📝 エピソード概要
本エピソードでは、ANRI主催の写真アワード「夜明け前」が若手写真家・制作者に提供する手厚い支援体制と、第1回グランプリ受賞者であるアーティストコレクティブ、GC magazineの挑戦的な活動内容に焦点を当てています。
ゲストのGC magazineは、従来の写真表現の枠を超え、「労働」をテーマにしたハイカロリーな制作プロセスや、要素を「足していく」独自のギミックを追求。写真というメディアの概念を拡張し、アートとしての写真が今後どのように生き残るか、その可能性について深く議論しました。
🎯 主要なトピック
- 「夜明け前」によるクリエイター支援の考え方: グランプリ受賞者には創作支援金300万円に加え、写真集制作と個展開催の全面的なサポートを提供し、写真家がプロフェッショナルとして活動を継続できる土台作りを目指している。
- GC magazineの新作「労働」のテーマ: 制作支援金を使い、鈴鹿サーキットを手押しで一周するという過酷な「労働」を記録。従来の「決定的瞬間」の概念に対し、準備や過程そのものを作品の中心に据える試み。
- 巨匠の逸話の再構築: 恵比寿での展示では、土門拳が写真の素振りとしてレンガを振ったという逸話を、現代で真剣に再現し映像化。伝説的な行為を再解釈するアプローチを取った。
- ラッピングカーとギミック満載の展示構成: 展示では、制作時のメンバーの顔をラッピングした車や、スタジオ写真の基準色である18%グレーのレーシングスーツ(衣装)など、写真の要素を物質に「足していく」意図的なギミックを使用する。
- 写真表現における「足し算」の価値: 削ぎ落とすメディアとされる写真に対し、あえてキッチュで要素を「足していく」手法を取ることで、人間でしかできない表現を追求し、写真表現の可能性を広げている。
- 写真アートの未来と「夜明け前」の展望: 写真がアートフェアなどで存在感を失う中、GC magazineのような古典的な枠組みに囚われない表現が、写真というアートジャンルを再興させる鍵になるとの期待が語られた。
💡 キーポイント
- 「夜明け前」は、有望な写真家が経済的な困難を乗り越え、プロの表現者として必要な活動実績(アワード、写真集、展示)を築けるよう、包括的な支援体制を提供している。
- GC magazineは、完成された「決定的瞬間」ではなく、そこに到達するまでの膨大なエネルギーと「労働」の過程にこそ、作品としてのリアリティと価値があると考えている。
- 彼らが目指すのは、写真表現を額装やプリントに限定せず、車へのラッピングや特殊な衣装など、多角的な「足し算」の表現を通じて、鑑賞者の想像力を掻き立てることである。
- GC magazineは自らを「写真キッズ」と呼び、写真が持つフットワークの軽さと、現実を利用することで物語や匂い、音を想起させる、その無限の可能性を深く愛している。
- 佐俣アンリ氏は、このアワードを通じて、既存の写真産業のピラミッドの頂点を活性化させ、企業スポンサーなどが写真表現を応援したくなるような「熱い」ムーブメントを創出したいと語った。
- GC magazineの次の目標は、700ページに及ぶ(少年ジャンプやマガジン型の)写真集を制作・刊行すること。
