そもそもクレドブックって何なのか
まず「クレド」というのは略した言い方で、私たちは「クレドブック」という形で定義しています。
手元にあるのは20ページから30ページくらいの、まだ初版の簡易的なものです。
A4を縦に折っただけくらいのサイズ感で、ちょっと分厚めの電化製品の説明書みたいな見た目なんですよ。
中身には、このPodcastでこれまで話してきた理念やミッション、ビジョン、バリュー、それから行動指針が書いてあります。
さらに社内メンバー向けのハンドブックなので、人事制度やどう評価されるか、年間の行事、細かな規定も入っています。
会社の歴史や今年の方針、3年後・5年後に考えていることまで、ざっくり入っている感じです。
インタビュアーの方が「学生手帳だ」と言っていて、確かにイメージとしてはかなり近いと思います。
学校の方針や行事ごと、校則がまとまっている、あの感覚に本当に近いんですよね。
なぜ紙の一冊にこだわるのか
これはいわゆる行動規範集です。会社の中には立場も役職も、所属している歴の長さもバラバラな人がいます。
様々な人が様々な意思決定をするんですけど、それが会社の行動規範とずれていたら困るんですよ。
私自身、現場に出ることがかなり少なくなっています。
たとえば私が「Aだよ」と言ったものを、間に立つ人を通して、その部下に伝えるとしますよね。
そのとき途中の人がA'に捉えてA'で意思決定してしまうと、会社としてずれてくるんです。
細かいことなんですけど、こういうズレは積み重なっていくんですよね。
でもクレドが一冊あると、私の言葉がそのまま全員に伝わります。
全員がこのクレドに基づいて意思決定をするので、ズレが少なくなる。
結果として日々の行動も、こちらが理想としてほしい動きをしてもらえるので、数字も立ちやすくなるという訳です。
作って終わりにしないための月一の研修
正直に言うと、こういうものを作って終わりにしてしまう会社は多いんじゃないかと思います。
浸透施策まで考えて、しかも仕組みにしないとダメだと思っているんです。
私はマネジメントに関しては性悪説なので、作っただけで満足はしません。
今月から「理念研修」というのを始めて、私がスピーカーになって毎月20人ほどでやっています。
やり方は超簡単で、クレドブックを全員に持参させます。そもそも配ったときに「カバンに絶対入れとけ」と伝えてあるんです。
いつ何時でも迷ったら見られるようにしておけ、ということですね。
当日はまず読み合わせから始めます。一項目を読み合わせして、その理念や行動指針ができた背景を私が5分から10分ほど話します。
そのあと受け手側が、聞いて感じたことと自分の過去の行動を振り返って何と紐付けられるかをアウトプットしてもらう。
最終的には、自分の下のメンバーにも伝えられるようにする、というのを目的にしています。
毎日見てほしいのは「行動指針」
クレドの中でも、新人にはまず「行動指針」を毎日見てほしいと思っています。
理念やミッション、ビジョン、バリューはどうしても抽象度が高くて、新人はなかなか日頃の行動に落とし込めないんですよね。
その点、行動指針はめちゃくちゃ具体的なんです。
たとえば一番最初に出てくるのが「やる、それから考える」なんですけど、わかりやすいじゃないですか。
一旦やってから考える、というのは毎日見ておいてほしいところです。
中間層やマネージャーに上がっていきたい子たちには、第二章の「戦略と戦術」を見ておいてほしいですね。
向こう3年から5年の戦略と、そのためにどの道で行くか、何をするかが書いてあるので、そこは押さえておいたほうがいいと思います。
最近よく言われる「動きが速い」の正体
話は少しずれるんですけど、最近よく「動きが速い」と言われるんです。自分では普通にやっているつもりなんですけどね。
なぜ速いのか、パッと思い当たったことが2つか3つあります。
まず一つ目は、私自身がいろんなことに渇望していること。
これは東京の知り合いに「めっちゃ渇望って感じするよね」と言われて気づいたんです。
自分では成長欲求が強い人間だと思っていたんですけど、他人から見ると渇望に映るらしいんですよ。
二つ目は、現状把握の能力、つまり現在地の把握能力が多分異様に高いこと。これは自分の強みだと思っています。
渇望しているから行きたい未来が常に明確に見えていて、かつ現在地がはっきり見えているので、次にどこへ一歩出すかがわかるんですよね。
だからすぐに一歩を出せる。この現在地の把握については、日々のジャーナルの積み重ねが大きいと思っています。
三つ目は、そもそもの組織の作り方が他社と違うことです。
うちは会社の方針に共感してくれる人、上位概念の理念に共感している人しか入れていません。
そして私自身の意思決定の軸も「理念を体現できるかどうか」なんです。
人はどうしても他人の悪いところやできないことに目が向きがちですけど、私はそれが嫌だったので、理念に目が向くようにしたんですよ。
その結果、現場に反対されることがほとんどなくて、軋轢が生まれにくい。だからこの体制でもスピード感を持って進められているんだと思います。
まとめ
クレドブックは、学生手帳のように「何が正で何が正じゃないか」を明確にして、日々の決断で迷わなくするための指針です。今のところ私は、毎日音読するくらい見てほしいと思っています。とはいえ毎日続けるのはなかなか難しいので、まずはカバンに入れて、迷ったら開くところから始めてもらえたら嬉しいです。
- クレドブックは理念から人事制度、会社の歴史や方針までまとめた一冊で、私の言葉をそのまま全員に届けてズレを減らすためのもの
- 作って終わりにせず、月一の理念研修で読み合わせと背景の共有、アウトプットまで仕組みにしている
- 新人は具体的な「行動指針」、上を目指す層は「戦略と戦術」を重点的に見てほしい
- 動きが速いと言われる理由は、渇望・現在地の把握能力・理念でそろえた組織づくりにあると考えている
