旅は投資か、浪費か
最初の相談は、旅を自己投資と呼ぶ人がいるけれど、実際は楽しい思い出で終わる浪費ではないか、というものです。
AIのご神託は「目的なき旅は浪費であり、投資と呼びたいなら旅の後に何を変えるかを決めてから行ってください」というものでした。
箕輪さんは学生時代から現在まで、サラリーマン感覚では考えられないほど旅をしてきたと話します。
基本、逆に旅してない時のほうが珍しいぐらい旅してますね。
一方で、40歳前後になると、旅ですら「あ、こんな感じね」となり、認知を変えてくれる体験が減ってくると言います。
自分の認知を変えてくれる体験がなくなってくる。旅か炎上か、みたいな感じですよ。
ここで箕輪さんは、人生を行きと帰りに分けて考えます。40歳までが行き、それ以降は帰りで、帰りは確認作業ばかりになるという見立てです。
四十から帰りだとした場合、帰りはもう確認作業が多くなりすぎてる。
たとえばAmazon一位やテレビでの紹介も、最初は大興奮だったのが、今は「はいはい」という確認になってしまったと振り返ります。
そうした興奮を無理に取り戻そうとしていた時期が、いわゆるミドルエイジクライシスだったと言います。
もう一回その興奮を得ようと思ってたことの辛さで。今日もスケジュール見たら楽しい予定しかなくて。
この話は、旅は資産としての「思い出」になる、というところに着地します。
けんすうさんは、思い出はむしろ福利で価値が増していく資産だと整理します。ビジネスも結局はいい思い出づくりだ、と二人は話しました。
癒着と信頼関係の境界線
次の相談は「癒着は良いことか、悪いことか」。AIの結論は「癒着は悪いことです」でした。
箕輪さんは、幻冬舎の見城徹さんが説く「ヒットの法則」に癒着が入っていることを挙げます。倫理的に悪い言葉だからこそキャッチーに使われている、という見立てです。
そのうえで、悪意ある癒着はダメだが、ビジネスの多くは信頼関係という意味での「癒着構造」で回っている、と話します。
一回その行くと、もうみんな仕事は全部LINEで決まってるんですよ。
けんすうさんは、箕輪さんは信頼貯金が溜まるのが早いと指摘します。理由の一つは、相手の嫌がることやツボを察知する編集者ならではの能力だと分析されました。
なんかその人の形を一目散に理解するかも。まあ編集者だからっていうのもあります。
もう一つの理由は、起業家の本づくりが損得抜きの「一緒に作品を作る」関係だからだと話します。
一緒に絵描きません?描きたいですって言われて、描きましょうって言ってるだけなのに。一番いい仕事よ。
さらに話は、失敗した人ほど相談される、という発見に進みます。
この人失敗だらけだなって人に、自分が失敗した時相談に行くんです。
真っ白で完璧な人には相談しにくく、傷だらけの人にこそ人は集まる。だから失敗は多いほうがいい、という結論になりました。
編集者なのにデスノートを知らない
三つ目は、デスノートの世界にAIがあったらLと夜神月どちらが勝つか、という質問でした。AIの結論はLが勝つ、です。
ところが箕輪さんは、デスノートを読んだことがなく、名前を書くと死ぬことと、Lが爪を噛む人だということしか知りませんでした。
俺さ、デスノート、名前書いたら死ぬっつうのは知ってんだけど、知らないんですよね。
けんすうさんが夜神月というキャラクターを説明すると、箕輪さんは15年前の作品の展開に新鮮に驚きます。
この脱線から、箕輪さんの独特な情報の入り方が明かされます。作品そのものはほとんど見ないが、作り手のインタビューやドキュメンタリーは大量に見てきた、というのです。
AKB48は興味ないですけど、秋元康のインタビューは全部読んでる。だから詳しいんです。
その結果、物語やストーリーを追う能力は低い一方で、人間がどう物事を成し遂げたかを抽象化する力は異常に高い、と自己分析します。
この人がなんでこれを成したかみたいなインタビュー。違う構造でも一瞬で抽象化して、こういう法則ねみたいな本を作るのはすごい得意なんですけど。
クラウドファンディングで応援されても自分では購入したことがない、といった逸話も飛び出し、知っていることとできることは別だ、という話になりました。
AI時代に残るのは「好き」だけ
シンギュラリティ後の人類はどんな文明をたどるか、という壮大な相談です。
AIの結論は、人類は意味の創造者として生き残るか、AIと融合してポストヒューマンに移行するかの二極化が進む、というものでした。
