炎上を「詐欺の手法」だと思えば引っかからない
たとえば、これが詐欺だと分かっていたら、その手法には引っかからなくなりますよね。
それと同じで、SNSの炎上も「そういうもんなんだ」という構造として理解しておく。
そうすると、くだらないものを見ていてもしょうがない、と少し思えるようになるんじゃないかなと思うんです。
今、SNSでは誹謗中傷の問題があったり、誹謗中傷かどうか分からなくても、嫌がらせやハラスメントみたいなコメントもありますよね。
こういうものは、いずれものすごく大きな社会問題になると私は思っています。すでに社会問題にはなっているんですけど、明確に改善されているかというと、全然そうではない気がしています。
なぜ改善されないのか、海外事業者という壁
理由はいくつかあると思うんです。ひとつは、日本で主に使われているSNSプラットフォームが、ほぼ海外の企業だということ。
だから政府が十分に圧力をかけられない。もちろん政府が圧力をかけること自体、表現の自由の問題になったりもします。
ただ一方で、明らかに国民が被害を受けていることに関しては、政府や公的機関がちゃんとルールを作る必要があると思うんです。
現状は、海外の事業者に対して十分に影響力を行使できていないところがあるかなと。
そんな中で、EUでは独自の人権の観点からルールを設定したり、オーストラリアあたりを発端に、複数の国で15歳以下の子どもたちに対するSNSの規制をやっていたりします。
「見る」と「発信する」はまったく違うと思う
SNSを一律に規制するのはどうなのか、という意見もあります。でも私としては、このルール自体はある程度ありじゃないかなと思っています。
なぜかというと、SNSを見るのと発信するのとでは、だいぶ差があると考えているからです。
私たち世代は、小学生や中学生の頃からSNSやYouTubeを見る機会がありました。だいたい2016年から2018年くらいから使うようになっていて。
だからか、学校でもSNSの危険性について講習を受けたりしてきました。今の小学生・中学生はもっと徹底されているのかなと思います。
発信することの危険性については、ある意味で大人の世代よりも認識しているところもあるかなと思うんです。
とはいえ、TikTokやインスタに投稿している子もいますし、私自身もこうやって発信しているわけですが。
何を言っていいのか、どれくらいの人に見られるのか、それでどんな影響が起きるのか。拡散性が高い以上、自分がいくら考えても完全にリスクを回避できるわけではないと思うんです。
だから、まず一定の段階では規制しておくのはありかなと。特に未成年の人については、高校生くらいから発信するのでもいいんじゃないかなと思う気持ちもあります。
AIならコメントの文脈まで判断できるはず
いずれどうなっていくかで考えると、SNS事業者、たとえばGoogleやX、インスタを運営しているメタ社など、みんな独自のAIを開発しています。
今はYouTubeの動画に対しては規制があるんですけど、コメント欄に対しては、悪質なコメントへの対処が明らかに追いついていない気がしています。
これまでは一部のインフルエンサーや発信者に対してだったのが、一般のユーザーに対しても、ある程度のルール設定が必要になっていくと思います。
今まではNGワードのような、いくつかの言葉で判断していたと思うんですけど、これからはもっと文脈を理解できるようになるんじゃないかなと。
逆に言えば、もう現状そこまで行けるはずなのに、企業側が十分にコストを払っていないというのは、企業側の怠慢だと思うんです。
あれだけ収益を上げている企業なので、絶対そこにコストを配分できるはず。それが追いついていないのは、すごく問題だなと思っています。
今日から一人でできる、たったひとつのこと
SNS企業に対してどうするかというのは、個人単位で見ると結構難しいテーマだと思うんです。
だから中長期的に、広くそういう企業に問題意識が向けられるようにしていくのも大事だと思いつつ。
でも、一個人レベルで今日から対策できることもあります。
そもそもSNSは、人の感情を利用して、それがエスカレートしやすい制度設計にすることで、滞在時間を長くして広告で稼ぐ。基本的にはそういうビジネスモデルなんですよね。
それを頭に入れておく。すると、いろんな炎上を見て消耗させられること自体が、ある意味で「敵の陣地」にハマりに行っている状況だと気づけます。
もちろん、社会の中には発信すべきことや、適切に声を上げるべきこともあると思います。だからそこのバランスを見ながら向き合っていく、ということかなと思います。
まとめ
SNSの炎上を見て心をすり減らすとき、その感情自体がビジネスに利用されているのかもしれません。そう頭の片隅に置いておくだけで、少し距離が保てるんじゃないかなと、今は考えています。
- 炎上を「感情を利用するビジネスの構造」として理解すると、消耗しにくくなる
- SNSは「見る」と「発信する」でリスクがまったく違うので、特に未成年の発信には一定の規制もありだと思う
- AIで文脈まで判断できるはずなのに、コメントへの対処が追いついていないのは企業側の怠慢
- 今日からできるのは、炎上に消耗すること自体が「敵の陣地」にハマっていると気づくこと
