アイドルが配信システムを作ってバズった
話は、宮本佳林さんという元ハロプロJuice=Juiceの活動を経て今も芸能活動をしている人が、生配信で使う配信システムを自作したという記事から始まります。
その記事がSNSで大きくバズり、Cloudflareのイベントにまで呼ばれて登壇したといいます。
アイドルがバイブコーディングする時代が来てしまいましたね。
すごい時代本当に。
本人がアイドルなのか元アイドルなのかは記事によって表記が分かれていますが、いずれにせよ開発が本業ではない人だという点が話題の中心です。
そういうのを開発するのが本業じゃない人が、バイブコーディングでそこまでできるようになった時代が来たなっていうのが、新時代の到来を告げているような気がして。
技術記事として読んでも普通に成立している
技術関連でバズった記事は主に3つあると紹介されます。配信システムの技術構成を深掘りした記事、技術に踏み込まずに何を作ったかをスクリーンショットで見せる記事、そしてバイブコーディングを学ぶまでの過程を書いた記事です。
おぐらくんが最も興味深かったのは技術構成の記事でした。アメブロで技術ブログを読むこと自体が新鮮だったといいます。
記事にはCloudflare WorkersやKV、OBS、TypeScript、APIのGET/POSTの区別、トークンによるセキュリティ、CORsでのつまずきなど、通常の技術記事に出てくる単語が数多く登場します。
コードを書かなくてもシステムの構成はわかっている、そのものだなと思って。
ちーずは、記事の構成自体はよくある技術記事のスタイルに近いと感じつつ、本人がどう感じどうしたかという記述が混ざっている点に注目します。
ところどころ、本人がどう感じた、どう思って、どうこうしたみたいなところとかも含まれていて、全てがAIではないんだろうなっていう感覚は得た。
人脈と興味ドリブンで学びを深めた過程
学びの過程の記事によれば、宮本さんはChatGPTで妄想を表現することから始め、調べるうちにAWSに興味を持ちます。
その後、デジタル庁のイベントで出会ったエンジニアと、電子チケットの顔認証の速さが気になって話を聞きに行ったことをきっかけに親しくなったといいます。
まずそこがね、根本としてすごいよね。アイドルが興味持たなさそうなテーマにちゃんと興味を持って。
さらにオフィスで3時間強Webアプリ開発を教わり、LINEヤフー元会長の川邊さん経由でもバイブコーディングのコツを学んだと書かれています。
一方で、複数のAIに成果物をレビューさせる、セキュリティも欠かさず学ぶといった、通常のエンジニアも実践する手法が登場する点が印象的だと語られます。
自分の興味ドリブンで始まったが、人脈によって正しく学ぶべき方向を教えてもらい、自分の興味が強いから自分で勉強してるっていう感じが読み取れて。
なおブログには「ラジオ収録に向かう電車で手書きしている」との記述もあり、内容を理解して書いている可能性が高いと3人は見ています。
相談相手は人間でなくてもいい時代なのか
学びの起点に人脈があった点をめぐり、駆け出し時に相談できる人がいることの大きさが話題になります。
周りにすぐ相談できる人いるのって結構でかいと思うけどね、俺は。
これに対しちーずは、相談相手が人間である必要のない世界になりつつあるのではと問いかけます。
相談する相手が人間である必要がない世界になってきたんじゃないかなって思ってんだけど、そんなことない?