ここで箕輪さんは、鈴木おさむさんとのIPの話を持ち出します。IPとは、たった一人が没入して作ったものが、少数の熱狂から始まり、多くの人に広がって熱を保ち続ける状態だと整理します。
そして、AI時代に残るのはそういうものしかない、と考えるようになったと言います。
自分がめっちゃ好きなことを、ただ淡々とお金とか関係なく続ける。
これからの時代は、好きなことを自分のペースでただやるだけ。うまくいこうとすると、その他大勢と同じになっちゃう。
合理的に逆算するとAIでも作れる「その他大勢」になってしまう。だから、なぜそんなことをずっとやっているのか、と言われることをやるのが人間の役割になる、という見立てです。
この文脈で、ポッドキャストは低コストでマニアックなことを続けられるから、ファンを発酵させてIP的な熱を作りやすい、と話します。
時間っていうものがファンをグツグツ煮込んで発酵させて、IP的な本当に好きな人が集まってる熱を作りやすい。
二人は、このラジオも数字を追わず好きでやっているからいいのだと語り合います。
KPIにいる限り絶対勝てないですからね。
体こそが神・ブッダをロールモデルに
続いて、不死を目的とした宗教や、お気に入りの宗教についての相談です。
紹介されたのは「体こそが神」という思想の宗教で、小グループで集まり、自分の体に害を与えたことを謝罪する儀式があるといいます。
何が神か定義するところから始まるんだな、宗教って。
箕輪さんは、自分が好きな宗教家としてブッダを挙げます。不倫疑惑での炎上後、秩父の寺巡りで僧侶にかけられた言葉が印象に残っているそうです。
逆に過ちを犯せば犯すほど悟りに近づくんです。
反省してもしょうがない、「やっちゃったな」でいい、また気をつけよう、と繰り返すのが人間だと言われたと話します。
過ちを犯した人間だからこそ人を許せるし、相談もされやすい。だからブッダをロールモデルにしている、というのです。
ありとあらゆる罪、過ちをやった結果、人をわかって人を許せるようになる。
この話は、前半の「失敗した人ほど相談される」という発見とつながります。
さらに箕輪さんは、個人の意思が最大限尊重される「本当のリベラル」的な思想が自分のコンセプトに合っていると語り、宗教を作るなら「体が神」がわかりやすい、と盛り上がりました。
人間エネルギーカードとISBN構想
怪しい「人間エネルギーカード」を買うべきか、という相談です。AIは「怪しいので買わないでください」と即答しました。
これに箕輪さんは、本人として本気で反論します。お守りと同じで、本当にエネルギーが入っているのだ、という主張です。
本当になんかこれで、本当にエネルギーが入ってるんです。
けんすうさんは、これを仏具の考え方で整理します。仏教の深い教えを毎回思い出すのは大変なので、その情報を一つのアイテムに凝縮したのが仏具であり、いわばショートカットアイコンだ、というのです。
つまり本一冊分のプロセスや認知を、常に手軽に引き出せる形にしたのがエネルギーカードだ、と理屈が立ちます。
ここから話は、村上隆さんに言われた「これは草アートの頂点だ」というエピソードや、続編を出し続けてIP化させるという構想に発展します。
要は神仏みたいなものは、真剣にやらないと悪いものを引き起こす。だから村上隆さんに、罰が当たるんだと言われた。
そして生まれたのが、著者名ではなくISBN番号だけを刻むカードという発想です。
好きな本のISBN番号だけを刻んだカードにすればいいのでは。
ISBN番号は流通番号にすぎず、著作権も持ち主もいないため、誰の許可も要らずにカード化できる、というアイデアです。本を何度も読んでエネルギーを吸収した人が、物理的な本の代わりに番号を持ち歩くという構想でした。
流通番号に過ぎないんで、誰も権利がない。
メモの魔力なら顧客が80万人、一枚10万円で800人買えば8000万円になる、と皮算用まで飛び出しました。ただし前回の信頼の話とは真逆の、という自虐オチで締められます。
肯定感は戦略か優しさか、多面的に見る力
続いて、箕輪さんやけんすうさんが相手を気持ちよく肯定するのはなぜか、という相談です。AIは「相手を肯定することが自分の利益になるという成功体験の蓄積」と分析しました。
箕輪さんは、インタビューや対談以外では普通に否定していると明かします。ただ、肯定しないと話が広がらないのだと言います。
