約することで、ANRIの思想を深く、永続的に伝える表現方法を選んだ。
- 書店という思想の表現: 雑誌販売を単なるイベントではなく「思想を出す場」と定義し、独立系書店のように選書やキュレーションを通じて、製作意図を直接伝える物理的な表現活動を展開した。
- 人文奨学金への投資的視点: ステム領域(理系)が主流の奨学金に対し、人文知がアンダーバリューされながらも、AI時代における倫理や方向性を決める上で必要性が高まると予測し、投資家的な「理」に基づいて奨学金事業を開始。
- アンダーバリュー領域への着目: 雑誌、書店、人文奨学金の全てが、「過小評価されているが、社会の要請が高まっている領域」という投資家的な感覚に基づいた意思決定であり、これを「VC的な表現」として位置づけている。
💡 キーポイント
- 変化のない時代には、同じ業界内での議論(カプセル化)ではなく、雑誌やホームパーティー文化に見られるような「越境」が重要であるという持論がある。
- デジタル上のアテンション・エコノミー(注目経済)から離れ、「閉じるからこそ大きくなる」表現(例:1万円という価格設定)によって、本当に届くべき層への引力を強めている。
- 人文知への投資は、単なる慈善事業ではなく、テクノロジーの進歩が必ずしも社会を良くするとは限らない現代において、倫理や哲学が極めて重要な「長期的テーマ」になると見込んでいるため。
- VCとして万人に響く必要はなく、フィルターとしての機能を持つことで、特定の熱意あるアントレプレナーに選ばれることを目指している。
