リスナーコメントから生まれた本題
この回のきっかけは、パッションモンスターの鈴木さんとのインスタライブ対談でした。
薬剤師のやりがいや専門性の活かし方を1時間ほど語り合う中で、多くのコメントが寄せられたと言います。
その中に、時間の都合で触れきれなかった声がありました。4年制の教育課程を受けたことへの、申し訳なさのようなコメントです。
この4年制の教育課程を受けているので、6年制とは違うという、なんとなく申し訳ない感じだなというようなコメントだったと思います。
こうした声を口にする人を、たいぞーさん自身もよく見かけると話します。
6年制の子たちはすごく勉強してるけど、私たちは4年制だからねみたいなことを言われる方がいるんですけども、僕それはほんまかなとちょっと思うところもあります。
4年制と6年制で、資格は分かれているのか
たいぞーさんがまず示すのは、資格そのものの扱いです。
薬学部は現在6年制で、6年間学んだ課程を経て薬剤師になります。では2年分学んでいない4年制の人は、別の資格なのでしょうか。
そうではない、というのがここでの要点です。4年制卒も6年制卒も、同じ「薬剤師」という国家試験を取得したスペシャリストとして扱われています。
薬剤師の国家試験を取得したスペシャリスト
同じ薬剤師の国家試験を取得したスペシャリスト
追加された2年間で何を学ぶのか
では、6年制で増えた2年間は何に使われているのでしょうか。
たいぞーさんは、自身が6年制の課程を受けたからこそわかると前置きしたうえで、大学で学ぶカリキュラムの大半は4年の間にほぼ終わると説明します。
残りの2年間の中心は、臨床現場での学びです。病院と薬局にそれぞれ2ヶ月半ずつ行く実務実習や、より臨床に即した実践力を鍛える授業が組まれています。
この点から、たいぞーさんはある経緯を紹介します。4年制の人はすでに臨床現場に出て、薬剤師としてプロの仕事を経験として積み重ねてきた、という見方です。
つまり6年制で追加された2年分の専門性を、4年制の人はすでに現場で実践してきた。そうした背景から、資格は区別されず一体のものとして扱われるようになったと聞いたことがある、と話します。
4年間で学ぶこと
大学のカリキュラムの大半はここでほぼ終わる
追加の2年間
実務実習や、より臨床に即した実践力を鍛えるカリキュラム
4年制卒の場合
同じ内容を、すでに臨床現場での実践として積み重ねている
アムロジピンで見る、薬剤師に共通する土台
たいぞーさんが重視するのは、両課程に共通する薬学という学問の土台です。
その具体例として挙げるのが、血圧の薬アムロジピンの働きです。
たいぞーさんは、アムロジピンが体内で血圧を下げるまでの流れを、順を追って説明します。
カルシウムチャネルを塞ぐ
カルシウムが細胞内に入らなくなる
結合が起こりにくくなる
カルシウムとカルモジュリンの結合が起こりにくくなる
筋肉が収縮しない
アクチンとミオシンの滑り込みが起こらない
血圧が下がる
筋肉が弛緩し、血管が広がって血圧が下がる
この一連のメカニズムを、たいぞーさんはさらさらっと話したと振り返ります。
そして、薬剤師であれば覚えているかどうかは別として、全員が「聞いたことがある」と反応できるはずだと言います。
薬剤師であればすべからく全員、覚えている覚えていないはいろいろあるとはいえ、「ああ、なんかで聞いたことあるな」とか、「確かにそんなこと大学で学んだな」と、全員が「わかるわかる」というような反応を示すのが薬剤師です。
一方で、他の職種や一般の方には、途中から理解が難しくなる話でもあります。
この違いを生むのが、薬学という下地の知識です。薬が体をどう変化させるのかを、すっと理解できる土台を薬剤師は学んでいます。
劣等感ではなく、共通の薬学を活かす
たいぞーさんは、この土台は6年でも4年でもおおむね共通だと強調します。
だからこそ、課程の年数で優劣がつくものではない、というのがこの回の結論です。
たいぞーさんが掲げる「薬学で患者を語る」という実践も、両課程に共通する薬学を活かして患者に関わることだと言います。
活かそうと思えば、どちらの課程を経ていても遜色なく実践できる。そうした能力が薬剤師には備わっているのではないか、という見方です。
4年制だから6年制の教育受けてないしみたいに、なんとなく劣等感を感じる必要は全くなくて、同じ共通の薬学を学んだ薬剤師として、ぜひ薬学で患者を語るということを実践してみたいなと思っていただけたら嬉しいです。
まとめ
この回は、4年制課程への劣等感を、薬剤師資格の成り立ちと薬学の共通性から解きほぐす内容でした。年数の差ではなく、共通の土台をどう活かすかに目を向ける視点が示されています。
- 4年制卒も6年制卒も、同じ薬剤師の国家試験を取得したスペシャリストとして扱われる
- 6年制で追加された2年間の中心は、実務実習など臨床現場での学びである
- 4年制の人は、その2年分の専門性をすでに現場での実践として積み重ねてきたという見方がある
- アムロジピンの働きのように、薬が体をどう変えるかを理解する薬学の土台は両課程で共通する
- 課程の年数で優劣はつかず、共通の薬学を活かして患者に関わることが実践の核心である