最初、全肯定しないと、単なる意見の表明の試合で終わっちゃって、コンテンツとして花開かないんですよ。
さらに、知識が増えると簡単には否定できなくなる、という理由も挙げられます。相手の立場や思想を想像すると、大抵は「確かに」と思えてしまうというのです。
別に立場やポジションが違うだけで、全思想も全意見も確かにって思うもん。
けんすうさんも、独裁者について書かれた本を読んで、独裁者の恐怖や立場が理解できるようになったと話します。
独裁者側の気持ちがすごいわかるようになって。要はめっちゃ怖いわけですね。
多面的に世の中を見られるようになると否定できなくなる。そもそも否定すべき相手に出会わなくなっている、という話になりました。
虫の目・鳥の目・魚の目とスキルの罠
高校生から、将来のためのプログラミング学習と、高校生としてやるべきことのどちらを優先すべきか、という相談です。
AIは「高校生としてやるべきことを優先し、プログラミングは趣味の範囲で十分」と答えました。二人もこれに同意します。
箕輪さんは、スキルを「枝」にたとえます。太い幹や根っこがあれば枝はどうにでもなるが、枝だけ頑張るとポキッと折れてしまう、と言います。
スキルって枝みたいなもので、太い幹が大事で、その先に土の中に張り巡らされた根っこが大事みたいな。
ここで箕輪さんは「虫の目・鳥の目・魚の目」を持ち出します。
一つのことに集中して深く掘り下げる視点
世の中の大きな流れや潮目を捉える視点
俯瞰して世の中を構造的に理解する視点
虫の目で頑張るだけでは、その技術がAIで不要になる流れに気づけない。三つの目を同時に持つことが大事だと語ります。
虫的にめっちゃ頑張ってるんだけど、流れわかってないよねみたいな。
けんすうさんは、人との出会いで認知が一気に書き換わる体験の重要性を挙げます。エンジェル投資家の言葉で世界の見え方が変わり、実際に周囲が成功していった経験を語りました。
自分が天井だと思ってたものが天井じゃなかったって気づくみたいな。世界もっと広いんだ。
「知らんおっさんのプロセス」は誰も見ない
最後は、社内エンジニアが技術を語る採用向けポッドギャストの企画が、目的やターゲットが定量的でないとボツになった、という相談です。
AIは「レビューの指摘に付き合う必要はない。定量目的を決めてから始めるという発想自体がポッドキャストに向いてない」と答えました。
けんすうさんは、目的を「エンジニアの認知度向上」にすると、知らない自社エンジニアを紹介し始めてしまい、誰も聞かなくなると指摘します。
知らんおっさんが飲み会の準備してる動画、自分が見ますか?っていう。
これは、プロセスを公開すればいいというプロセスエコノミーの誤解だ、と二人は整理します。
プロセス自体も面白いコンテンツにしないともう差がつかないっていう厳しい話をしてるのであって。
コンテンツが溢れる時代には、目的やターゲットから逆算すると必ず他と似通ってしまう。だから、どうしても話したいという熱量だけでやるべきだ、という結論になります。
超マニアックな一人しか聞かんやろみたいな技術の話を、本当に技術が好きな人たちが喋ってたらファンつくと思いますよ。
むしろ勝手に個人で始め、盛り上がってから会社に公認させるくらいがいい、と提案されました。
話は一億総インフルエンサー時代の行く末にも及びます。けんすうさんは、アイドルやゆるキャラのブームと同じで、大半が滑り、たまにヒットが出て、やがて市場全体が飽きられる流れだと見立てます。
最後は、AIで曼荼羅を作ろう、箕輪さんの本と発信をすべて一枚の絵に詰め込もう、という話で締めくくられました。
まとめ
40歳からの人生が確認作業になる中で、認知を書き換える体験や、劣化しない思い出が資産になる。そしてAI時代には、逆算や合理性ではなく「好き」と熱量だけが残る、というのが全体を貫くテーマでした。
- 旅や炎上のような非日常は、認知を書き換え、劣化しない思い出という資産を生む
- 失敗や過ちを重ねた人ほど相談され、人を許せる。傷だらけであることが信頼につながる
- AI時代に残るのは、逆算では作れない「なぜそんなことを?」と言われるほどの好きと熱量
- 目的やターゲットから逆算したコンテンツは似通う。虫の目だけでなく鳥の目・魚の目で流れを捉える
- 仏具のように、本一冊分の認知をアイテムに凝縮するという発想がエネルギーカード構想の核にある
