就職活動で多くの薬学生が悩む「薬局か病院か」
学生実習の二期が終わり、夏を過ぎて本格的な就職活動が始まる時期になったと、たいぞーさんは話します。
その中で薬学生の進路選択の悩みとして大きいのが、薬局薬剤師として働くのか、病院薬剤師として働くのかという選択だといいます。
たいぞーさん自身も、就職活動の際にとても悩んで薬剤師の道を進んだと振り返り、この2つの職種の違いを自身の視点から語っていきます。
一般的に言われる薬局と病院の違い
まず、一般的に言われている両者の違いが紹介されます。
薬局薬剤師は地域に根差し、患者さんとより近いところで関係性を築いた関わりができる点が醍醐味とされています。
一方で病院薬剤師は、薬学の専門性をより活かした仕事ができ、薬剤師としての能力を身につけていくのに適した環境だとよく言われます。
たいぞーさんはこの一般論を特に否定はしません。ただし、薬局では専門性を極められないのかというと、そうは思わないと続けます。
下手をすると、病院に行くよりも薬局の方が、薬剤師の専門性を活かした患者さんへの関わりや能力の研鑽を積める環境を、自分自身で作り上げることもできるのではないかと思っています。
なぜ病院は専門性を鍛える環境と言われるのか
では、なぜ病院薬剤師の方が専門性を鍛えるのに優れた環境だと言われるのか。たいぞーさんは、大きく2つの要素があると説明します。
1つ目は、病院が医療の専門職が多数集まっている環境だという点です。
医師は医学部で6年間かけて病気を見て、患者さんを診立て、治療戦略を立てることを学んでいます。この学びは一朝一夕で真似できるものではないといいます。
看護師、理学療法士、管理栄養士など、他の専門職が身につけている専門性も同様に、簡単に真似できるものではないと語られます。
そうした環境の中で薬剤師が自分の存在意義を示そうとすると、結局は自分が6年間かけて学んできた薬学に立脚した仕事にフォーカスすることになる、というのが2つ目の要素です。
他の専門職に脇目を振ることなく、薬学というところに自分の軸足と目線を置いて仕事に向き合うことができる。それが病院薬剤師という仕事の中で得られる環境だと思います。
専門職に囲まれた環境が、いわば強制力として働くことで、薬学に集中せざるを得なくなる。だからこそ病院は専門性を磨ける環境だと言われるのではないか、とたいぞーさんは整理します。
多くの専門職に囲まれ、薬学に軸足を置かざるを得ない強制力が働く。集中して専門性を磨きやすい環境。
小売業を含め多方面から患者に関われる自由さがある一方、専門性を見失いやすい。自分を律する覚悟が必要。
薬局の強みは、そのまま弱みにもなる
一方で薬局は、小売業という業態も含めて、本当に多岐にわたる視点から患者さんに関わることができる点が大きなメリットだといいます。
しかしたいぞーさんは、この強みがそのままデメリットにもなっていると以前から感じているそうです。
いろんなことに目線が向くからこそ、自分自身の薬学という専門性を見失いやすい。そんな環境にあるのが薬局薬剤師なのではないかと思います。
だからこそ、自分の軸を見極めて薬学の専門性をぶらさずに、薬局の強みを活かして関われれば、専門性を活かしながら多方面から患者さんに向き合えるといいます。
病院とは違い、様々な角度から患者さんに関わるマルチな関わり方も同時に実践できる。その意味で、専門性を鍛えると同時に活かしていける環境が薬局にはあると語られます。
ただし、見失いやすい環境だからこそ、自分を律する心がないと専門性を鍛え上げるのは難しくなる。その覚悟を持って働くなら、薬局という環境も決して悪くないとまとめます。
どちらが良いかではなく、自分に向いているか
たいぞーさんは、どちらが良い悪いというより、どちらも向き不向きだと考えていると話します。
自分の専門性に立脚した患者さんへの関わりは、どちらの環境でもできる。ただ、場所が違えば実践のやり方も変わってくるといいます。
自分は脇目も振らずやれるのか、それともいろんなことに気が向いて見失いやすいのか。表面的な違いだけでなく、自分自身を見つめながら進路を選ぶことが大切だと伝えます。
今日の放送が、薬局か病院かで迷っている人にとって、進路選択の一つの道しるべになれば嬉しいと締めくくられました。
まとめ
薬局と病院の違いは、一般論だけでは測れません。専門性を活かせるかどうかは環境そのものより、その環境の中で自分をどう律するかにかかっている、というのがたいぞーさんの視点です。
- 薬局は地域に根差した関わり、病院は専門性を活かした仕事、というのが一般的な見方
- 病院は多くの専門職に囲まれ、薬学に軸足を置かざるを得ない強制力が専門性を磨く
- 薬局は多方面に関われる強みがある反面、専門性を見失いやすいという弱みも併せ持つ
- 専門性に立脚した関わりはどちらの環境でも可能で、実践のやり方が変わるだけ
- どちらが良いかではなく、自分を律せるかという自己理解をもとに進路を選ぶことが大切