記事を読んでAIとの対話の仕方を理解すれば、相談役をAIが担う形で同じ道筋をたどれるのではないか、という見方です。
ただし2人が共通して重視するのは、その手前にある興味の強さでした。興味が浅ければ深掘りはできないと語られます。
コードは書けなくてもシステムを理解できる
コードを書かずにシステムを理解できること自体が、今後大事になると2人は話します。過程を重視し、なぜこの構成なのか、どうすればより安全かを壁打ちで詰めていく姿勢が背景にあると見ます。
おぐらくんは、それが経験豊富なエンジニアだからできるのか、経験のない人にも再現できるのかがわからなかったといいます。
コードは書いてないけどシステム理解しているっていうこと自体が、今後大事になるなという気がして。
宮本さんの記事を読む限り、それはシニアエンジニアでなくてもできることだと改めて感じたと話します。
昔はまずプログラミング言語を学ばないとスタート地点にも立てない感覚があったが、今はそこがブロッカーではなくなったという実感が語られます。
昔はまずコードについて理解してないと最初のスタート地点にも立てない感覚があったんですけど、今はそこはブロッカーじゃないかなっていう感じがしてて。
興味の強さがそのまま能力値につながる
ちーずは、興味を持って深掘りし戦略を考える過程は、AIがない時代にも重要だったと指摘します。同じ情報に触れても、興味の強さで頭に入る量が変わるという見立てです。
視界に入る情報量が同じでも、興味の強さによって、さらっと流すよりも深く理解する。そもそも頭に入る情報量が全然違うと思ってて。
SNSを眺めて終わる人と、なぜこうなったのかを調べて引き出しにする人とでは時間の使い方が違い、それが能力値の差につながるのではないかと語られます。
おぐらくんも、好奇心を失わないこと、できないことをできるようにする姿勢は人生全般で使えると応じます。
賢い人がAIでブーストされる世界と、その残酷さ
おぐらくんは、イベントアンケートもバイブコーディングで作ったという別記事に触れ、集めたい情報を理解した上でツールとしてAIを使っている点を評価します。
そして、これまでITで何かを作る際の最大の障壁だった「コードを書く」部分がAIで取り払われ、頭を使うのが好きな人ほどブーストがかかると整理します。
興味・アイデア
作りたいものへの強い関心が出発点になる
従来の障壁
コードを書く・システムを作る部分でつまずいていた
AIの登場
細かい実装をAIに任せ、障壁が下がる
結果
頭を使える人ほど作れる幅が広がる
なべちゃんは、アイデアさえあれば形になる分、参入障壁が下がり、差別化やマーケティングの重要性が増していると経営者の視点で語ります。
いかに早く、いかに差別化して、いかに認知を取ってみたいな。マーケティングの力もすごい大事だなっていうのは最近思うんで。
一方でおぐらくんは、参入障壁が下がった結果、今度は頭の良さそのものが障壁になった面もあると指摘し、そこに少し残酷さも感じると話します。
参入障壁でいうと、頭の良さが参入障壁になってしまった感じがあるから。
それでも、考えても仕方がないので自分ができそうならどんどんやる、という前向きな姿勢で受け止めています。
戦い方のベンチマークと、AI時代の役割分担
ちーずは、宮本さんが技術力の高さではなく、AIや情報とどう向き合って前に進むかというスタンス面のベンチマークになりうると語ります。
どういう風にAIと向き合ってるかとか、どのように情報と向き合って前に進んでいるかみたいな、スタンス面でのベンチマークも今後は現れそうだなと思ってて。
習得するスキルではなく、どのような手法で勝ち抜くかという自分のスタイルの話だと補足されます。
関連して、おぐらくんはAI時代の5つの役割アーキタイプをまとめた記事を紹介します。
新しいアイデアを次々と試す役割
プロトタイプを実用レベルに仕上げる役割
UIやコードを整理し、磨き上げる役割
製品市場適合を見つけた製品をさらに伸ばす役割
成熟したシステムを安全・安定して運用し続ける役割
これは従来のエンジニアやPM、デザイナーと一対一で対応するものではなく、職種にとらわれず役割で考えようという提案だと説明されます。賛否はあるものの、自分の戦い方や強みをどう磨くかという話に通じると受け止められています。
エンジニア以外にも広がる新時代のマインドセット
3人は、この話が自分たちにとっても励みになったと振り返ります。ちーずは、AIの出力を浅くさらって終えていた自分を省み、深めて引き出しにする姿勢を取り戻したいと話します。
AIが出力したものに対して浅くさらって終わってたところがあるけど、もう少し深めて自身の引き出しにするっていうところがちょっとサボってたなと思って。
元アイドルがエンジニア領域に進出したのなら、逆にエンジニアが他の領域へ進むのも同じマインドセットでいけるはずだ、とおぐらくんは語ります。
なべちゃんは、小説家がAIで執筆し賞を取った例に触れ、クリエイトの道はエンジニア以外にも広がっていると補足します。
AIによって明るくなることもあるということで、ワクワクしていた方がきっと楽しく人生生きられるでしょう。
まとめ
開発が本業ではない人が配信システムを作り上げた宮本佳林さんのブログを通じて、3人はAI時代のエンジニア像や新しい戦い方について語り合いました。技術力よりも、興味の強さと物事への向き合い方が鍵になるという視点が繰り返し示された回です。
- コードを本業としない人でも、AIと対話しながら配信システムを作れる時代になっている
- 興味ドリブンで深掘りする姿勢が、同じ情報からより多くを得る差につながる
- コードを書けなくてもシステムの構成を理解することが、今後の重要な力になりうる
- AIで障壁が下がった分、差別化やマーケティング、戦い方のスタイルが問われる
- この変化はエンジニアに限らず、あらゆる領域への挑戦を後押しするマインドセットになる
