📝 エピソード概要
本エピソードでは、演劇界の長時間上演という旧態依然とした慣習が、多忙な現代人の可処分時間感覚と大きくズレており、集客減少や観客層の高齢化を招いていると強く指摘します。この問題提起を足掛かりに、キングコング西野氏が考える「挑戦」の定義について熱弁。成功の可能性が極めて低い、あるいは物理的に不可能な企画を「挑戦」と呼んで称える風潮に異を唱え、成功確率が0%のプロジェクトは「死人が出る無謀な行動」であり、止めるべきであると主張します。エンタメのビジネスモデルと時代適応の重要性について、歴史的な背景も交えながら厳しくも本質的な考察が展開されます。
🎯 主要なトピック
- 舞台芸術の長時間上演が抱える問題: 演劇の世界に根付く「長いほどお得」という古い価値観が、コンテンツが飽和した現代において「いたずらに時間を奪うもの」と認識されており、現代人の感覚とのズレを生んでいる。
- 観客層の高齢化と劇場離れ: 長い上演時間は子供や高齢層(排泄の問題など)を劇場から遠ざけ、新規層獲得を不可能にし、結果として観客層の高齢化と集客力の低下を加速させている。
- IP(知的財産)の重要性と寿命: 経営者IPの発言に同意しつつ、人IP(人間)には老いや死の制約があるため、自身は「老いないIP」(例:プペル)の開発に時間を割き、事業の継続性を高めていると説明。
- 「挑戦」と「無謀な行動」の境界線: 成功確率がわずかでも残っているものは応援するが、物理法則や算数に基づき成功確率が0%と確定している企画は、挑戦ではなく「死人が出る無謀な行動」であり、全力で止めるべきだと定義。
- イマーシブ体験の物理的制約: 能楽の歴史を例に、体験型エンタメ(イマーシブ)は観客数と満足度がトレードオフの関係にあり、多人数を相手にすると赤字が確定しやすいという構造的な課題を指摘。イマーシブ・フォート・東京は、この課題を解決せずにスタートしたため失敗は予見されていたとする。
💡 キーポイント
- 演劇界は、忙しい現代人の可処分時間に対応するため、たとえ無駄なセリフを削っても、そもそもの上演時間の長さの感覚を根本的に更新する必要がある。
- 3時間超の舞台上演は、終電の問題や子育て世代の制約により、夜公演のチケットが売れないなど、集客において物理的に無理が生じている。
- イマーシブ・フォート・東京のようなプロジェクトは、エンタメのプロから見れば成功の可能性が0%であり、これを「挑戦」として称えるのはエンタメの本質を理解していない「寝言」である。
- 経営者が負債を抱えることで関係者にも連鎖的な不幸を招く可能性のある無謀なプロジェクトは、単なるチャレンジではなく「死人が出る危険行為」として認識すべきである。
- 距離ができるほど満足度が下がるイマーシブ体験は、大勢を相手にしようとすると必然的に「推しとゼロ距離で会える場所」化し、稼働率100%でも赤字となる規定路線を辿ってしまう。
