番組を始めた理由と、五島の好きなところ
番組は、五島列島に住む親子が、観光で訪れた人に島の日常を感じてもらいたいと考えて始めたものです。
最初の回ということで、まずは五島の好きなところをざっくばらんに話すところからスタートします。
娘は、五島にこだわる理由として、まず自分のおばあちゃんの存在が大きいと話します。そうした好きな人たちを通して、島のいいところを知ったと言います。
好きな人たちを通して島のいいところを知ったのが大きかったので、やっぱり人かなって思います。
父も「人はいいよね」と応じますが、その意味は少し違っていました。
「五島の人はいい」ではなく「人を知ってほしい」
父が言う「人はいいよね」は、五島の人がいい人だという意味ではありませんでした。観光で来た人が、島の人のことを知ってくれたらいい、という意味でした。
五島の人はいい人が多いよね、って言ったわけじゃなくて、観光で来てくれた人が、人のことを知ってくれたらいいよねっていう意味だった。
娘も、人に会うことこそが観光だと考えていると語ります。五島には、おもてなしをしたい人、してくれる人がとても多いと感じているそうです。
その背景には、正月の料理や、人をもてなす「お接待」の文化があるのではないかと娘は話します。
父は、ディープな触れ合いは難しくても、入ったお店やすれ違った人とちょっと話してみる、それだけでもいいと言います。
話しかければ、話してくれる人たち
娘によれば、五島には自分から話しかけてくる「じいとおばあ」もいるそうです。
ノースリーブで歩いていた友達が「あなた観光客?こんな人は五島にはいない」と声をかけられた、というエピソードも語られました。
そうした入り口で話しかけられるのもいいと娘は感じています。観光客だと伝えれば、みんな島のことを話したいのではないかと言います。
観光客ですって言ったら、多分みんな喜んで島のことを話したいのかなって思ってる。自分も含めて。
父は、話しかけるきっかけとして、いくつかの具体的な場面を挙げます。
海で魚釣りをしているおばさんに「何釣ってるんですか」と聞いたり、三井楽方面で花を手入れしているおばさんに「何の花ですか」と聞いたりするのが楽しかったそうです。
農作業をしている人に「今何が取れるんですか」「五島の名産は何ですか」と聞いてみるのも、話のきっかけになると話します。
娘は、魚釣りの人に話しかけると、逆に魚をもらってしまうこともあると笑います。いるかどうかも聞かれず「何個いる?」と聞かれるのが、こちらならではだと感じるそうです。
初対面のおばさんとの、イカと米のやりとり
ここで父が、印象に残っているエピソードを話し始めます。
兄とイカ釣りに行ったとき、隣にいたおばさんはなかなか釣れずにいました。おばさんは、もうすぐ帰省してくる孫にイカを食べさせたくて釣りに来ていたそうです。
こちらだけ大きなイカが釣れてしまったため、父たちはそのイカをおばさんに渡しました。
これ持って帰って、ぜひお孫さんたちに食べさせてよ、おばちゃんって言って渡してきたの。
その後、同じ場所にまた釣りに行くと、おばさんと再会します。おばさんは「あなたたちが釣りに来るのをずっと待ってた」と言いました。
そして、うちで取れた米だからと、五キロほどの米を渡してくれたそうです。
初対面のおばさんだったけど、釣りを通じてそういうことが起こったりするのも、五島の面白さだなって思ったりして。
諦めずに待っていてくれたことに、娘も驚きます。父は、おばさんはおそらく毎日そこに来ていたのだろうと振り返ります。
恩返しの文化と、「全力で受け取る」という選択
話は、五島の恩返しの文化へと移ります。
娘は、恩をやりっぱなしにする姿勢に触れます。隣のおばあちゃんも「絶対に返さないでね」と約束させてから物をくれる、という「儀式」があると言います。
一方で、父は五島には「されたら返さなきゃ」という文化も強くあると話します。世間が狭いこともあり、どう恩返しするかは難しい問題だと言います。
恩返しはめちゃくちゃ難しくて。しかも一回やったら止まんないし。
娘は、「マジでいらないから」と言うおばあたちの「マジ」は、遠慮ではなく本当にあげたいだけなのだと最近気づいたと語ります。
だから今は、一旦全力で受け取ることにしているそうです。
もう飛び跳ね受け取り。ありがとう、やったやった、みたいな。
父も、観光客と地元の農家さんが市場で仲良くなり、その後も米を送ってもらう関係になった、という知り合いの話を紹介します。人の繋がりが生まれるのが面白いと語ります。
観光地じゃない「とれとれ市場」と地元スーパー
人の繋がりという意味で、二人が挙げたのが「とれとれ市場」でした。
生産者が卸している時間に行くと、調理法を教えてもらえることもあると娘は話します。
さらに娘が推すのが、地元密着スーパーの「大協ビッグバリュー」です。レジの人が親切で、荷物を運んでくれたり、雨の日には傘で送ってくれたりするそうです。
それはもはや観光地って思ってた。真っ先に連れていくぐらい好き。日曜の朝一とか。
父は、日本語学校で聞いた話も紹介します。五島の日本語学校には、ベトナムやミャンマーから来た学生が多く、ビッグバリューのレジでアルバイトをしている子も多いそうです。
その子たちがいい子ばかりで、五島のおじさんおばさんの間で「推し活」のようになっているといいます。留学生のバイトしている列だけが長くなることもあるそうです。
五島のおじいちゃんおばあちゃんにとっては、新しい孫みたいな感覚になるんだと思う。会えて喋るのが楽しくて、その列に並ぶんだって。
予定を決めすぎず、話しかけてみる旅を
娘は、商店街や家の軒先で、ただ立って時間を過ごしている人たちがいると話します。日を浴びたり自然を見たりして一日を過ごす、その姿を豊かだと感じています。
ただ立ってるだけなんだと思ったり。ついつい時間を埋めたくなっちゃうけど、そのゆとりがある人がすごい多いと思うから。
そうした人にも話しかけていいのではないか、話してくれたらこちらも嬉しい、と娘は語ります。
娘は、「これをしに来ました」と伝えると、島の人が「あの人が詳しいよ」などと繋いでくれることも多いと話します。
父も、来た目的ややりたいことを口に出してみるのは大事かもしれないと同意し、第1回は締めくくられました。
まとめ
第1回は、五島列島の魅力は「人」にあり、観光客が島の人と触れ合うことで旅が豊かになる、という話が中心でした。名所を巡るだけでなく、話しかけてみることや、予定を決めすぎないことが勧められています。
- 五島の魅力の中心は「人」であり、観光は人に会うことだと二人は考えています。
- 魚釣りや花の手入れ、農作業をしている人に一言聞いてみると、会話のきっかけになります。
- 五島には恩返しの文化がある一方、「全力で受け取る」という向き合い方も語られました。
- とれとれ市場や地元スーパーの大協ビッグバリューも、人との触れ合いが生まれる場所として勧められています。
- 予定を決めすぎず、目的を口に出してみると、島の人が繋いでくれることがあります。
